《継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》》冒険者になろう
現在、冒険者ギルドの目の前にいる。
「ここが冒険者ギルドか~」
思っていたよりも大きいな。
「はい、この國で一番大きな冒険者ギルドです」
「うん、大きいね。それじゃあるか」
中はどんなじなんだろう?
それから中にると、
野蠻な男たちがワイワイしている……わけでもなく、靜かに付の順番に並んでいた。
「あれ? 思っていた冒険者ギルドとなんか違うな」
ここって、皆が酒を飲んでいて騒がしくて、新人はるなり喧嘩を売られるような場所なんじゃないの?
「そうですか?」
ベルにとっては普通みたいだ。
「うん、こう……もっと騒がしいじの印象なんだろうけどな……」
でも、どうやら冒険者は禮儀正しいみたいだな。
「お、坊主、他の町から來たのか? ここは、貴族のお抱え冒険者だらけだからしっかりしているんだよ」
俺たちの話が聞こえたのか、目の前で並んでいた冒険者が教えてくれた。
「ああ、なるほど」
帝都にいる冒険者はそうやって稼いでいるのか。
貴族相手なら、禮儀正しくないと雇って貰えないもんな。
まあ、貴族である俺には関係ない話だ。
「それにしても見ない顔だな。どこから來たんだ?」
「登録しに來ただけだから、別にどこかから來たわけじゃないよ」
「ああ、そういうことか。まそれじゃあ一つ、俺からアドバイスだ。の丈以上のことはやろうとしないことだ。無理をして死んでいった奴らをたくさん見たからな」
の丈以上のことはしない、か。
俺のの丈以上ってなんだろう……。
魔王を殺せとか、ドラゴンの群れと戦えとかか?
「わかった。気を付けておくよ」
それからちょっとだけ待ち、ようやく俺たちの番になった。
「はじめまして。どのようなご用件でしょうか?」
「登録をしに來ました」
「ギルドに登録ですね。お二人ともですか?」
「はい」
「わかりました。それじゃあ、この魔法に手を置いて頂いてもよろしいでしょうか?」
そう言って、付のお姉さんが水晶のようなを取り出した。
これに手を置くだけで何がわかるんだろう?
久しぶりに鑑定を使ってみるか。
《魔力登録機》
これにれた人の魔力を登録し、魔力報をデータベースに登録することが出來る
創造者不明
魔力報? データベース? なんだそれ?
てか、創造者不明って……
エレナを初めて鑑定した時以來だな……。
もしかすると、昔は俺みたいな創造魔法使いがいたのかもな。
そんなことを思いながら、魔法アイテムに手を置いた。
「はい、もう大丈夫です。それじゃあ、ここに必要事項を書いてください」
今度は紙を渡された。
紙には、名前や年齢、魔力の屬など書く欄があった。
名前は、レオにしておいた。
たぶん、寮から抜け出して冒険者の依頼をけたりするかもしれないからね。
堂々とレオンス・フォースターなんてやったら面倒なことになってしまいそうじゃん?
年齢は十歳。
屬も正直に創造と無。
こんなじで記は終わった。
ベルも書き終わったみたいなので、まとめて付のお姉さんに紙を差し出した。
「はい、大丈夫です。レオ様とベル様ですね。登録は終わりましたので、登録料を二人分の銀貨二枚お願いします」
え? 金がいるの?
まあ、銀貨二枚程度なら問題ないけど。
ベルがお金を出そうとしていたのを手で止めて、ポケットから銀貨二枚を出した。
俺が言い出したことだからね。
「はい。それでは、ギルドメンバーを証明するカードをお渡しします。これには、本人の魔力がっておりますので、本人確認にも使えます」
そう言って渡されたカードは白で、レオと書かれていたカードだった。
これでギルドメンバーであることを証明するわけか。
これも、昔の創造魔法使いが造ったなのかな?
「これは便利ですね」
これなら、銀貨二枚も納得かな?
いや、むしろ俺の方が得をしているかも。
「それと、これからギルドの説明を行うことも可能ですが、必要ですか?」
「一応お願いします」
じいちゃんに聞いているからだいたい知っているけど、知らない決まりがあるかもしれないから一応は聞いておかないと。
「わかりました。それでは、説明を始めさせてもらいます。
まず、仕事についてです。基本、依頼はあちらの掲示板に掲示されています。
その中から好きなを剝がして、付に持って來てください。
それから、依頼が完了しましたら、付に完了した報告をお願いします」
なるほど……あの掲示板ね。
ギルドの壁一面くらいの大きな掲示板に目を向けた。
掲示板には、簡単に數えられる程度の紙しかられていなかった。
どうやら、夕方のこの時間には依頼はないみたいだ。
まあ、だいたいは朝に依頼をけるもんな。
「ここまでで、何かご不明な點はございますか?」
「えっと……依頼を自由に選ぶことが出來るのですか? 制限とかは?」
確か、冒険者にはランクがあったよな?
