《【コミカライズ】寵紳士 ~今夜、獻的なエリート上司に迫られる~》「悪い子にはキスできないな」3
【お仕事中すみません。今、】
現狀を報告しておいたほうがいい。
そう確信した雪乃は集中して晴久へのメッセージを作るが、視界がぼんやりと揺れており、頭がぐわんぐわんと重たくく。
(これ、なに……?  頭がクラクラする。まだ甘いカクテルをふた口飲んだだけだから、こんなに酔わないはずなんだけどな……)
【今、バーにきてますが帰れなつてこまつて、?。ま】
つるん、と畫面を指がり、思うようにいてくれない。
(文字が打てない……立ってもいられない……)
不完全な文章のまま送信ボタンを押してしまい、トーク畫面に載った。訂正するための思考力はもうない。
雪乃は個室から雪崩落ちるようにして出て、フラフラとカウンターへ向かう。
「あらら。細川さん大丈夫?」
伊川はニヤニヤと笑いながら雪乃の肩に手を添え、席に座らせた。彼はゾッとするものの、グワングワンと回る視界では反抗もできない。
「すみません、わ、たし……酔ってしまったみたい、で……もう帰ります……」
「ええ?  危ないよひとりで帰るなんて。家まで送ろうか」
「いい、です……ひとりで……」
鞄をプランと持ってカウンター席から降りるが、彼はまた崩れ落ちた。
伊川は、紅して荒い息をしている雪乃のを「おっとっと」と支えるふりをしながら、ベタベタとる。
マスターはさすがに心配そうな視線を送り「タクシーを呼びましょうか」と聲をかけたが、伊川が「いい、いい」と蹴散らした。
そこへ、著信音が鳴り響く。
「あ……私の……」
雪乃はもう一度鞄に手を突っ込み、鳴りながら振しているスマホを捕まえた。
しかしすぐにり、カシャンと落ちて床をスライドしていく。
伊川はそれを拾い、そして電話に出た。
『雪乃!!』
「はーい。細川さんは今出られません」
『なっ!?  誰だ!?』
電話口からは大きく割れた晴久の聲が響き、マスターにまで聞こえている。
「俺ですよ、俺」
『お前……伊川か!?  ふざけるな!  雪乃はどうした!』
人の聲にきづいた雪乃は目蓋が下がりながら「はるひささん……?」とつぶやくが、とても通話の向こうへは聞こえない。
「ちょっと意気投合しちゃいまして。楽しく遊んでたところです。彼はもう眠っちゃいましたけど、なにか用でした?」
『……自分がなにをしてるか分かってるのか?  俺の人を今すぐ電話口に出せ』
「ええ?  高杉課長の人だったんですか?  てっきりフリーだと思ってました。だって聲かけたらついてきたし、今は俺の橫で寢てますよ」
通話はブチンと切れ、伊川は「怒ってる」とつぶやいて笑う。
「伊川さん。店でもめ事は困りますよ」
マスターはほかのない客たちに目を配りつつ、伊川にそう忠告する。
伊川はヘラッと笑い、ぼんやりとした意識の雪乃の肩に手を回して立たせた。
「大丈夫大丈夫。どこにいるかは教えてないから」
自分でそう言いながら、伊川はふと、そういえばなぜどこにいるか聞かれなかったんだろうと疑問を浮かべつつ、まあいいかと歩きだす。
「ん……離して、ください……」
「はいはい。おとなしくして。とりあえず酔ってるし、どこか休憩でもる?」
彼にそう囁いて店を出ようとした、そのとき。
先に外から扉が開けられ、そこにはまるでヤクザのような鋭い人相の晴久が立っていた。
「えっ、高杉課長!?」
伊川が驚く間もなく晴久は雪乃を奪い取り、ガッシリと抱きかかえる。
雪乃は彼の腕の中でまた「はるひささん……?」とぼんやり口にするが、彼はそれには返事をしない。
晴久はカウンターのグラスに目をやった。
「……あんなに強い酒を飲ませたのか」
ひと言だけ、伊川にそう尋ねた。
「いや、べつに」と伊川が反論しようとすると、晴久は伊川のぐらを摑み。
「伊川。外へ出ろ」
そう冷たく言い放った。
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