《小さなヒカリの語》38ページ目

はあんなにすばやくいてたのに」

ヒカリに異変をじ、そう質問してみる。

「昨日は力を使ってたからだよ。普段は使わないようにしてるの。オウムが現れたとき力が空っぽだったら意味ないから」

「あぁそういうことか。なるほど」

簡単に納得した。一応そういうことも考えてるんだなぁと心する。もし俺がヒカリの立場だったら、力測定やクラスマッチの時などに大いにつかうけどな。普段から力を使って、楽に生きようともするだろう。百メートル走世界記録更新も夢じゃないし、上手く使えばお金にもなる。もし力を持っていたら何に使おうかと益にもならない桃の思考を展開していた。なんとなくヒカリには緒だ。

そうこうしているうちに教室についた。

「おっす康介! グッドモーニングぅー」

教室に著くや否や昨日のハプニング男は、チッチキチーの両手押し出しヴァージョンを披してきた。テレビに影響されました丸出しの鈴木にあえて「おっはー」と切り返す。

「モーニングぅー」

鈴木は一回目よりも親指を強調してきた。そんな一時の流行はいずれ過ぎ去ってしまうというのに。だから、俺は既に流行から外れた元流行語を適切な場面で使いこなし、流行り言葉という安易な大衆の流れを底から覆そうと試みたりする。自分で言ってよく分からないが。

「おーはー」

「お前なんか流行の波に飲まれろっ!」

「流されることなく生きるっ!」

端から見れば、お前ら朝っぱらから何してんのであり、マヨネーズでも飲んでろくそ野郎だが、こうした鈴木とのやりとりは中學のときからの習慣なので今日もそつなくこなしたわけだ。まぁ、この行に特に意味はないけども。

席に著くと、前に座る英人が話をするためをこちらに向けた。

「一緒に登校してきたの子は誰なんだ?」

英人がにやにや顔全開で聞いてきた。

「ん? あぁー」

そうか。ヒカリは中學に上がる前にこの町を離れたから、中學の奴らとは面識がないんだ。気持ち的にはもういるのが當然のように思ってしまっていた。久しぶり合った割にぎこちなさがなくて、會話もスムーズだったからここずっと一緒にいる気になっていた。同棲(あっちはそう思ってるか知らないが)には全力で反対したのに、次の日にはもうれる態勢が出來ていた自分には驚きだ。

「あいつは俺の馴染で、昨日この町に引っ越してきたってほぇっ!?」

「そうなのかぁ!!」

突然襟を引っ張られてを反る格好に。ちょちょちょっ、なにがっておいやめろ!

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