「もちろん、制限はありますよ。それでは、その説明をしましょう」
「冒険者には、ランクがございます。
上から順番にS,A,B,C,Dの五段階です。レオさんたちは新人ですので、Dランクです。
ランクは、依頼をある程度達するごとに上がります。
それと、先程の依頼についてですが、依頼ごとに~ランク以上と書かれていますので、それを確かめてから付に持って來てください」
やっぱりランクはあるよね。
いつかはSランクになりたいな。
「了解しました」
「それでは、説明は以上になります。これからよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
登録も終わり、今日は依頼をけるわけでもないので、さっさとギルドから出てきた。
「これで俺達も冒険者だね」
隣を歩くベルに話しかける。
「はい、そうですね。何度も言いますが、絶対に危険なことはなしにしてくださいね?」
ベルは嬉しそうに答えながら、急に真顔で念を押してきた。
そんなに俺って、危ないと思われているのか?
「わかっているって。しずつね?」
しずつ強くなっていけば、ベルもそのうち魔の森を余裕になるよ。
「もう……。それじゃあ、夕飯の準備もありますのでそろそろ帰りましょうか」
ああ、もう夕飯か。
「うん、そうだね」
俺は頷いて、転移を使った。
いい暇潰しになったな。
SIDE:ヘロンダス
「くそ……どうしてこんなことに!」
學校の外にも騎士が待ち構えているなんて……。
あいつら、覚えていろよ。
大人數で私を袋叩きにしやがって……。
中が傷だらけになってしまったじゃないか……。
魔法も使えない無能どもが、私にこんな仕打ちをしてタダで済むと思うなよ。
魔法さえ使えれば、こんな汚い牢屋なんか一瞬で壊して、あいつらを殺すことができるのに……。
「絶対に出て復讐をしてやるからな。覚えていろよ。特にレオンス・フォースター! お前だけは絶対に殺す」
あいつだけは絶対に許してはいけないんだ。
「それはそれは、なかなかの心意気ではないじゃないか」
は、聞かれてしまった。
また袋叩きにされてしまう。
「だ、誰だ! 私は今、凄く機嫌が悪いんだ!」
焦った俺は、虛勢を張った。
「おお、怖い怖い。どうも」
鉄格子の向こう側に、見覚えのある男がいた。
赤い髪で、ニヤニヤしたムカつく顔。
「お、お前は!」
魔法學校で同期だったアレンだ。
「やあ、久しぶりヘロンダス。魔法學校の卒業式以來だから……何年前だ?」
「ど、どうして……お前が……」
お前、悪の組織にったって聞いたぞ?
「うん? 君を使いたいという人に連れて來るように依頼されてね……。どうする?」
何を言っているのだこいつは?
「はあ? 私を使いたい? そんな奴がどこにいるんだ!」
馬鹿にするのも大概にしろ!
「ヘロンダス・ボーモント……帝國黃金世代と言われた俺たちの中でいつも三番手だった男だ。まあ、俺とダミアンに一度も勝ったことがないお前でもしい人はしいわけだな」
「う、うるさい!」
嫌な過去を思い出させるな!
「まあまあ、そこまで怒らないで冷靜になれって。今、自分の置かれている狀況を考えてみろよ。もしかすると……殺されてしまうんだぞ?」
こいつ……馬鹿にしやがって。
「くそ……もし、私がその人のところに連れてかれたら奴隷になるのか?」
「さあ? でも、死ぬよりはいいんじゃないのか? それに、もし奴隷になったとしても戦力として大事にして貰えるんじゃないか?」
死ぬよりはマシか……。
「くそ……わかった。それで、どこの誰が何をするために俺をしがっているんだ?」
「それは教えられない。依頼主の報はどんなことがあってもしゃべらないよ。でも、これだけは言える」
「な、なんだ?」
「君はきっと復讐をする機會を與えてもらえるよ」
復讐? もしかして、あの騎士ども……それにレオンス・フォースターを殺すことが出來るのか?
「ほ、本當か?」
「ああ」
アレンは、ニヤッと笑って答えてくれた。
信じられないが……こいつに賭けるしかないか。
「わかった。私を連れて行け」
どうせ死ぬんだ。どうにでもなれ!
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