「それでは始めるので裏にある闘技場まで著いてきてください。」

優真達は「はーい。」と返事をして付嬢のお姉さんについて行った。

◇

「ここが闘技場か…大きいなー。」

「大きいね。」

俺とミーシャが闘技場の広さに圧倒されている時、そこそこ強そうな人たちから話しかけられた。

「君達が僕達と戦うって言った優真君とミーシャさんかい？僕の名前はアルノだよ。よろしく。」

1人目は.......チッ.......イケメンかよ。

「ケッ…こんなガキの相手しなきゃなんねぇのかよ。めんどくせぇ。俺はガルだ。」

2人目の大男は面倒くさそうにしているが、律儀に自己紹介をしてくれた。意外と良い人なのかもしれない。

「私はミルドと言います。よろしくお願いします。」

3人目は丸メガネを掛けたヒョロ男だ。

「おう。よろしくな。面倒だから2対3でやってさっさと終わらせないか？」

1人ずつ戦っていくのは面倒なので、取り敢えず2対3でやろうと言った。

「それは僕達を馬鹿にしているのかい？」

「いいじゃねぇか。調子に乗ったガキには早く躾をした方がいいからな。さっさとやろうぜ。」

「ですね。さすがの私もここまで舐められたら黙ってはいられないですからね。」

挑発した覚えは無いのだが、どうやらカンにったようだ。

いや、よく考えたら誰でも、こんなことを言われたら怒るか。

「別にそんなつもりはないんだが…まぁいいか。だったら早く始めようぜ。」

「はぁ…なら始めますよ。それではよぉーい…初め！」

「いけー！」「やっちまえー！」等と他の冒険者達が言っていたが、この後の出來事で黙ることになる。

そして付嬢の合図と共にSSSランク冒険者の3人は優真とミーシャに向かって行った。

その瞬間、周りには視認できないほどのスピードで3人は攻撃され吹き飛ばされてしまった。そして、勿論3人とも気絶した。

「え？な、何をしたんですか？」

唖然とした表をした付嬢のお姉さんは、ここにいる誰もが思う疑問を恐る恐る優真とミーシャに問いかけた。

「あまりにきが遅いから溜息を吐いたら勝手に吹き飛んだ。」

「面倒だから瞬きに魔力を込めて魔力衝撃を発生させて吹き飛ばしただけ。」

と言ったら、付嬢は何が何だか分からないといった表をして言った。

「とりあえず…ギルド長室に來てくれませんか？私には処理しきれない事態なので…」

「分かった。」

「いいの？絶対面倒事だよ？」

俺だったら面倒だから、という理由で斷ると思っていたのだろう。

「このためにわざとアイツらをボコボコにしたんだ。ここのギルド長に會うためにな…」

「だから殺さない程度なら本気でやっていいって言ったのね。」

「そうだ。」

俺は、ここのギルド長に會うために、ミーシャに殺さない程度なら本気を出していいって言ったのである。ただ単にランクを上げるためだけではなかったのだ。

「今からギルド長室に案します。」

「あぁ…頼む。」

と言って、優真とミーシャは付嬢について行った。

そして、ここにいた冒険者はというと…

「「「やべー奴が來た.......！」」」

と心の中で全員がんでいた。