《小さなヒカリの語》12ページ目
かりとかそんなのは理由にらない。確かに怖い。超怖い。だが、今は今。後々のことは後々の俺に任せるとする。今の俺が後々の俺を後悔させないように。上手くに伝達しなくても、やるだけのことはやってやるさ!
「うおぉぉぉおおおーーー!」
まずはの元に向かおうと、後ろに踏み出そうとしたその時、
「えっ!?」
振り向きざまに足がもつれ、そのままもちをついてしまった。
(こんなときにーーーーー!)
馬鹿か! 不覚すぎる! 最悪だ!
立ち直そうとしても膝がガクガク震えて立てない。何してんだ俺。
「くっ、何か武になるものは!?」
すがるような思いで周りを見渡すが、木の棒さえ落ちていない。あるのは焦りと恐怖と絶だけ。地面を後ずさりする手には冷たい土のがした。
は再び聞くに堪えない大きな唸り聲をあげた。大気がびりびりと振して、その震えは俺の心に絶という言葉の意味ををもって分からせてくれた。諦めと自棄。き出した。
(死んじゃうのか俺? まだ高校生活も始まってないのに?)
「あぁ……」
斷末魔の悲鳴こそあげやしなかったが、俺はただ短く聲をらした。
サヨナラ俺がいた地球、來世も人間に生まれたいです。
ガガガガガガガガガがガガガガガッ。
に削り取られた土の煙が空中に舞い上がった。
「……れっ?」
不思議なことが起こった。イリュージョンでも見ているような気分。何も、じない。
砂塵がにかからない。ぶつかるはずのものまでも俺のをすり抜けるようにして、いや文字通り砂ももすり抜けたのだ。いったいどういうことだと思いつつも、恐怖から解放されたことで肩の力が抜ける。しかし、すぐにまた全に力がる。
この先。
が向かった先は。
「えっ」
振り向けば、あのが大木のし手前で立ち上がっていた。それも、勢を低くし剣を構えた狀態で。の青い瞳は涼やかでどこか憂げで、けれど強い意思がその目に宿っていた。
青い炎が一段と激しく燃え上がる。
「はああああ!」
突撃してくるめがけて、は剣を橫に薙いだ。けれど當たる寸前でにかわされた。
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