《狂的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著〜》突然の者⑦
戸いを隠せないでいると、再び思考に男の聲が割り込んでくる。
「おい。腰が抜けて立てないのか? それとも、俺に抱き起こされたいのか?」
明らかに揶揄い混じりの男の聲音に今度こそムッとした桜が男の手を無視し、そのまま立ち上がろうとした時のことだ。
優太郎の魔の手からなんとかして逃れようと必死に、背後で両手をついて後退っていたせいか、振袖の上前がれており、襦袢までが下前もろとも大膽にはだけて捲れ上がっていたことに、今さらながらに気付かされた。
「////ーーキャッ!?」
おそらく立っている男からは太どころか下著までが見えてしまっていたに違いない。
とんでもない恥に見舞われた桜が真っ赤になりつつも、大慌てでれたなりをただしていると。
「そんなに慌てなくても、世間知らずで純真無垢なお嬢様同様、オコチャマ仕様の純白パンツ見たからって、したりしないから安心しろ」
「////ーーッ!?」
ーーお、オコチャマ仕様の純白パンツ……!
肩を震わせつつ揶揄うような口吻の男の言葉に、ことごとく恥を煽られてしまった桜は、これでもかというぐらいに真っ赤にさせられ、その場で顔を両手で覆い隠して悶えるしかなかった。
しして幾分恥がおさまってきた頃。不本意ながらも、男の手を借りて立ち上がったところで、禮を告げていなかったことを思い出す。
り行き上とはいえ、助けてもらったのは事実だ。
家の駒でしかない自分にはなにもできないが、誠心誠意、きちんと言葉で禮を盡くさなければならない。
天澤家の娘である立場上、何があろうと、家の名を汚すようなことがあってはならないのだ。
そうやって、小さい頃から薫に幾度となく厳しく言い聞かされてきた。
今まさに、こちらに背を向け、出り口から出ていこうとする男の広い背中に真っ直ぐに言い放つ。
「あのっ。先程は助けて頂きありがとうございました」
すると男は、足を止めることも振り返ることもなく。
「否、別にあんたを助けたわけじゃない。ただの偶然だ」
背中越しにそれだけ言い置くと、そのまま出ていこうとする。
そんな男からは、もう、桜がじた懐かしさも、優しい雰囲気も、一切じられない。
さっきまで見せていた優しい表など、あたかも幻だったのかと思ってしまうほどに。
自分とは一線を畫すような態度を見せる男の有り様に、桜は言いようのない寂しさを覚えてしまう。
そのせいなのかどうなのかは、自分でもよくわからない。気づいたときには。
「待ってください。せめてお禮をさせてくださいッ!」
立ち去ろうとする男のことを無意識に大きな聲で引き止めてしまっていた。
「あんたに禮なんてされる謂れはない」
けれど男からはやはり頑なな言葉が返されるだけで、桜はますます引くに引けなくなっていく。
「何でもしますッ!」
「そんなことを簡単に口にするな。これだから世間知らずなお嬢様は」
こんなにも頑なになって、男のスーツの袖まで摑んで引き止めるだなんて、それだけでも驚きなのに。それがまさか……。
「何のつもりだ」
「……た、助けていただいたのに、何のお禮もできないままだなんて、それでは私の気がおさまりません」
「だったら、何をしてくれると言うんだ?」
「やれと言われればなんでもします。本気ですッ!」
「だったらげよ」
「……え?」
「なんでもすると言ったのはお前だ。だったらいで俺のことを愉しませてみろ」
男との間で繰り広げていた押し問答の末に、こんな展開が待っていようとは、誰が予想できただろうか。
なくとも桜にとっては、何もかもが思ってもみなかったことだった。
婚約者が浮気したので、私も浮気しますね♪
皆様ご機嫌よう、私はマグリット王國侯爵家序列第3位ドラクル家が長女、ミスト=レイン=ドラクルと申します。 ようこそお越しくださいました。早速ですが聞いてくださいますか? 私には婚約者がいるのですが、その方はマグリット王國侯爵家序列7位のコンロイ家の長男のダニエル=コンロイ様とおっしゃいます。 その方が何と、學園に入學していらっしゃった下級生と浮気をしているという話しを聞きましたの。 ええ、本當に大変な事でございますわ。 ですから私、報復を兼ねて好きなように生きることに決めましたのよ。 手始めに、私も浮気をしてみようと思います。と言ってもプラトニックですし、私の片思いなのですけれどもね。 ああ、あとこれは面白い話しなんですけれども。 私ってばどうやらダニエル様の浮気相手をいじめているらしいんです。そんな暇なんてありませんのに面白い話しですよね。 所詮は 悪w役w令w嬢w というものでございますわ。 これも報復として実際にいじめてみたらさぞかしおもしろいことになりそうですわ。 ああ本當に、ただ家の義務で婚約していた時期から比べましたら、これからの人生面白おかしくなりそうで結構なことですわ。
8 170社長、それは忘れて下さい!?
