《小さなヒカリの語》119ページ目

わりにこの俺が倒してみせる。そのことがヒカリに対する償いになればそれでいい。危険なんて顧みない。

「うおっと!」

突進を上手く避けきれず、早速危険がをかすめた。服一枚分の厚さでなんとか直撃は免れたが、まじで危なかった。萎しそうになる気持ちをスーパーポジティブシンキングで適度な張にまで昇華させる。高めた集中を矢に込めて、離れたオウムを狙い撃つ。矢は會心の軌道を描き、空に浮遊する漆黒の闇に命中した。貫いた矢はまっすぐ空へ駆け……たのは俺の頭の中でだけ。渾の一はオウムの前にぽとりと力なく落下した。そのあまりのあっけなさに、視覚と脳予測がズレを起こし、現狀認識を遅らせる。

き出すのが遅れた分、回避が間に合わず、オウムの突進に背中が削がれた。

地面に顔から突っ込んでが一回転。

「痛ってぇーーーーー!」

が切れて、砂とが口り混じった。背中に手をやると、生溫かい何かがぬめるようながした。次いで、電流が流れたかのような鋭い痛みがはしり、反的に手を離す。と、右目がオウムの接近を捉えて、俺は回避する勢をとった。三十センチほどの距離を殘したオウムの通過に、風が顔を吹きへした。

次から次に突進が襲來するから息をつく暇もない。弓を構えて矢先をオウムに向け、放つ。けれど、

「だからなんでだよ!?」

貫くはずのものが貫かない。しかしいくら考えても疑問に対する回答は浮かばない。橫に一旦跳んで、次の矢に解答を繰り越す。手元に殘った矢はあと三本。これで勝負を決めないと。

続けてオウムを狙いる。取り出した矢を弓につがえて、

「……えっ?」

それは唐突だった。オウムはするべきはずの軌道を変え、リターン。

視覚から運神経へつながる回線に混が生じた。構えた弓を戻した時にはもう遅く、オウムが距離を詰めていた。衝突不可避の狀況を脳が読み取った時、

「うおっ!?」

が後ろに倒れるように傾いた。そのまま完全に仰向けになり、俺の頭すれすれのところをオウムは通り抜けていった。まさに危機一髪。何本かの髪のと接をおこすも、は無傷。いや、

「ふあぁぁあっっ!」

背中の痛みが増大した。を切られるような超激痛。意識が飛ばないだけましか。

九死に一生を演出してくれた石に謝を唱えて、跳ね起きる。を反転させ、オウムの姿を視中に収める。と、オウムから細長いやりがびて、すれすれの所を橫切った。立ち上がりでふらついてなかったら刺さっていたかもしれない。脳裏にあの時のヒカリが思い浮かぶ。

あれをくらってはいけない。そう心に刻銘して、次の刺突回避に意識を向けた。が、やりはびてく

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