《小さなヒカリの語》23ページ目
ああ、やっちまった。気づいたのは開始予定時刻のおよそ三十分後。
明日テストがあるから早起きして勉強しようと意気込んで寢るが、目を覚ましたときにはすでに朝の七時を指していた、のと同じような覚だ。初日から遅刻するなんてまさに愚の骨頂。
何か理由があるなら先生たちも考えてくれるだろうが、ずっと話してて時間になっても気づきませんでしたと言ったところで、仕方がないなという展開は一分たりともめない。
しかも式の最中に一組の男が同じ足取りでってきたとなると、お前ら朝から何をしていたということであり、バカップル振りをアピールしているように見える。
だから俺らは式が終わるまで扉の外で待つことにして、扉の隙間から進行狀況をのぞき始めて一時間が経過。式が終わるのを見計らって、教室に戻るよう生徒に促す先生のところに駆け足で向かう。真実味が増すよう、息を切らしたり服がれているというオプションを添えて。
「ん? お前らどうしたんだ? 學式は今終わったところだぞ」
これが初顔合わせなので、先生のほうも怒りをし抑え気味にするという地の利を生かす。
「すみません。だけど……苦しんで助けを求める人を見なかったことにするなんて出來ませんでした」
予定通りここで先生の顔が変わる。やっぱそうこなくちゃ。
「どういうことだ? 詳しく話してみろ」
「はい、実は~」
ここからは俺が一時間考えた、超がつくほどべたでどこにでもありそうな、それでいては外さない話を披した。途中、気分が乗ってきてどこの攜帯小説だと突っ込まれそうなくらいに話が線してしまった。が、そこは俺の腕の見せ所。ぐだぐだになりながらもなんとか最後は締めて、そして、
「そういうことがあったのか。よし、わかった。行っていいぞ」
見知らぬ角刈りの先生は目頭をハンカチで押さえながら、承諾した。
先生には悪いと思いながらも、この話はフィクションです。実在の人、団、事件などには一切関係ありませんというテロップが脳を心地よいしゃべり方で流れてくる。まぁ、世界は広いからどっかであったことかもしれないけど。
ヒカリが俺の服の袖をつかんで、行こうと促すので教室に向かう生徒の列の中に一緒に並んだ。
「よく考えついたね、あんなすごい話」
かすかにうるうるきてるヒカリ。ハンカチを俺にも差し出してきたが、いらないからと押し返す。
「人間追い詰められるとすごい力を発揮するもんさ」
大ボラを吹いただけなのだが、人間のにめられた潛在的ポシビリティーをそれとなく臭わせてみる。
「へー、いつかそういうことが現実にあるといいね。私、しちゃった」
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