現実の世界では優希の姿が変わっていた。髪と目が金になり、腰からは9本の尾が生えてきて、頭からは狐の耳が生えていた。

「ん〜？何かいきなり、優希さんの姿が変わりましたねぇ〜。」

いきなり姿が変わった事で、ミニクは驚いた表をしながら興味深そうに見ていた。

「豚風がその醜い顔を向けるでないわ。」

「むふふぅ〜、そんな事言っても挑発になりませんよぉ〜。」

優希？なのかは分からないが、優希の姿をした九尾はミニクの顔を見ながら怒気の含まれた聲で言った。

だが、ミニクは挑発に乗らず、気にせずに聞き流した。

「確か、貴様の目的は儂の中にいる妖怪の封印を解除し、世界の管理者をおびき寄せる事だったのう？」

「そうですよぉ〜。」

雰囲気が変わりましたねぇ〜。もしかして全くの別人なのかも知れませんねぇ〜。

「あまりオススメはしないのじゃ」

「その言い方だと、まるで會ったことがあるような言い方ですねぇ〜。」

「もちろんじゃ。一応警告はしておいたからな。」

「むふふぅ〜、ご忠告謝しておきますぅ〜。ですが、この研究の為なら死んでも構いませんからねぇ〜。」

ミニクはイカれた事を言い、その姿はまるで何かに取り憑かれたように見えた。

「そうか.......ならば死ね！」

と言って、腕力だけを使い、一瞬で鎖を壊した。

「何！？」

それを見たミニクは鎖の強度に絶対の自信があったのか、有り得ないものを見るような目をして驚いた。

そしてミニクは九尾に手刀で、そのまま首を刎ねられた。

「ふむ、こんな大層な実験をしていたから、本人もそれなりに実力があるのだと思っていたが、戦闘能力は皆無のようじゃな。」

こんな奴に捕まるとは優希もけないのう。どうやって捕まえたか聞いてから殺すべきだったか.......

九尾は顎に手を當てながらこれからどうするか考えていた。

優希は學校に行っていて、優真という人もいる。だが、優希からを奪ったから元の生活には戻れないのだ。

だから九尾はこれからどうするか考えているのだ。

そして九尾は誰かからの視線に気づいたから、そこに視線を向けた。

「そこにいるのは分かっておる。何者じゃ？」

「.......バレてたか。」

「マスターと私の気配を捉える事が出來るとはなかなかの強者のようですね。」

から出てきたのは、ついさっき著いたばかりの優真とナビだった。

「まぁ、いいや。それで聞きたいんだけど、そのは優希のだよな？」

と言って俺は目を鋭くしながら質問をした。

「うむ、そうじゃ。」

と言って頷いた。

「もう1つ聞きたいんだが.......優希はどうした？」

理由は知らないが、誰かが優希のを乗っ取っている。それを見た俺は自分のに手を出した存在にし.......いや、かなりキレていた。

だから本気の殺気を優希の姿をした九尾に放った。

「安心しろ。優希は死んではおらん。今は儂の神の奧深くに眠っておるのだ。」

九尾は俺の殺気をけてかなり辛そうだったが、何とか耐えて優真の目をじっと見據えながら返事をした。

「それと最後の質問をする。.......お前は何者だ？」

そして俺は優希の次に大切な質問をした。

それを見た九尾はそれを待ってたようにし艶やかな笑みを浮かべ、自分の正を言った。

「儂の名はクミホ.......九尾の始祖じゃ。」