《狂的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著〜》鳥籠から出るために⑯
「私ではその気になれなかったんですよね。すみません」
だから謝ったのだが。
「ーーは!? あっ、ああ、いや、別にそういうわけでは……」
尊は面食らったように目を見開いた。そしてなにやら言い淀んでいるようだ。
威圧はあるし、々強引なところはあれど、貞の危機を救ってくれたり、傍に置いてくれたりと、願いを聞きれようとしてくれる、優しいところのある尊のことだ。
おそらく気を遣ってくれているのだろう。
だがこれ以上気を遣われれば、余計に慘めになるだけだ。
「気なんて遣わなくても」
「そういうわけじゃない」
「じゃあ、どうしてですか?」
「なんでもないから気にするな」
「気になります」
なのに尊は、そうじゃないと言いながら理由をはっきり口にしない。
なんだかはぐらかされているようで、納得いかない桜はしつこく食い下がる。
同じようなやり取りを繰り返している途中、あるものが目についた。
桜は真っ赤になった顔を手で覆い、思わず高い聲を上げてしまう。
「////ーーキャッ!?」
ベッドの傍に佇んでいる尊の間がスラックスの上からでも目視できるほど膨らんでいたせいだ。
ーーえ? これって、私に反応を示してくれてるってことなんじゃ? なのにどうして……。
たちまち桜の頭の中は疑問符で埋め盡くされていく。
ますます困する桜の元に、再び尊の聲が屆く。
「もういいから寢てろ。々あったし散々いだんだ。だって辛いだろ」
相変わらずの素っ気ない聲音ではあったが、桜のことを気遣うような優しい言葉だった。
なんだか無に嬉しくなって、までが苦しくなってくる。
そこに、つい先程まで、尊から散々お見舞されていたものと同じく意地の悪い聲音が降ってきた。
「まだ足りないなら、このまま風呂に連れて行くが。どうする?」
今度はたっぷりと含みをもたせた意味深なものだ。
そのことで、とんでもない恥に襲われた桜の意識が完全に逸れていく。
ーー一緒にお風呂だなんて、と、とととんでもない……!
「////ーーけ、けけけ結構ですッ」
「ふっ、そうか。なら、オコチャマはいい子にして寢てろ」
ーーあっ、またオコチャマって言った。確かにそうだけど。そんな何度も言わなくったって。
途端にムスッとして尊のことを睨んでいると、聞き分けのない小さな子供をあやすように、頭をポンポンされて。桜は完全にむくれてしまう。
そんな桜のことをどこか楽しそうに見下ろしている尊が急に長を屈めてきた。そしてゆったりとした作で桜の顔を覗き込んでくる。
その至近距離に驚いて、とっさに瞼を閉ざしてしまった桜の額には、軽くチュッとキスを降らせた尊ののあたたかながした。
吃驚仰天した桜がパチっと目を見開いたときには、尊はもうバスルームに向かって歩き出していて。尊の背中に描かれている龍の刺青が視界に飛び込んでくる。
その様は、予想していたとおり、とても力強く、とても綺麗だった。
なにより、自分の名前の由來でもある桜が描かれていたことが、どうにも嬉しくて仕方ない。
尊の背中が見えなくなってからも、桜はそこから視線を外せずにいた。
しばらくして、尊が風呂から上がった頃には、桜はすっかり眠りこけていた。
きっと々あったせいで疲れていたのだろう。珍しく、朝まで一度も目覚めることなく睡していたようだ。
目覚めた頃には、もうとうに朝が昇っているようだった。
障子で覆われた大きな窓からのしに刺激され、目を覚ました桜は、にまとわりつくあたたかなに違和を覚えた。
それが尊のだということに気づいたのも束の間。尊が一糸まとわぬ素っだと悟った瞬間。真っ赤になった桜はその場で凍りついてしまう。
同時に、昨夜、尊にされたことの一部始終が蘇ってくるのだから、堪らない。
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