《まちがいなく、僕の青春ラブコメは実況されている》第5章 僕は、チカラになりたい。11
『さあ、巨大な倉庫群が見えてまいりました! 乙幡剛がついに目指していた○○倉庫街にどうやらたどり著いたようであります! おそらくですが、乙幡史上最速記録による8㎞のランニングだったでしょう。乙幡、一旦、その場に停止しました。そして、全で息をし、額から滝のような汗が滴っております!』
○○の倉庫街になんとかたどり著くと、日はだいぶ傾きかけていた。
僕は息を整えつつ、立ち並ぶ倉庫群を見渡す。
新垣さんは……どこだ!
僕はスマホを取り出すと、再度リダイヤルしてみた。
――頼む、出てくれ!
そう祈ってはみたが、やはり呼び出し音がなるばかりで、いっこうに繋がらなかった。ちきしょう! スマホを切り、僕は再び駆けだす。
とにかく、この辺りをしらみつぶしに走り回って探すしかない。
そして數百メートル進むと、右前方から微かな悲鳴のようなものが聞こえた……気がした。
――まさか、今のは⁉
悲鳴のした方へと、急激に方向転換する。
シューズがアスファルトに橫りしたが、なんとか持ちこたえた。
 聲がしたのは、巨大な倉庫と倉庫の間をう細い路地の先だった。
    額を伝う汗もそのまま、走る。
 バクバク激しく脈打つ鼓に合わせ、嫌な予もにせり上がってきた。
――頼む、無事でいてくれ!
路地の先を進む。
さらに、進む。
薄暗い空き地が見えてきた。
さらに、急ぐ。
もはや、這うように走る
もがくように駆ける。
そして……
そして!
――……新垣さんが、いた。
【第二部完結】隠れ星は心を繋いで~婚約を解消した後の、美味しいご飯と戀のお話~【書籍化・コミカライズ】
Kラノベブックスf様より書籍化します*° コミカライズが『どこでもヤングチャンピオン11月號』で連載開始しました*° 7/20 コミックス1巻が発売します! (作畫もりのもみじ先生) 王家御用達の商品も取り扱い、近隣諸國とも取引を行う『ブルーム商會』、その末娘であるアリシアは、子爵家令息と婚約を結んでいた。 婚姻まであと半年と迫ったところで、婚約者はとある男爵家令嬢との間に真実の愛を見つけたとして、アリシアに対して婚約破棄を突きつける。 身分差はあれどこの婚約は様々な條件の元に、対等に結ばれた契約だった。それを反故にされ、平民であると蔑まれたアリシア。しかしそれを予感していたアリシアは怒りを隠した笑顔で婚約解消を受け入れる。 傷心(?)のアリシアが向かったのは行きつけの食事処。 ここで美味しいものを沢山食べて、お酒を飲んで、飲み友達に愚癡ったらすっきりする……はずなのに。 婚約解消をしてからというもの、飲み友達や騎士様との距離は近くなるし、更には元婚約者まで復縁を要請してくる事態に。 そんな中でもアリシアを癒してくれるのは、美味しい食事に甘いお菓子、たっぷりのお酒。 この美味しい時間を靜かに過ごせたら幸せなアリシアだったが、ひとつの戀心を自覚して── 異世界戀愛ランキング日間1位、総合ランキング日間1位になる事が出來ました。皆様のお陰です! 本當にありがとうございます*° *カクヨムにも掲載しています。 *2022/7/3 第二部完結しました!
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