「.......うむ。あるにはあるのじゃが.......」

そしてクミホは暗い顔をしながら、優希を取り戻す方法を説明しようとした。

「ん？何かあるのか？」

そしてクミホは黙っていても意味は無いと思い、本當のことを言った。

「取り戻す方法はあるのじゃが.......というよりも、これは取り戻す方法とは言えないのう。優希が立ち直るまで待つしかないのじゃ。」

「はぁ.......つまり俺らは何も出來ないってことか？」

「うむ。できないことは無いが、優真が無理やり優希の意識を引っ張り出しても、本的な解決にはならんからのう。だから、待つしかないのじゃ。」

問題はそれだけではない。優希の意識を無理やり引っ張り出したら、その影響で人格が壊れてしまう可能があるのだ。

だから、この方法はあまりオススメしない。

「気長に待つしかないか。幸いここに居るやつらはらみんな壽命が無いから、いくらでも時間があるしな。」

「うん！姫ちゃんと私も不老の薬を飲んで歳をとらなくなったからね！」

この世界に帰った時、彩と姫は普通の人間だから、壽命が短い。だから、壽命で死ぬことがないように不老の薬を飲んだのだ。

ちなみに不老の薬を作ったのはナビだ。こういう錬金関連は優真よりもナビの方が得意なのだ。

「まぁ、お前達が壽命で死んだとしても冥界に乗り込んで魂だけ持ち帰るけどな。」

と言って俺は「あはは！」と笑った。だが、俺の言ってることは、この世の忌にれることだ。

1度死んだ人間を生き返らせるという事は、それなりの代償がいるのだ。2人生き返らせたとしたら、その代償として現世の人間が2人死ぬということなのだ。

「マスターは自分の為なら忌にすられる頭のおかしい方ですからね。」

「俺の頭がおかしいのは事実だけど自重するのをやめただけだ。」

「あはは！！優真、自分の頭がおかしいの気づいてたんだ！いてっ！」

アルテは優真の事を馬鹿にしたような口調で笑いながら言ったら、優真にゲンコツを食らってしまった。

「すまん。なんかムカついたから、ついな。」

「むぅ.......僕の頭はデリケートなんだからね！気を付けてよ！」

そしてアルテは頭を抑えながら頬を"ぷく"と膨らまし、涙目で怒った。だが、アルテみたいながやると全く怒ったように見えない。逆に余計に可く見える。

「お主らは優希が心配では無いのか？」

クミホは優真達が普段通りな姿を見て、優希の事を心配したように見えなかったから、しムスッとした顔で聞いた。

「心配してないわけじゃないけど優希が心配だからって暗い顔してたら、あいつが戻ってきた時、怒るだろ？」

「む.......確かにそうじゃのう。」

そして、ここに居る皆がその通りだと頷き、優希の事は気長に待つことにした。

だが、優希は近いうちに立ち直り、自分の大切な人を守る為に最強の妖怪に至る..............かもしれない。