「失禮しました。それでは、先程の男のことから。彼らはコスプレ好きのグループを作っていて、特に宮さんを推していると聞きました」

「はあ…」そう言われても返す言葉に困る。

「今回のイベントもかなり前から楽しみにしていたと…」

「いつも、イベントのたびに來てくれています。何人か思い當たる人達はいます」

「蕓能人と違い、宮さんは近に會える認識で、だんだんグループで盛り上がってしまったらしいです。そんな時、そのグループの一人が駅で宮さんらしき人を見かけた事から、マンションを突き止めるまで行ってしまったと。それが、數日前の話。特にその後何かするつもりはなかったと主張しています。今日マンションまで行ったのは、イベント途中にいなくなってしまい心配だったと…」

「都合のいい言い訳だな」ばっさり切る暁。

「まあ、なんとでも言えますからね。これからもっと詳しく取調べします」

「悪意はないでは済まされないですよ？現に彼は不安を抱いているんですから」

「もちろんです」

「今後、何か進展があれば私に連絡していただけますか？彼が知っても不安が大きくなるだけなので」

「わかりました」

警察署を出て張から解放されるが、まだまだ問題が山積みだ。

一先ず、芹自に危害が加わらなくて良かった。芹がマンションにるまで見守っていたから未然に防げた。もしあの時、先に車を出していたらと思うと、今更ながらに恐怖をじる。

「芹、疲れただろう？大丈夫か？」

「うん…」返事をしながらも、顔が悪い。

「先に車に乗っててくれるか？電話をしたいから」

「うん…」

心ここにあらずな返事をして、芹は素直に助手席に乗り込んだ。

暁は、そんな芹の姿を車外から見守りながらあるところに連絡をした。

「はい。どうした？もう振られたか？」

「はあ？お前失禮だな。それどころじゃないんだ」

暁の言葉を聞き、何かを察した駿が電話の向こうで既にき出している音が響いている。

「で？何があった」

「実は…」

駿とマンションの下で別れてから、今警察署を出たところまでを詳しく説明した。

「で？宮さんは？」

「ああ。かなり參っていると思う」

「だろうな」

「とにかくうちに連れて帰るから客室の準備を頼みたい。あとこんな狀況で俺と二人だと無理しそうだから、お前もうちに居てくれ」