《小さなヒカリの語》39ページ目

「どうして教えてくれなかったんだぁー!」

鈴木の大きな聲が耳元で響いた。ってことは、このはた迷な行する人も鈴木だ。

「あ、えっ!?」

「俺たちの間で隠し事は無しって言ったろ!」

別に隠してねぇよ、と言う前に、

「裏切り者はこれでもくらえ!」

という鈴木の聲と共に額に締め付けられるような強い痛みを覚えた。

「ふぐぁぁぁっ! 鈴木、ヘッドロックは止め……」

タップを試みるが、手は空中を彷徨うばかり。

あまりの痛さに生命に危険が及ぶと脳がみなしたのか、はほぼ反的に、

「うらぁあああ!」

「ふぐぁぁぁっ!」

みぞおちに流れ込むようなストレートを放つ。いい仕事してますねぇ、と誰かに言われそうだ。

鈴木は床に倒れこみ、俺へ何かしら悪意があるとしか思えないヘッドロックは解除された。

鈴木が気配を消して後ろに立っていたということへの疑問もあったが、それより先にこいつをどうしつけてやろうか。人の話を聞くという當たり前のことをを張って學ばせてやりたい。

足? 腹? 腕? それとも顔面? どれにしようかと悩んでいると英人が、

「康介、暴力は止めとけ。高校での初授業が『保健室で休みます』になったら鈴木がかわいそうだ」

と爭いの仲裁にってきた。注意はいきなり背後から襲ってきた奴にしてほしい。まぁでも一発いいのを返したので、これで止めないこともない。つまりはこいつ次第だな。

「鈴木、お前彼が出來たからってあんまりはしゃいだりすんなよ。それで迷する奴もいるんだからな」

「えっ?」

英人は今なんて言った。鈴木に、か、彼? そんなのないよな? 鈴木に彼がいるなんてシラナイゾ。

「ちょ、ちょっと待った。こ、こいつに彼なんかいるのか? ダッチワイフとかじゃなくて?」

「は? 知らされてないのか? 俺はてっきり知ってるものだと思っていたが……」

俺が殺意をそえてじろりと睨むと、奴は人差し指を合わせて、

「人間はな、隠し事の一つや二つはあるもんなんだ。そこを責めるのはお門違いってやつだ。それにな……」

「うん。それに?」

顔はにこにこ、形を崩さない。ふふふふふとお互い笑いあったりもする。

があるほうがかっこよく見えるだろ!?」

途端、俺は目をくわっと見開き、右腕を鈴木のお腹にチェストー!

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