「おい…てめぇ.......生きて帰れると思うなよ？」

「あ、あぁぁ…」

謎の男は優真の凄まじい殺気を浴びて、呆気なく死んでしまった。

「あ、やりすぎた.......まぁ、いっか！」

何となく凄そうな雰囲気を纏っていた男だったが、ついうっかり殺気を放ちすぎて呆気なく死んでしまった。

だが、相変わらず格が軽い俺はあまり気にせず、振り返って顔を下げたままの優希に聲を掛けた。

「おい、いつまで顔を下げてるんだ？」

優真の聲を聞いた優希は、ビクンとが跳ねたあと、恐る恐る顔を上げた。

「わ、私は家族や里の者達を殺し、半分は妖怪だ…気持ち悪いだろ…」

「さっきも言ったが、そんな事はどうでもいい。」

「どうでも良くないだろ！私は…私は！」

優希は聲を上げて、何かを言おうとしたが、優真に口を塞がれた。

「ん〜！ぷはぁ！にゃ、にゃにをするのだ！」

優希は優真にキスをされて口を塞がれた。そして優希は顔を真っ赤にしてまた聲を上げた。

「何ってキス以外ないだろ？」

俺は何當たり前な事を言ってるんだ？と言いそうな顔で言った。

「わ、私は初めてだったんだぞ…」

そして優希は顔を真っ赤にし、下を向いたままモゴモゴ言っていた。

「だけど今ので俺がお前の事が妖怪だろうが、過去に何をしたのかなんて気にしない事は分かっただろ。」

なかなか良い事を言っているように聞こえるが、実際はいきなりなんの許可もなく勝手にキスをしたから、ただのセクハラだ。

だが、優希はチョロインだから自分の好きな人にカッコイイセリフを言われたら簡単に誤魔化されてしまう。

「そ、それは…だが…」

「だがじゃない。俺はお前の下を向く顔は嫌いだ。俺はいつもみたいに前を向いて一生懸命なところが好きなんだ。だから顔を上げろ。」

その言葉を聞いた優希は顔を上げた。

「本當か？」

優真「本當だ。」

優希「本當の本當か？」

優真「本當の本當だ。」

優希「なら…」

そして優希は優真に抱きついた。

優希「しばらくこうさせてくれ。」

優真「こんな事で気が楽になるなら安いもんだ。」

そしてしばらく優希は優真のの中で泣き続けた。

しばらく泣き続けたが10分くらい経った頃には優希は泣き止んだ。

「も、もう大丈夫だ。」

「それじゃあ、家まで送るから帰るぞ。」

「その前に…せ、責任を取ってくれるんだろうな？」

指をモジモジさせながら顔を真っ赤にし、聞いた。

「もちろん取るに決まってるだろ。」

そしたら優希は顔をパァーっと明るくして嬉しそうな顔をした。

「なら私も優真と住む！」

「.......え？」

「だから私も一緒に住むと言ったのだ！他のみんなは一緒なのに私だけ仲間外れは酷いぞ！」

「お、おう…分かった。それじゃあ一緒に住むか！」

「うん！」

そして優真の家の住人が増えた。