《クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!》280話 降って沸いた者

「そう警戒しないで下さい。…………皆さんにケンカを売るつもりはありませんよ。………なくとも今は。」

最後に不穏な言葉を聞いたが一つまずは大丈夫と思っていいんだろうか?

そのまま無言の時間が過ぎる。

何かを話さないとと思ったのか夏蓮が聲を絞り出す。

「何でこんなところに獣人の貴が?」

そう言えばそうだった。

付嬢の話によれば、大樹海の北部でしか生活してないって聞いてたのに。

「?……あぁ~。なるほどそれでですね。…安心してください。ニキスは大樹海の獣人ではないです。なので仮にニキスと敵対したところで獣人族達はきませんよ。」

その言葉を聞き、一先ず安心する。

「それで?ラズ姉の力を借りたいとか?何やら武道會で勝ちと言ったと聞いたんですが?」

「ラズ姉?」

「あぁ。ラズ姉と言うのはこのスライムのことですよ。本當の名前はラズリ。ニキスのお姉さんなのでラス姉です。」

「そうなんですね。」

その後事をかいつまんで説明する。

本當は雙音自が説明する方がいいんだろうけど、雙音には話辛いこともあるだろうし、代わりに私が説明した。

雙音がパーティーで報解析と索敵をやっていること、パーティーで一部の人間が現狀雙音に自衛能力が無いことを理由にパーティーから追い出そうとしていること、武道會に出て実力を見せないとパーティーから追い出されそうなこと、職業[魔裝師]の力があれば魔の力を借り自己を強化できることを説明した。

勇者のパーティーであることは緒だ。

冒険者ギルドには言ってるし、んな人が知ってることではあるけど、勇者のパーティーがパーティーめてるなんて噂が広まってほしくない。

「新しい魔を仲間にしたらこの近くのケヘランダンジョンって所に行ってレベル上げをして武道會に備えようかと思ってるんだけど………どうかな?」

「スライムさん………私じゃ嫌?」

そう問いかけるとスライムと獣人のは悩むような素振りを見せる。

「……まあ、いいですよねラズ姉?」

「ムギ……キュ。」

「…………えぇっとですね。実はニキスは魔なんです。」

そう獣人のが言った瞬間、は煙のように消え、そこに貓が殘る。

[擬人化]のスキル持ちの魔

最低でもBランク級以上の力を持つ魔の中で知の高い魔が持っていることの多いスキルだと聞いてる!

「ニキス達、実はある方の使役獣で、今鍛練の最中なんです。力を計るために一時的に力を貸すのはニキス達も願ったり葉ったり何ですが、マスターの許可がいります。」

「そうなの!?」

なるほど………それでか。

スライムと言えば知無き魔の代表格って聞いたことがある。

それなのに初対面の人を守ったり、地面に文字を書いたりと特殊過ぎた。

それが誰かの使役獣ってことなら納得だ。

「そうですか……。他人の力を借りて勝つというのも………。」

これはお斷りする流れになってきてる。

う~ん。

仮に今すぐ野生の魔を仲間にしたところで直ぐに活躍できる強さになるとは思えない。

それに勇義……というよりは供花に雙音がパーティーに必要だ。と思わせるには[魔裝師]の將來を見せるだけで十分だ。

あれでも供花は使えるものはなんでも使うタイプ。

雙音が自分に降りかかるリスクを減す力があるとすれば、パーティー殘留に積極的になると思う。

その點この二匹は最高だ。今回限りなのは殘念だけど、私達勇者パーティーメンバーをも上回ると思われるこの二匹の強さ………それと雙音の[魔魔裝化]と合わさればどれ程の力になるか想像できない。

「雙音チャンスよ!これ!勇義達を見返すチャンスじゃない!」

「えっでも、それって私の力じゃ………。」

「仲間の魔を力を生かして雙音の力として一つに纏める能力こそ雙音の力。ちょっと先の自分の力を見させてもらうだけのようなもの。それに相手の二人?二匹?もメリットがあるって言ってるし遠慮することないよ!」

「そう……なのかな?」

「私も二人の力を借りていいと思うよ?」

夏蓮も助け船を出してくれた。

「雙音ちゃんにとっても、多分今後使役獣になる魔にとっても、使役獣決めって大切なことなんだと思う。それを急いで決めるのって勿ないし、なんか言葉には出來ないけど変な気がする。仲間にする魔はまた時間を掛けて探そ?」

「そう……だよね。うん。そうする。私のフォークちゃんもハックスちゃんもなるべくして使役獣になったんだ………。そんな決め方じゃ新しい使役獣に悪いよね。」

………フォークにハックス。

それぞれフ・ォ・レストホー・ク・を略してフォーク、ハ・イドフォッ・ク・ス・を略してハックスってのは分かるけど………名前が食と印刷機に聞こえるんだよ………ネーミングセンスが…………。

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