《小さなヒカリの語》113ページ目

心とで違う痛みをじながら俺は學校に著いた。

背筋の凍るような、いつもより激しいぞくぞくに悲鳴をあげかけた。オウム形完了の合図だ。

瞬時に思考が巡り、討魔モードに気持ちを切り替える。こーちゃんをもう巻き込みたくない。私が原因で、もしこーちゃんに大怪我をさせることがあれば、いくら償っても償いきれない。だから、

「ごめん、こーちゃんは先に帰ってて。私は今からちょっと用事が出來たから」

こーちゃんには先に帰ってもらって、私は力のする方へ向かった。こーちゃんはなぜかオウムとの戦いに呼ばないと顔をしかめる。一緒にオウムと戦う義務なんて全然ないのに。

そう、これはやっぱり私の問題。こーちゃんには関係ない。

それにこーちゃんが手伝うなら、私のしていることは償いでも何でもなくなる。こーちゃんの肩にある紫のあざのせいで、オウムが現世に來た時、最初に狙われるのはまずこーちゃんだ。

い頃、嫌がるこーちゃんを私が無理に引っ張ったからそんなことになってしまった。だから私には一人でオウムと戦う使命があり、罪を償う義務がある。

進むにつれて、じる力の波が大きくなってきた。一歩ごとにその重みが強くじられる。私の記憶する限り、今までの戦いにはなかった変則的な力の波。まだオウムの場所が視界にらないのに、どろりとした重い空気が皮にまとわりつく。これは……

「……超高度特殊

討魔師をするならいつかは出會うと言われる普通でないオウム。何人もの討魔師が命を落としたというオウムの突然変異。一つの地區で三十年に一度あるかないかぐらいと習ったからまさかとは思う。けれどそのまさかに備えて気をいっそう引き締める。討魔師學校で一貫して教え込まれたのは〝死んでも人を守れ〟だ。人々の安全を守るためには死ぬ気で戦いぬけという訓戒。もちろん死ぬつもりはないけれど、それくらいの気構えで戦いに臨む。自戒の念を込めて、丸めたこぶしを心臓近くの場所に押し當てる。

やっとこーちゃんに會えたのにこんな所でつまずいちゃいけない。償いきるまで私はこーちゃんのそばにいると誓ったのだ。三年間のつらい訓練に耐える中で、唯一支えとしていたものを再び確認する。大丈夫、私はやれる。かけがえのない思い出が私にはある。開きかけた記憶にふたをして現実に目を向ける。夕焼けに染まる空の下、私は戦いの火を燈す。

學校に著いてまずしたのは呼吸の速さの調節。押さえつけられるような覚にが重く、心が落ち著かない。嫌なざわめきが神の自由を制限する。學校の屋上に一段と度の濃いエネルギーをじた。なくとも今まで私が出會ったことのない、強大な力の集合。校舎に近づくと、より顕著にそのことが分かる。

「天命を下せし君に誓う。我のために扉を開かれよ」

空間移の出力キーを唱えて、私は異次元の空間に足を踏みれた。屋上のほうに目をやれば、そ

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