狼を倒し終わり、念のためあたりを警戒するために耳と目を強化し索敵を行なった。

「うん、近くに魔はいないね」

安心して索敵を解こうとしたとき、馬車の戸が開く音が聞こえた。そちらを見ると、僕と同い年くらいのの子が馬車から降りてきて、怪我をしている騎士の方にむかっていった。

彼は、騎士に手をかざしながらなにやら唱え始めた。すると、彼の手に淡いがともった。

しばらくそのまま手をかざし続けていると、騎士の顔が良くなっていた。よく見ると騎士の怪我がふさがっているようだ。

「なるほど、あれが魔法か。さしずめ回復魔法ってとこかな？」

僕は小聲で囁いた。そうこうしているうちに、彼は全員を治療し終えたようだ。すると彼は、僕のほうにやって來た。はて？