「逮捕？まさか警察に通報するつもり？」

自分の狀況をやっと理解できたのか、焦りだし敬語すら忘れている。

「當たり前だろう？他にも叩けばほこりが出るだろう？」

何やら意味深な笑みを見せる暁に、花澤の顔が青くなる。暁は、すでに花澤の調査にき出していた。今回のストーカー紛いの行がなくても、近々正式に処分されたのだ。飛んで火にる夏の蟲とはこのことか…

ただ、芹が危害が加わる前に間に合って良かった。名取から、今日は殘業だと聞いていた。仕事をしていたらスマホが鳴ったのだ。

「すみません」焦った名取の謝罪に嫌な予がした。

「どうした？」

「さすが宮さんというべきか、他の社員と比べものにならないくらいのスピードで仕事を終わらせて、思っていたより早くに退社しました」

「はあ！？駿」

まだ繋がったままだが、構っていられない。

「何だ？」

「芹が退社したって」

「え？今日は遅くなるのでは？」

「芹は、終ったみたいだ。ロッカーに寄ってから帰るだろうから、急いでマンションに向かうぞ」

急いで車でマンションまで戻って來た時に二人を見つけたのだ。

「芹行こう」暁が名前を呼んだ瞬間だった。

「やっぱりコイツだったのね！」

花澤が絶と共に、芹に向かって走り出し拳を振り上げた。

「きゃっ」思わず悲鳴を上げる芹と芹を抱きしめ庇う暁。

そして咄嗟に駿が花澤の手を捻り上げ拘束した。同の余地はない。の嫉妬の醜さと何でも自分の思い通りにならないと気がすまない最悪の事態が、芹が現れたことで一気に発した。

「駿、あとは任せた」

「ああ」

運転手と運転手が呼んだマンションの警備員も駆けつけて來たのであとは任せた。

今まで気丈に振る舞っていた芹も、最後の花澤の形相に震えている。

暁は、芹を抱き上げた。お姫様抱っこをされた芹は抵抗することなく大人しい。に力がらないのだろう。顔悪く引き攣った表のままだ。

その姿に暁のは痛む。芹のマンションでストーカーに遭遇したばかりで、今度は暁のストーカーに絡まれたのだ。もっと早くに花澤を処分しておくべきだった…