《小さなヒカリの語》79ページ目
仕事の前では恥心はないに等しい。そう言ったら噓になるけど、優先すべきは一瞬の私的より、公的安全。
私は教室を出て、出來るだけ早く走る。悪寒がしてから、三十分以にその場所に辿り著かないと、オウムは完全にこちらの世界に出てきてしまう。そうなったらどれだけ被害が出るだろうか、予想もつかない。寢てる間でもオウムが出現するなら、眠気をかみ殺してでも起きなければならないし、そうするように訓練されてきた。
私は四階から一階までの階段を五段飛ばしで駆け下り、外に出る。一刻も早く倒そうと思うと、靴を履きかえる時間も惜しい。太からの強いしで乾ききった土の上を上履きで踏み進む。グラウンド中央上空から度の濃いエネルギーをじた。あそこにオウムはいる。
「天命を下せし君に誓う。我のために扉を開かれよ」
空間移の出力キーを唱えて空間に切れ目をつくり、の中にる。
オウムの存在を確認して、カードをポケットから取り出し、武を顕現させた。オウムの注意をひきつけるために力を大きく解放する。そうすることで、高位に浮遊するオウムを攻撃圏に呼び寄せられる。
「我に與えよ我に授けよ全てをちりと焼き盡くす力」
詠唱して炎を放つ。足で地面を踏み切ってを空中に放り出し、圏にったオウムめがけて剣を振り下ろした。
瞬間、視界からオウムが消えた。そう思ったのと同時に、意識のくらむような激しい衝撃が全に駆け巡った。地面に叩きつけられ、きつく結んだ口から悲鳴がれた。脳天を揺るがすような凄まじい衝撃。私のを介してなお、地面に亀裂を生じさせている。強大なオウムの力だ。力で守っているから痛みはじないけど、それにもいつかは限界が來る。力切れをおこさないよう極力避けて、とどめをささなければならない。
垂直降下してくるオウムを後ろに跳んでかわす。避けるのは訓練で死ぬほどやってきたからが反的にく。
「我に與えよ我に授けよ轟き屠れいかずちの刃」
オウムの上部と下部に電気を発生させ、真心から貫かせる。
確実に當たった……はずなのに、まるで攻撃が効いてないように、跳んだところにまたオウムが接近してきた。
「くうっ!」
剣を最後まで振り切れない。近すぎて避けることしか出來ない。避けるのがやっとという狀況は今まで何度かあったけど、今回は特にその傾向があるようだ。毎回オウムの強さはまちまちだが、今回はなかなか手強いらしい。けど、これぐらい乗り越えてみせる。
「はぁっ!!」
剣を振らないには當然オウムには當たらない。戦況を変えるための一振り。活路を見出ため、炎をの
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