《小さなヒカリの語》90ページ目
はりめぐる何かの存在をじたのは確かだった。
ヒカリは通事故だった。道路に飛び出した所を車にはねられたらしい。ヒカリは一命を取りとめ、全治四ヶ月の怪我を負った。目を覚ました時はほっとしたけど、もやもやは消えるどころか膨らんでいた。ヒカリに大怪我を負わせたことと、おばあちゃんの最期に行けなかったこと。どちらも自分の『告白』のせいだと今日まで思い続けてきた。
「ごちそうさま」
「あら、もういいの? まだごはんも半分殘ってるわよ」
「今日はあまり食がない」
母さんの心配する聲が後ろから続いたが、頭痛の再発癥に、言葉を返すことは出來なかった。頭痛が酷くなる前に早めに寢て、今日の疲れを取りたい。それと今日中にヒカリに一言謝っとかなきゃな。
俺は二階に一旦戻り、著替えを取って風呂場に向かった。
「ん? 誰だよ、電気つけっぱなしにしたの!」
所にる前から風呂の電気がついていた。うちの家計はなかなか苦しい。父さんが死んでの保険と、母さんの晝のパートでなんとかまかなっている。だから節電もばかにはならず、普段からそういうことは心がけていた。母さんもそのことは多分に分かっているはずだが、あのパーティー好きの格だ。貯金はいっこうに貯まらず、節電してお金が浮いてもパーティー代に當てられる。息子の俺としては首をひねらざるをえない。
服をいで、風呂場にる。と、
「うぉお!?」
「……えっ」
やばい、これはやばいぞ。ヒカリが大聲を出そうと息を吸って、
「こーちゃんのえっちーーーーーー!!!!!!!!!!」
「わざとじゃないんだーーーーーーー!」
タオルで咄嗟に隠して、風呂場を出る。冷や汗だらだら。ヒカリがってることにまったく気づかなかった。湯煙で何も見えなかった。別に見えなくて殘念というわけじゃない。というか見られたかな?すぐに隠したから大丈夫と思うが。俺も鈴木みたいにケルベロスきゃは☆と笑い飛ばしたい。
「えっちー」
風呂場から所に逃れた俺に、非難の聲が浴びせられる。
「覗くつもりなんてなかったんだよ! これだけは信じてくれ!」
頭痛で注意が散漫してたんだ。だから俺は悪くない。言い訳にしか聞こえないけれど。
「ねぇ、こーちゃん」
「ほんっとうにすいませんでした。腹切りでも何でもしますんで許してください」
人のを見たんだ。腹切りくらいじゃ済まないかもしれない。
「腹切りって……」
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