《狂的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著〜》本の夫婦として②
尊は走ってきたのか、れた呼吸をしばし整えると、當する桜の元にゆっくりと歩みを進めてくる。
余りの気迫に桜がけずにいると、なぜか尊は桜の前を素通りしてしまう。
ーーえ?
當然桜の元に來るものと思っていたため、拍子抜けしてしまいそうだったが、尊が醫師の著ている白の襟首を摑みあげ、地を這うような重低音を轟かせたことで、尊が大変な思い違いをしていることが判然とする。
「お前か。桜に言い寄ってるって言う命知らずな輩は」
「へ? いえ、僕はただ検査結果の説明をしていただけですが」
「お前、いい加減なことぬかしてんじゃねーぞ!」
けれどもあまりの尊の気迫に圧倒されて桜はけずにいた。
と、そこに、ヤスが駆け込んできて、醫師に摑みかかっている尊のことを制止し始める。
「あー、こんなとこにいたんすかって。ちょっと社長、堅気に手出したら駄目っすよ!」
「うっせー、離せっ!」
だが尊は聞く耳を持たず、ヤスのことを片手で容易に払いのけてしまう。
「ひぃいッ!」
今にも毆りかからんばかりの勢いで拳を振り上げた尊の姿に、醫師が哀れげな聲をらした剎那。樹里と一緒に櫂までが現れた。
さすがは日本最大の極道組織・極心會の會長と若頭。ふたりともそう思わせるほどの威圧と凄まじい気迫だ。
そのふたりが今、相見えようとしている。
先程まで尊のことを止めようとしていたヤスは一歩下がった場所で、キラキラと羨の眼差しをふたりに注いでいる。
尊から開放された醫師は力なくヘナヘナと椅子に倒れ込んでしまっている。
「尊。お前、堅気に手出したらどうなるかわかってんだろうな?」
「破門でもなんでもすればいいだろ。そんなもん怖くもなんともねーよ」
「そうだよな。てめーは、お前を厄介払いした奴らへの腹いせにヤクザになっちまった、どうしようもねー野郎だからなぁ。だが若頭の功績をたたえて除籍にしといてやる」
「だから好きにしろって」
以前初めて対面したときとは違いふたりを取り巻く空気が殺気立ってはいるが、互いに襟首を摑みあったまま兄弟喧嘩か親子喧嘩のようなやり取りが続いていた。
そのやり取りのなかで尊は除籍処分になったようだが、さて、どのような処分だろうかと桜が思案している間に、話は進んでいく。
ヤクザにとっての『除籍』には二通りあり、大抵の場合はクビを意味するが、尊の場合は『引退』ということになる。
だが除籍されれば二度と渡世への復帰はできない。
「その代わり、俺はお前の親代わりだからな、ガキが生まれたらいつでも見せに來い。いいな? 約束だぞ」
「はッ!? ガキってなにわけのわかんねーこと言って」
「ほら、尊、これ見なさい。あんたの子よ。おめでとう……って、あっ、桜ちゃん、ごめんなさい。言っちゃった」
「ああ、いえ。言うタイミングが摑めなかったので、助かりました」
「ちょっと待て。一どういうことだ?」
「あら、尊、まだわかんない? あんた除籍されて堅気になったのよ。どうせそのつもりでいてたんだし、時期が早まって良かったじゃない。それに子供までデキちゃったって言うオマケつきよ。おめでとう、尊パパ」
「ーーッ!?」
そうしていつの間にかふたりの間に割ってった樹里が一週間前に撮影したまだ豆粒ほどの赤ちゃんの姿が寫っている四角い紙片を尊に突きつけたことで、桜の妊娠のことを知らされた尊が言葉を失い呆然と立ち盡くしてしまっている。
そんな尊の姿もお初にお目にかかったが、そんなことよりも尊が極道の世界から自ら退こうとしていた事実に桜は驚きを隠せずにいた。
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