《俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件》第4話 ついに創部「求人部」
六花の創部発言から翌日の放課後。
六花の指示で俺と月は教室に居殘りしていた。
このままぼぉーとしているのも時間の無駄なので今日出された數學の宿題をする。
「それにしてもなんでまた殘されてるんだろうね」
俺の機に向かい合わせで座っている月が宿題をしながらそう呟いた。
それはもちろん部活が関係していると思うが、昨日思いついた部活が今日正式に部として採用されることはない。
なら、なんだろう?
「俺にも分からん」
それから俺と月は2人だけしかいない教室で黙々と宿題に取り組んでいた。
「はぁー……終わったー」
「僕も終わったよ」
黒板の上に掛けられている時計を見ると、午後5時を回ろうとしていた。
単純計算で宿題に取り掛かったのが午後4時くらいだから、1時間は経ったことになる。
「それにしても六花ちゃん遅いね」
「そうだな」
もしかして帰ったのか?
でも六花の機を見ると鞄がまだある。
なら途中で調を崩して保健室にでも行ったか?
だとしたらなからず保健室の先生が六花の荷を取りに教室に來るはずだ。
じゃあ一どうしたんだ?
「一応六花を探しに行くか?」
「そうだね」
俺と月は教室を出ると、まず保健室に向かった。
「いなさそうだね」
そもそも今日は保健室の先生が出張かなんかで不在だった。
だから必然的に保健室はもちろん鍵が掛けられて、中にることはできない。
「次、職員室にでも行ってみるか」
「うん」
再び俺達は職員室へ足をかし始めた。
向かう最中別クラスの教室などを見たが、いる気配は全くない。
ったく……居殘りさせておいてどこに行きやがったんだアイツ……。
職員室に著くと、中から知っている聲が聞こえた。
「この聲って六花ちゃんだよね?」
「だな……間違いない」
俺と月は他の先生や六花にバレないよう職員室のり口付近で耳を立てた。
一なんの話をしているのだろうか?
中の様子はドアが閉まっており、分からない。
下手に開けてバレたら先生にこっぴどく怒られるから、こうして耳を立てて聲を聞くしかないのだ。
「この聲って國語科の立森先生だよね?」
俺も六花が話している相手の聲をよく聞くと間違いない。學校で関わりたくないランキングで1位の立森先生だ。
この先生は何かと嫌味を生徒達に言ったりと生徒だけでなく先生方からも嫌われている。
そんな最悪な先生と1時間も話すことってなんだろう。
そう言えば立森先生って生徒會の顧問もしてたっけ?
「なんでダメなんですか!」
その時六花の怒鳴り聲がドア越しに聞こえた。
息を殺し、音を立てず、そのまま聞いていると、
「だからさっきから言ってるだろうがァ!こんな名前の部活認めるわけねェだろうがァ!!」
………その事にだけは嫌だけど先生の言う通りだ。
「自演乙」なんてあの有名な「俺修羅」のパクりをしちゃいけないと思う!
まぁ、立森先生が怒ってるのはそこじゃないと思うけど……
「じゃあどーいう名前ならいいんですか!?」
相変わらずだが、六花のやつ勇者かよ。
先生に向かって怒鳴り聲をあげるとか尊敬しちゃいます!
それは月も同じだったらしく……
「なんでお前拝んでんの?!」
「だって六花ちゃんすごくない?もう僕にとっては神様だよ!」
何を言ってるのか分からないが、月の中に信仰する神様ができたようだ。
「とりあえず教室戻るか?」
このままだと當分は爭いが終わりそうにないので教室に戻ることを提案した。
それを聞いて、月も「そうだね」と頷き、音を立てないよう、そっと職員室をあとにした。
それから1時間後。
もう外も7月とはいえ、暗くなってきたころ、六花がやつれた顔で戻って來た。
「お、おい!大丈夫かよ……」
俺と月は座っていた椅子から勢いよく立ち上がり、六花の元に駆け寄った。
「しょーくん……部活決まったよ…」
六花は手に持っている紙を俺の前に差し出した。
よく見ると創部するに至って必要な書類だった。
「お前……頑張ったな」
「六花さま凄すぎます!」
月の言がもはやヤバいことになっているのはスルーしてとりあえず、六花から話を聞いた。
「部活名は何になったんだ?」
「求人部」
「は?」
なんだその部活名は?
聞いたこともないぞ?
一何をする部活なのだろうか。
「求人部っていうのは人を求める部活よ」
「それで何をするんだ?」
「私この高校生活で彼氏がしいの」
それは俺をバカにしているのか?
六花ならもう彼氏なんて軽く100人できそうと思うのだが。
「しょーくんだって彼しくない?」
「お、俺は別に……」
いらないと言えば噓になるが、しいとも思っていないことは事実。
そんなのはり行きに任せておけば?って自分の中で割り切っている。
積極的に作りにいくなどバカがやることだ。
俺はそんなバカにはなりたくない。
周りの連中を見れば、つい最近彼ができたとか自慢していたやつも1ヶ月経ったころにはフラれてフリー。
どーせフラれるくらいなら作らない方がマシだとか一時期は考えた程だ。
「ぼ、僕はしいな……彼氏……」
「ん?月最後なんて言った?」
「い、いや別に!」
月はしまったというような表をして慌てて何もなかったように振舞った。
俺には最後「彼氏」って聞こえたような気がしたが、気のせいだっただろうか。
一方六花は聞いていなかったようで「なんて?」って月に聞いている。
「もうそろそろ時間だな」
黒板の上にある時計を見ると午後7時。
早く帰らないと見回りの先生に怒られちゃう!
あとの創部に関する話やらは明日にすることにして、今日はそれぞれ家に帰った。
帰路の途中、六花が嬉しそうに微笑んで、
「部活楽しみだね♪」
と、スキップしていた。
俺からしてみればせっかくの放課後の自由時間が潰されるわけだから楽しみでもないのだが……
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