《俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件》第33話 謎のラブレターの真相
結局、月から謎のラブレターに対する想や意見を聞けないまま、放課後になってしまった。
俺はいつも通り、部活に勵んでいたが、今日の月は晝休み以降、一度も目を合わせてくれなかった。
まぁ、それはそうだよな。
今日の晝休みはある意味でヤバかった。
次からは、気をつけよう…………って、次なんてあるわけないよな……あはははは。
「そろそろ時間だから先に帰るわ」
そんなこんなで考えごとをしているうちに下校時間になっていた。
俺は六花たちにそう告げ、普段通りに下駄箱に続く廊下を歩き、靴に履きかけようとした時だった。
一枚のピンクの封筒が俺の下駄箱から落ちてきた。
「……ま、まさかな……」
あの謎のラブレターではないよな……と思いながら、その封筒を拾い上げる。
嫌な予がした。
と、いうより予ではなくて、完全にそうだ。
表裏を確認するが……差出人の名前は書かれていない。
それに……
「あれと同じ匂い……」
先日、差出人不明の謎のラブレターと同じ香水の匂いがほのかにした。
差出人不明。
ハートのシール。
同じ香水の匂い。
もう、完全にそうだ。
「ま、まさか同じやつから二通目が屆くとは……」
誰も……って、俺と月しかこのことを知らないが、予想だにしていない事態だ。
「とりあえず……帰ろ」
封筒の中にっている手紙が気になるが、もしここで見て、六花たちに見つかってしまったら、ややこしいことになる。
俺はピンクの封筒をズボンポケットに強引に押し込むと、そそくさと帰宅した。
◆❖◇◇❖◆
「はぁ……」
午後九時。
俺は自分の部屋にある機の上に一枚の紙を眺めながらため息をついていた。
その一枚の紙というのは、もちろん今日の放課後に見つけた謎のラブレターIIである。
「でもなぁ……」
俺は何度も手紙に書かれている文面を見ながら、あることに悩んでいた。
――もう待つだけなんてイヤッ!我慢できない!
――明日の放課後、屋上で待ってます。
――絶対に來てね♡
「俺はどうすればいいんだあああああああああああ!」
思わず、頭を抱えて絶してしまった。
「しょーくん、どうしたの?」
俺の絶を聞きつけた六花がドア越しに現れた。
――ヤバい。この狀況で部屋にられたら困る!
「な、なんでもないよー」
なんか棒読みになってしまったが、あっそうと言って、俺の部屋の前から立ち去って行った。
「ふぅ……」
これでひとまず安心だ。
それで本題に戻るが、俺は正直なところ會いたくない。
と、いうのも理由がある。
理由その一。イタズラという可能もあるため。
まだイタズラではないという確信がない。ラブレターの差出人は不明だし、文章も全てパソコンを使って印刷したもの。むしろイタズラではないと言える方が無理がある。
続いて理由その二。相手がもし本當にの子だとして、俺はなんて答えたらいいのか分からない。この十六年間生きてきた中で、の子から告白されたことは一度もない。それにモテないため、の子と喋る機會もほとんどない。こんな子耐の付いていない俺が相手のの子となんて喋ればいいのか……誰でもいいから教えてほしい。
以上の理由で俺は明日の放課後行きたくないのだ。
「でも……行かないといけないよなぁ……」
イタズラ目的の相手ならまだいいが、もし純粋なの子だった場合、ずっと待ち続けるかもしれない。
「それだけはダメだよなぁ……」
の子を待たせるなんて、男として失格だ。
ここはもう……腹を括って明日の放課後挑むしかない!
モテない陰キャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の美女3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜
【オフィスラブ×WEB作家×主人公最強×仕事は有能、創作はポンコツなヒロイン達とのラブコメ】 平社員、花村 飛鷹(はなむら ひだか)は入社4年目の若手社員。 ステップアップのために成果を上げている浜山セールスオフィスへ転勤を命じられる。 そこは社內でも有名な美女しかいない営業所。 ドキドキの気分で出勤した飛鷹は二重の意味でドキドキさせられることになる。 そう彼女達は仕事への情熱と同じくらいWEB小説の投稿に力を注いでいたからだ。 さらにWEB小説サイト発、ミリオンセラー書籍化作家『お米炊子』の大ファンだった。 実は飛鷹は『お米炊子』そのものであり、社內の誰にもバレないようにこそこそ書籍化活動をしていた。 陰キャでモテない飛鷹の性癖を隠すことなく凝縮させた『お米炊子』の作品を美女達が読んで參考にしている事実にダメージを受ける飛鷹は自分が書籍化作家だと絶対バレたくないと思いつつも、仕事も創作も真剣な美女達と向き合い彼女達を成長させていく。 そして飛鷹自身もかげがえの無いパートナーを得る、そんなオフィスラブコメディ カクヨムでも投稿しています。 2021年8月14日 本編完結 4月16日 ジャンル別日間1位 4月20日 ジャンル別週間1位 5月8日 ジャンル別月間1位 5月21日 ジャンル別四半期2位 9月28日 ジャンル別年間5位 4月20日 総合日間3位 5月8日 総合月間10位
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