《小さなヒカリの語》41ページ目

ろう。腹の合でも悪いのか。

「あまりおかずが減ってないけど、どこか気分悪いのか? 鈴木の顔が原因ならこいつだけ別の席に飛ばすけど? あぁーでも満席だから無理か。じゃあ、鈴木だけ教室にしよう、な?」

「まだヒカリちゃんは何も言ってないぞ!」

鈴木は一人吠えてるが、原因がもしそうならば、発言なんて無視して強制移転もやむを得まい。

「そう……じゃなくて、えっとね……こーちゃんは……」

「俺が、なに?」

ヒカリの顔に不安めいたものが見える。まじでどうしたんだろう? まさか逆に俺が強制移転になったりするのか? いや、それだけは避けたい。

「こ、こーちゃんには彼とかいるの?」

ヒカリは俺から視線を反らし、もじもじと手をこすり合わせた。

……何だそんなことかよ。いきなり「來るっ!」とか言ってオウムの出現を知したり、「こーちゃんはこの気配に気づかないの?」なんてことを言うのかなと深読みしていたが違うらしい。

漫畫の見すぎだなこれは。

「あぁーっといない、けど」

作ろうとしなかっただけだけど、なんて。

「そうなんだ。へぇー、やっぱそうだよね」

ヒカリは安心したようにほっと息をついた。

「そういえば康介は中學時代は子に評判は悪くなくて、告白も何回かされてるんだ。でも、OKは一度も出さなかったことから『撃墜の墮天使てんてん君』っていうあだ名で一時期呼ばれてたよな」

英人は俺にだよな?という視線を送ってくる。

「もうその名で呼ぶのはやめてくれ。ダサいから」

々混ぜすぎて元の意味が分かんなくなったじだ。もっとましなあだ名はなかったのだろうか。

「えー、ちょっとその話聞きたい……かも。何で斷ったりしたの? 告白してくるぐらいだから、その人はかわいかったんでしょ?」

とんでもないことを言い出した。確かに量は悪くなかったと思うが、いやそれは一旦置いといて、ヒカリがそこを追求してくるとは思わなかった。心が揺して上手い回避の仕方が思いつかず、微妙にお茶を濁す形になる。

「まぁ、その何だ? 付き合うっていう柄でもないし、彼しいってわけじゃなかったし……心の中の人はいたけど……ってか俺はめられてる!?」

図らずも、英人とヒカリの導尋問に乗せられた気がする。

「いや、違うんだ。別に深い意味はなくて……」

「いや、俺には分かるぞ。お前の言いたいことが」

うんうんと腕を組んで納得している鈴木。まさか。もしかするともしかしたり。

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