《小さなヒカリの語》116ページ目

した。素早く勢を立て直し、そして後は一直線。數メートル先に見える剣を目指す。と、突然黒い塊が飛んできた。私のすぐ橫をかすめ、地面に當たり飛び散った。私の頭の中になかったオウムのき。振り向きざまにもう一つ打ち出され、私は強引にをひねって、それとの衝突を避けた。それが何かは分からない。けれど決してそれにれてはいけないという直した。

足首をひるがえし、前傾姿勢の走りから地面を親指で踏み切り、ダイビング。手を限界までばして剣を拾い上げた。構え直してすぐに、オウムの側面から分離した黒い塊が視界に盜みった。

私は剣を盾にしてそれを防する。

「っつ!」

剣に絡み付いて離れない。このままじゃ黒い塊に飲み込まれてしまう。

振り払おうと剣を橫に薙いだ。

黒い塊は剣をうように這い越えて、私の手から肩までを飲み込んだ。

「うううっ、うっううぅぅ……」

何かが私の中にってくる。恐ろしく冷たい何かがを浸食していく。

「いやだっ!」

振り払おうとしても、それはぴったりとにへばりついて離れてくれない。ひんやりとしたものが私の深い部分までを下ろそうとする。そんなことさせない。させちゃいけない。けれど、

「いやだ、いやだっ!」

冷たい何かに辿り著かれた。私を守ってくれる壁はもうない。私の全てが見かされる。心が侵されていく。黒いものが私の心を締め付ける。

「いやああーーーーーーやめてぇぇぇぇぇ!」

傷つけた。

私はこーちゃんを傷つけた。

傷つけた、傷つけた、傷つけた、傷つけた、傷つけた、傷つけた、傷つけた、傷つけた、傷つけた。

傷をつけてしまった。それはいったい誰のせい?

それは全部わたしのせい、わたしのせい、わたしのせい、わたしのせい、わたしのせい、わたしのせい。

私のせいでこーちゃんはけがをした。取り返しのつかない痕を殘した。

私のせいでこーちゃんは。

埋まっていく。埋められていく。ありとあらゆるものを思考の隅に追いやって、ただ一つのものを心に殘して。ごめんね、ごめんね。

これはいったい何ていう

――――――こーちゃんともっともっと一緒にいたい。

弱い自分がそこにはいた。自分の決めたことに徹しきれない私。最初に見られてしまった以上、最低限の事は知ってもらうべきだとした。噓でごまかすよりはいいと思った。そこで誤算だったのはこーちゃんが手伝いたいと言ってきたことだ。初めは斷ろうとした。でも結局押しに負けて、手伝いを承認して

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