勤め先の會社の社長・龍悟に長年想いを寄せる社長秘書の涼花。想いを秘めつつ秘書の仕事に打ち込む涼花には、人には言えない戀愛出來ない理由があった。 それは『自分を抱いた男性がその記憶を失ってしまう』こと。 心に傷を負った過去から戀愛のすべてを諦めていた涼花は、慕い続ける龍悟の傍で仕事が出來るだけで十分に満たされていた。 しかしあるきっかけから、過去の経験と自らの不思議な體質を龍悟に話してしまう。涼花は『そんなファンタジックな話など信じる訳がない』と思っていたが、龍悟は『俺は絶対に忘れない。だから俺が、お前を抱いてやる』と言い出して―― ★ 第14回らぶドロップス戀愛小説コンテストで最優秀賞を頂きました。 2022/5/23に竹書房・蜜夢文庫さまより書籍が刊行予定です! お読みくださった皆さま、ほんとうにありがとうございます。✧♡ ★ 設定はすべてフィクションです。実際の人物・企業・団體には一切関係ございません。 ★ ベリーズカフェにも同一內容のものを掲載しています。 またエブリスタ・ムーンライトノベルズにはR18版を掲載しています。
8 169高校ラブコメから始める社長育成計畫。
コミュニケーションの苦手な人に贈る、新・世渡りバイブル!?--- ヤンキーではないが問題児、人と関わるのが苦手な高校二年生。 そんな百瀬ゆうまが『金』『女』『名譽』全てを手に入れたいと、よこしまな気持ちで進路を決めるのだが—— 片想い相手の上原エリカや親友の箕面を巻き込み、ゆうまの人生は大きく動いていく。 笑いと涙、友情と戀愛……成長を描いたドラマチック高校青春ラブコメディ。 ※まだまだ若輩者の作者ですが一応とある企業の代表取締役をしておりまして、その経営や他社へのコンサル業務などで得た失敗や成功の経験、また実在する先生方々の取材等から許可を得て、何かお役に立てればと書いてみました。……とはいえあくまでラブコメ、趣味で書いたものなので娯楽としてまったりと読んでくだされば嬉しいです。(2018年2月~第三章まで掲載していたものを話數を再編し掲載しなおしています)
8 159好きだよ
これは主人公の本條 舞(ほんじょう まい)が1個上の先輩鈴木 翔(すずき しょう)に戀するお話です。 新しい小説を思いついて2作品目も書いてみました!良ければ読んでみてください!
8 90これって悪役令嬢?!私の生き方貫きます!
主人公まりが、車の衝突事故から異世界へ 転生してしまう。目覚めると典型的な だっさい悪役令嬢。性格も極悪。 そんな中、曲がった事は大嫌い!と 正しいと信じる道を貫くまり。 イケメン俺様王子にだって文句は 言わせないわっ! だんだんと、王子もまりの影響を受け まりを溺愛するように。 どんな困難も叩き切る! 正義の為なら、怖いものなんてないのよっ! どんどん、周りを幸せにしていくという、 少し、お節介、そして人情味あふれる ラブコメディ。 私の生き方を見せましてよっ! はじまり。はじまり~。 ※カクヨム、アクアポリスにて同時投稿
8 182家族に売られた令嬢は、化け物公爵の元で溺愛されて幸せです~第二の人生は辺境地でほのぼのスローライフを満喫するので、もう実家には戻りません~
「レーネが売れた! 化け物公爵が娶りたいと言ってきたんだ!」 家族に虐げられていたレーネは、祖母が殘した形見の薬草と共に、化け物と恐れられる獣人、マーベリック公爵の元に嫁ぐことを決意する。 決して不安がないわけではないが、狂気に満ちた笑顔で人の不幸を喜ぶ家族の方が化け物に思えて仕方なかった。 「早く出ていけ。目障りだ」 すでに自分の居場所がないと悟るレーネは、祖母とのある約束を守るため、化け物公爵の元を訪ねる。 しかし、黒い噂が流れる殘虐な公爵様の姿はなく――。 「嬢ちゃん。今は無理せずに休むべきだ」 「無理は良くない、奧方。筋肉が悲鳴を上げている」 屋敷で働く家臣の獣人たちに親切にされ、傷ついた心が癒されていく。 もしかしたら、本當の旦那さまは優しい人かもしれない。 會えない気持ちで思いが募り、妄想という名の戀心が芽生え始めるのだった。 「はぁ~。私の旦那さまはいったいどこに……」 一方その頃、レーネを売り払った家族の元には、なぜか次々に災難が押し寄せてくることになり……? ※この作品は他サイトにも掲載しています。 【無斷転載禁止】小説投稿サイトやYouTubeに載せないでください。
8 153