《小さなヒカリの語》106ページ目

ヒカリは頬の筋を緩ませて、全で嬉しさを表現した。これをサプライズというか分からないが、ヒカリの喜ぶ顔を見れただけでもう今日は満足だ。

々買ったけどこーちゃんがくれたこの服が一番だよ。寶にする」

俺のあげた紙袋をぎゅっと元に引き寄せ、大事そうに抱える。ドッキリじゃないよね?と周りを見回してカメラがないことを確認すると、口元をにゅふふと緩ませた。

「そこまで言われるとこっちが恥ずかしくなる」

は言いすぎだろう。俺の選んだものが果たしてそこまでの価値があるのだろうか。

「ちょっと待ってて」

ヒカリはそう言うと試著室にっていった。二分してカーテンが開き、俺は震えたね。

ヒカリはさっそく俺の選んだ服を著てくれていたのだ。あげた側にとってこれ以上の喜びはない。

「どう? 似合うかな?」

「似合う。めちゃくちゃ似合う」

俺は何度も頷く。どれだけマッチしているかを頷きの回數で伝える。侮蔑の目を向けられてまで選び抜いた甲斐があった。さっきの涙とはまた違うの涙が出てきそうだ。嬉しい。

「次はどこに行こっか? ……どうしたの?」

「えっ? あっ、っと、ちょっと待って」

ヒカリに見とれていて話し掛けられていることに気づかなかった。急いで手帳を取り出し、めぼしい場所を確認する。

「おいしいアイスクリームとかどう?」

「おぉーいいねいいねー。行こう行こうー!」

「アイスクリーム屋の場所は屋上だ」

「……屋上……!?」

エレベーターで一気に最上階まで行く。エレベーターまでたどり著くまでに一回ヒカリが転びそうになったが、手を繋いでいたことにより危険は回避された。屋上は今日ヒーローショーが行われるため、椅子がたくさん並べられていた。そことは別の椅子とテーブルが設置された場所に腰掛けた。

「俺が二人分買ってくるよ。ヒカリは何がいい? あるのはバニラ、チョコレート、マーブル、マンゴー、巨峰、抹茶。この店のお勧めはバニラで、テレビに取り上げられたほどらしい。牛の濃厚な味が何とかかんとか」

「じゃあ……チョコレート!」

そこはバニラと答えるとこだろうと様式で肩からずるっとこける。別に何を頼んだっていいけど、おいしいという評判の味を食べさせたかった。アイスクリームの値段は190円とリーズナブルで好印象。あとは味次第だ。

チョコレートのアイスクリームをヒカリに手渡す。俺も椅子に座り、評判のバニラのアイスクリームを味わう。ぬ、ふむむ。

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