《【コミカライズ】寵紳士 ~今夜、獻的なエリート上司に迫られる~》「興味があるのはキミだけだから」4
◇◇◇◇◇◇◇◇
その夜、十時。
雪乃は黃いパジャマに著替えて所を出ると、ソファで待つ晴久のもとへ戻った。
「高杉さん。お風呂あがりました」
「あ、はい」
ホカホカと湯上がりの雪乃はすっかり落ち著き、晴久の隣へ座る。
ふたりはここへ來る前に雪乃の家に寄り、泊まりに必要な荷を持ってきてから晴久の家へ、昨夜とまったく同じ手順をとった。
雪乃が先にシャワーを浴びたのも、昨夜のとおり。
しかし、晴久は昨夜よりも余裕を隠せずにいた。
同じ會社であることも判明し、お互いにもう隠し事はなにもない。自分のトラウマすらもさらけ出し、彼とのわだかまりが無くなった。
新たな関係へとステップアップしたことで、彼が昨日より、さらに魅力的に見える。
そんな彼と今夜も一緒に眠るのだ。
「俺もってきます」
 「はい」
シャワーを浴びると、しだけ冷靜になった。
まだ付き合っていないのに手を出すような真似は派な晴久には決心がつかず、かといってこの狀況で付き合いを申し出て下心だと思われるのは心外である。
何より、雪乃はついさっきトラウマを呼び起こすような怖い目に遇ったばかりであり、そんな彼につけるようなやり方はしたくなかった。
雪乃とともにベッドにり、サイドランプを點けた。
今夜は腕枕ができる距離まで近づき、晴久は彼の手を握る。
「……高杉さん?」
「今日、怖い思いをしましたね。大丈夫でしたか」
小山から聞いた、雪乃が襲われたという経験について、彼の口からは聞いていない。晴久はあえてれることはしなかった。
雪乃が口に出すことすら嫌なほどに忘れたい出來事なのだろうと思ったからだ。
その代わり、晴久は彼がまたひとりきりで耐えることのないように、今夜は傷を癒すための優しい言葉をかけてあげたかった。
「高杉さんが來てくれたから、大丈夫です」
「……それは、よかった」
溶けるような笑顔を向けてくる彼へのをぐっと堪える。
「細川さんが無事で俺もよかったです」
さあ、もう寢ようと自然に彼に背を向けた。
「……あの。高杉さん」
しかし雪乃は話を止めず、晴久は自分の理が不安になってくる。
「私に敬語を使わなくてもいいんですよ。なんだか上司と部下ってじがして寂しいです。もちろん私は部下ですけど……出會ったのは、會社じゃないですから」
「え……?  いや、それは……」
突拍子のない提案に、またゴロンと彼へを戻す。
「呼び方も〝細川さん〟より、〝雪乃〟の方が嬉しいです」
なにを言い出すのかとギョッとした晴久だが、雪乃はあくまで真剣な表だった。
(……もしかして)
やがて晴久は彼が自分を〝社員〟だと意識しないように気遣ってくれているのだと気付いた。予想外のかわいさにさえわいてくる。
(なんていい子なんだ)
彼に対する好奇心が止まらず、さっそく善意にあやかってみる。
「本當に?  雪乃って呼んでいいの?」
「……は、はい。呼んで、ください」
実際に口にされると今度は言い出しっぺの雪乃の方が照れており、掛け布団に口もとを埋めて隠れた。
そんな彼がたまらなくかわいくて、晴久の聲はどんどん甘くなる。
「じゃあ、雪乃」
「は、はい……」
すぐにでも彼を抱きしめたかったが、このじりじりとしたの焼けつく距離もたまらなかった。
無理強いをせず、ゆっくりと雪乃の反応を見たくなる。
「もう電気は買わなくていい。これからは待ち合わせて、ここに泊まってくれ。荷もここに置きっぱなしにして」
「高杉さん、そんな、さすがにご迷では……」
「いいんだ。もうひとりにしたくない。今日みたいに危険な目にあっていないかと思うと、気が気じゃないんだ」
心配もしているが、一緒にいたいのだ。彼と関係を進めたい。をしたい。
晴久はしっかりと自覚した。
お酒を飲んだようにポーッと赤くなっている雪乃は、晴久の甘い言葉に夢見心地となっていく。
その気分はやがて、徐々に眠気へと変わっていった。
晴久もそれは分かっていたが、このまま彼に甘く囁き続けて溶けるように眠ってしまったとしても、それでよかった。
「高杉さん……」
「分かった?  明日も一緒に帰って、うちにおいで」
「はい……」
言質を取ったところで、さらに彼の耳にを寄せ、低い聲で囁く。
「それと、勘違いしないでほしい。確かに社で手紙をけ取ったのは事実だけど、俺が興味があるのは、キミだけだから」
その言葉が聞こえたかどうかのギリギリのタイミングで、雪乃は熱を持ったっぽい顔のまま眠りに落ちていく。
(……かわいい)
晴久は雪乃にした気持ちを気合いで飲み込み、自分をい立たせて我慢した。
おそらく次は耐えられずに奪ってしまうだろう。そんな予に浸りながら、しばらく彼の寢顔を見つめていた。
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