「で、なぜお前がここにいるんだ？」

2學期が始まった翌日。

今日もいつもの通り、放課後部室に向かうと、

「なぜあたしがここにいるか知りたい？」

が部室にいた。

隨分と待っていたのか知らないが、長機の上には宿題と思われる數學のワークが広げられていた。

――一なんのようなんだ？なんか嫌な予がするのって俺だけ？……この場だと俺しかいないから當たり前か。

「……」

「な、何よ！そんな変な目で見ないでよ！……分かったから言うから言うからっ！」

何をそんなに取りしているのだろうか。

俺は別にただ「めんどくせぇ奴だな」と思いながら凝視していただけなんだが。

「えーと……」

今度は急にモジモジしはじめる。

……なんなんだよ。今日の、いろいろと忙しいな。

「あ、あたし……この部活にったの！」

「……へぇー。」

「な、何よ、その反応は！」

俺のごく普通の反応にプリプリ怒る。

さっきからいろいろな、表が出て面白いな…。

「別に。ただったんだぁーって思っただけ」

「それだけ？！もっと……なんて言うか、嬉しいとかあーちゃんと一緒とか思わないの？」

そんなことを言われてもなぁー。

嬉しいとか……そもそもこの部活にった時點でない。

俺にとっては面倒な奴が増えるんだなって、そう思って……

「憂鬱になる……」

「はぁ？！」

あ……やばい。地雷踏んだ。

「憂鬱って何よ！だいたいしょーちゃんは昔からそうだよねっ！」

「ごめんごめん、違うって！てか、何が昔からだ！」

いくらなじみだからって、すべてを知り盡くしていると思うなよ！

「しょーくん何を部室の前で言い爭っているの？」

そんなときだった。

廊下の奧の方から月と一緒に歩いてくる六花が現れた。

「そうだよ。どうしたの？」

「いや、別に大したことじゃないけど」

月にそう答え、六花は部室にっていく。

「なんであなたがここにいるの？」

六花はの存在に気づいたらしく、俺と同じ反応をしている。

…あれ？でも、この部活に部したこと知ってるんじゃないの？部長だし…

「なぁ、六花。お前知ってたんじゃないの？部するとき部長のサインとか必要だろ？」

俺たちの學校は部活に部するさい、部長のサインが必要なのだ。

だから、が部したということは必ず部長である六花にそのことが伝わっているはずだ。

でも、六花の反応は、

「いや、全然知らないけど」

ということは、つまり…はまだ部してないということだ。

そのことに気づく、俺と六花。そして、何も気づいていない月。

それぞれが違う思いでをみつめる。

當本人であるはただひたすらオドオドしており、視線をあっちこっちにさまよわせている。額には汗が。

「あーちゃん♪なんで噓をつくのかな？」

「しょーちゃん笑顔が怖いよぉー」

「それは気のせいじゃないかな？あーちゃんが噓をついたからそう見えるだけだよぉー」

「そっかぁー。今も笑顔が怖く見えるのはそーいうことなんだね！」

あははははははは。

「で、なんで噓をついた？」

「いきなり真顔で言うのやめて？！」

からそれなりの事を聴いた。

事っていうか、一応説明するが、俺たちの部活にろうとはしていたらしい。

だが、いろいろと都合が合わず……というか、昨日この學校に転してきたばかりだったよな？！

まぁ、今日部屆を出そうとしていたから噓をついたということらしい。

もう部するから部員同然でしょという考えだったのだろう。

「まぁ、別に噓をついたからといって怒ってたわけじゃないからな？」

「部長！今しょーちゃんが噓をつきました！」

「そうね。しょーくん噓をついたらいけません！」

「ええ？！そんなに怒っているように見えた？月は俺が怒ってないってわかってたよな？」

「ごめん、表見てないからわかんない」

「部長！今月が噓をつきました！」

「卻下」

「なんでだよ！」

俺の扱いが一段と酷くなってないか？

絶対、月の奴噓をついたぞ。だって俺と會話しているときに顔見てたじゃん！

まぁ、とりあえずの求人部部が決まったのであった。