《俺を嫉妬させるなんていい度だ〜曹司からの過度な溺〜》俺様曹司様【4】

芹は驚きのままついて行くしかない。

グングン上昇していくエレベーター。かなりの上層階まで來てドアが開く。そして、開いたドアの先は玄関だ。

「えっ…」

「どうした?」

「玄関ですよね?」

「ああ」それが?と続きそうな言い方に、やはり廉くんをじる。

「ここはまさか…」

「最上階だな」

「やっぱり」

芹はリアル廉くんにしか見えず、二次元に迷い込んだ現実味のない気持ちで落ち著かない。

「そんなところで突っ立ってないで行くぞ」

暁について中に進むが、何もかも規格外で戸う。

広々としたリビングまでの廊下に扉があり、ひとつひとつ説明してくれるが、あまり頭にって來ない。

「芹、この扉は仕事部屋になってるから、ここだけは勝手に開けないように」

「は、はい」

間違っても開けないように誓う。企業でもあっては大変だ。

エレベーターから進み突き當たりの扉を開けると、目の前には一面ガラス張りの窓になっていて、遠くまで絶景が広がる。

視界の端には、新城堂のビルが見える。高い建は、この辺りでは新城堂とこのタワーマンションくらいだ。

窓の側まで行くが、若干怖さをじる。

「こ、ここは何階なんですか?」

「47階だな」

「オフィスビルって50階建てでしたよね」

「ああ…」

「新城社長は高いところが好きなんですか?」

「…はあ?」

「だって、こんな高い所に住んで、社長室も50階ですよね?」

「それは…社長室が50階建てのビルの下の方にあったら可笑しくないか?」

「まあ、確かに」

「ここを選んだのは、ワンフロアに一戸しかないのが、この階だけだったからだ。同じ階に他にも人が住んでるとか嫌だろう?」

「はあ…」

芹は、それが普通だと心でんでいるが、きっと社長には普通ではないのだろう。

「芹は高い所苦手か?なら引っ越すが」

「はあ?高い所は苦手ではないですが、慣れなくて耳がキンとします。っていうか引っ越さなくていいです。何考えてるんですか??」

「芹のことだが?」

何の躊躇ためらいもなく言い放つ暁に、芹が躊躇う。もう、何度目かの廉くんかと、自でツッコんでしまう。

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