《小さなヒカリの語》109ページ目
って順応するのわりと早いよな。同棲にも一日で慣れたし、最初は疑ったが、討魔師の話もすんなりけれることが出來たし、このまま手を繋ぐことも習慣化したりして、なんてな。
「今日は楽しかったね」
「おう、食べてばっかりだったけどな」
「ねぇ、こーちゃんは今日の夕ごはんなんだと思う?」
「そうだな、ときて昨日が魚だったから……ってまだ食うつもりなのかよ!」
「まだ四時だよ? 二時間もあればお腹は空くよ」
ヒカリが自分が死んだら泣くかどうか聞いてきた時はすごく心配したが、今日のヒカリを見る限り、だいぶ元気が戻ってるみたいで安心した。というか逆に戻りすぎてデパ地下食材を制覇するぐらいにまで復活したために、これからの食費の面での心配事が増えてしまった。ヒカリが笑顔ならそれでいいけど。
「あっ!」
「ん? どうした?」
ヒカリの足が止まって、俺も歩みを止める。
「ごめん、こーちゃんは先に帰ってて。私は今からちょっと用事が出來たから」
「えっ、用事が出來た? 急になんだよ?」
「ごめん、すぐ帰るから」
ヒカリはそれだけ言ってどこかへ走っていった。手はいつの間にか離れていた。手を繋いでる間はいつもよりずっと近にじていたために、急にいなくなると空虛なじがしてし寂しい。手を離したことが楽しい日常の終焉とさえ思えた。でも終わり方としてはなぜだろう、どこか腑に落ちない。言いたいことはあったが、ヒカリが遠くなってゆくのを見て、追いかけるのは諦めた。なぜか全然追いつける気がしなかった。追いつこうと考えるのがさらさらおかしいが。
俺は家までの五百メートルを、今にも戻ってくるだろうヒカリを思いながら、意識的にゆっくり歩いて帰った。結局、ヒカリは戻ってこなくて、なぜか分からないけれど右手がやけに寂しかった。
「お帰りなさい。あら、ヒカリちゃんはどうしたの? ……まさか泣かすようなことをしたんじゃないでしょうね?」
「いや、帰る途中でヒカリが用事があるってことで別れた。すぐに帰ってくるとは思うけど」
しゃもじがスタンバイされる前に誤解を解く。前と狀況は違うが、學式の朝と同じようなことになったらテンション下がりまくりだからな。
「そういえば、今日ヒカリの誕生日なんだ。だから何かおいしいものでも食べさせてあげたいなぁって思うんだけど、どうかな?」
急にだし、夕食までそう時間もないから準備がし厳しいか? 無理なら仕方ない。
「分かったわ。そういうことなら今日はパーティーね。でも先々週にしたばかりだから予算はいつもより低めでいいかしら」
【書籍化】オタク同僚と偽裝結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!
【電撃文庫の新文蕓から書籍化・コミカライズ開始!】 相沢咲月は普通の會社で働くOLだが、趣味で同人作家をしている。それは會社には秘密だ。 ある日イベント會場で突然プロポーズされた。相手はメガネ姿のドルオタ……じゃなくて、同僚の滝本さんだった! 超打算で結婚する咲月と、打算の顔して実は咲月がずっと好きだった滝本さんの偽裝結婚の話。 少しずつ惹かれあって最後にはちゃんとした夫婦になりますが、基本的にオタクが同居して好き勝手楽しく暮らすだけです。 裏切りなし、お互いの話をバカにしない、無視しない、斷ち切らないで平和に暮らしていきます。 咲月(女)視點と、滝本(男)視點、両方あります。 (咲月は腐女子ですが、腐語りはしません。映畫、ゲーム、アニメ、漫畫系統のオタクです) 2020/08/04 カクヨムさんで続きを書き始めました。 ここには書かれていない話ですので、ぜひ読みに來てください! 2022/01/07 オタク同僚と偽裝結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど! 1.5(番外編) として番外編をなろうで書き始めました。 話數が多いし、時系列がグチャグチャになるので新しい話として立ち上げているので 読んで頂けると嬉しいです。 2022/01/17 二巻発売しました。 2022/01/25 コミックウオーカーさんと、ニコニコ靜畫さんでコミカライズ開始! ぜひ読みに來てください!
8 115世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~
數多(あまた)あるVRMMOの1つ、ビューティフル・ライク(通稱=病ゲー)。 病ゲーたる所以は、クエスト攻略、レベルの上がり難さ、ドロップ率、死亡時のアイテムロスト率、アイテム強化率の低さにある。 永遠と終わらないレベル上げ、欲しい裝備が出來ない苦痛にやる気が萎え、燃え盡き、引退するプレイヤーも少なくない。 そんな病ゲーで最強を誇ると言われるクラン:Bloodthirsty Fairy(血に飢えた妖精) そのクランとマスターであるピンクメッシュには手を出すなと!! 新人プレイヤー達は、嫌と言うほど言い聞かせられる。 敵と見なせば容赦なく、クランが潰れる瞬間まで、仲間の為、己の信念を通す為、敵を徹底的に叩きのめし排除する。例え、相手が泣き叫び許しを乞おうとも、決して逃がしはしない!! 彼女と仲間たちの廃人の廃人たる所以を面白可笑しく綴った物語です。 ゲーム用語が複數でます。詳しくない方には判り難いかと思います、その際はどうぞ感想でお知らせください。
8 113女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出來上がっていたんだが
ごくごく普通の高校生、「稲木大和」。 でも、道に迷っていた女の子を助けたせいで色々と大変な目にあってしまい・・・? 初心者ライターによる、學園ハーレム物語。 文字數 1000~2000字 投稿ペース 1~3日に1話更新
8 175女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出來上がっていたんだが ~2nd season~
高校卒業から7年後。ガーナでの生活にも慣れ、たくさんの子寶にも恵まれて、皆と楽しくやっていた大和。 しかし、大和と理子の子であり、今作の主人公でもある稲木日向は、父に不満があるようで・・・? 一途な日向と、その周りが織り成す、學園ラブコメディ。・・・多分。
8 66永遠の抱擁が始まる
発掘された數千年前の男女の遺骨は抱き合った狀態だった。 互いが互いを求めるかのような態勢の二人はどうしてそのような狀態で亡くなっていたのだろうか。 動ける片方が冷たくなった相手に寄り添ったのか、別々のところで事切れた二人を誰かが一緒になれるよう埋葬したのか、それとも二人は同時に目を閉じたのか──。 遺骨は世界各地でもう3組も見つかっている。 遺骨のニュースをテーマにしつつ、レストランではあるカップルが食事を楽しんでいる。 彼女は夢見心地で食前酒を口にする。 「すっごい素敵だよね」 しかし彼はどこか冷めた様子だ。 「彼らは、愛し合ったわけではないかも知れない」 ぽつりぽつりと語りだす彼の空想話は妙にリアルで生々しい。 遺骨が発見されて間もないのに、どうして彼はそこまで詳細に太古の男女の話ができるのか。 三組の抱き合う亡骸はそれぞれに繋がりがあった。 これは短編集のような長編ストーリーである。
8 1611分で読める物語
1分くらいで読めるショートストーリーを更新していきます! 時間というものはとても大切で有限です。あなたの貴重な一分ぜひこの作品に使ってみませんか?
8 145