《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》
ミハイルをおくったあと、昨晩から今朝にかけてのことを思い出していた。
あんなにも騒がしい日は生まれてこの方なかった……。
その騒がしささえ心地よく、それに……今思うと、俺は『それ』がなくなったことを寂しくさえ思っていた。
なぜなんだ。
ミハイルは俺から言わせれば、リア充、ヤンキーの一派にすぎない。
そんな非リア充の俺とは、対極な存在の彼と一緒に過ごすことが、こんなにもが踴るのか?
まったくもって解せん……。
自宅に戻ると、朝刊配達の疲れから仮眠にった。
眠りにる途中……ひょっとしてミハイルの方から連絡がかかってくるかもしれない、と期待していた。
※
スマホのベルで目が覚める。
すぐさま、電話にでるとの子の聲だった。
寢ぼけていた俺はミハイルかと思った……が。
『センセイ? 寢てました?』
「白金しろがねか……」
『ワタシじゃ悪いことでもあります?』
「べつに……」
ミハイルだと思った自分がバカだった。
しかも相手はの子とはいえない……三十路手前の人しただ。
俺のもう1つの仕事。
ライトノベル作家。
白金は俺の擔當編集である。
「なんのようだ?」
ミハイルじゃなかったので、めっさイライラしていた。
『そんなに怒らなくても……打合せしましょ!』
「おまえな……俺の予定に配慮しろよ」
『だって、夕刊まで時間あるっしょ! じゃあお晝に編集部で。プロット用意しといてくださいよ』
一方的に電話を切られた。
スマホの時刻を見れば、『10:45』
仮眠をとって、頭がスッキリした。
ミハイルからの連絡は、どうやらまだらしい。
あいつもきっと睡眠がなかったから、今頃お晝寢でもしているのだろう、知らんけど。
學習デスクの引き出しから、ノートパソコンを取り出す。
起すると編集の白金に言われた通り、次作の小説の構に取り掛かった。
「よし、これでいいだろう」
5分で書き終わった。
そもそも、俺の小説は人を選ぶ。
売上なんていうほどない。
なので、擔當の白金は、俺を作家としてもっと有名にさせたいみたいだが、そうはいかん。
俺は読者の求めるものなど書かん。
『やりたいことを優先』が俺のモットーだ。
ちなみに、今回のテーマはラブコメだ。
しっかり書けたぞ。
ノートパソコンをリュックサックにしまうと、支度をすませて、福岡の繁華街、『天神てんじん』へと向かった。
福岡県福岡市における繁華街、中心部とも言える天神。
天神なぞコミュ力、十九の俺には無縁の地だ。
あそこはあれだ、JK達がこぞって。
「ねぇ、今からどこいく?」
「天神じゃね?」
とか言う軽いノリで行くところだ。
そして、タピオカとかいう芋の茶を飲み、ウインドウショッピングしてプリクラ撮って……しょーもな。
まあ確かに、最近は天神もオタク文化をけれ、アニメやマンガ、メイド喫茶など非リア充向けに発展はしているが……。
俺からしたら、リア充どものスケベな街だよ。
「夜景がキレイだね……もうキッスするしかない!」
そんなところだぞ?
この俺も仕事のためとはいえ、3年間もの間、天神という街に通っている。
「この街は相変わらず、人で溢れかえっているな」
そうつぶやくと、天神のメインストリートともいえる、『渡辺わたなべ通り』を歩き出す。
この天神という街は狂っている、地下街では北も南も摑みづらいし、通り名もわけがわからん。
明治だの昭和だの……めんどくさいから一番とか二番とかに改名しろ、お偉いさんよ。
天神はたくさんのビルで連なっているが、『そのビル』は一際目立つ。
ビルの壁一面が銀に塗裝されており、鏡のように日が反し、下にいる俺はそれを直で食らっている。
出版業界ではトップの売り上げを誇る『博多はかた社』だ。
「悪魔城……」
そう呟くと、自ドアが開く。
すぐに目にったのは、白い半円形の機とデスク上に花瓶。
その後ろは、これまた白い制服をきた付のお姉さんがいる。
「あら、久しぶりね、琢人くん」
「倉石くらいしさん、お久しぶりです」
彼の名は倉石さん。
博多社の付嬢。(年はアラサーなので嬢といえる年なのだろうか?)
「今日も打ち合わせ?」
「はい、『アホ』を呼んでください」
「アホ……ああ、白金さんね♪」
アホで通るのが我が擔當編集なのだ。
倉石さんは手元にあった電話を使い、連絡をとる。
數分後、エントランスに現れたのは、一人の。
「おっ待たせしました~」
と、ピンク地に白いドッド柄のワンピースを著た、ツインテールのロリッ娘ぽいおばさんが立っている。
何回見ても気持ち悪いアラサーだ。
人しているくせに、長は120センチほどだ。
小じわさえ見つけなければ、近所の小學校に不法侵できそうなババア。
「白金、急な呼び出しはやめろ」
「嫌だな~ センセイったら。さあさあ、編集部にいきまちょ♪」
なあにが、『いきまちょ』だ。
死んで転生してこい。
エントランスからエレベーターと移する。
「センセイ、一ツ橋高校でいい取材できたでしょ?」
「あ? できるわけないだろ、クソみたいな高校を紹介しやがって」
「え~ あそこは私の出校ですよ。悪いとこじゃないし、蘭らんちゃんだっているから……」
蘭って誰? ああ、宗像先生か。
低長の白金の代わりに、俺がエレベーターのボタンを押してやる。
「宗像先生か……思い出したくもない」
「あっ! ひょっとして蘭ちゃんに一目ぼれしました? おかずにしてます?」
いやらしい顔で笑うJS……じゃなかったロリババア。
「お前な……宗像先生の中は、アル中のおっさんだぞ? どうやって味しく食べるんだ? アラサーだぞ」
「私も同い年なんですけど!」
「間に草も生えない、お前がか?」
「なっ! またそういうセクハラ発言するんですか」
この第二次徴期の確認は、3年間もやりとりしている。
エレベーターが5階でストップする。
「フン! じゃあ、こっち來てください」
アホがキレながら悪魔城の最深部へといざなう。
そう、この『ゲゲゲ文庫 編集部』こそ、俺がなりたくもなかったライトノベル作家になった魔王の住処である。
ゲゲゲ文庫……その界隈では、群を抜いた売り上げを誇る。
ちなみに俺はライトノベルをあまり読まん。
なので、凄さがよくわからんのだ。
「センセイ、なにか飲みます?」
立ち止まって指をさす白金。
指先は編集部の前にある自販売機。
白金はカエルの形をしたガマ口財布を取りだす。
今時みない……やっぱババアだな。
「じゃあ“ビッグボス”(アイスコーヒー)で」
「やっぱ男の子ですね♪」
いや意味がわからん。も飲むだろ。
「うんしょ……」
小銭を持って、貨投口に手を持ち運ぶ。
だがビッグボスの決定ボタンは一番上だ。白金の低長が邪魔をしている。
「おい、早くしろ。待たせるな。こちとら、が渇いた10代なんだぞ」
「いま……やってますよぉ」
「使えんやつだな」
そう言って俺がボタンを押し、販売機から出てきたビッグボスを手に取る。
「お前はどうする?」
「私ですか? イチゴミルクでお願いします♪」
「フン、きもいセンスだ」
彼の開いたガマ口財布から、無斷で小銭を取ると、ボタンを押してやった。
「ほれ、禮はいらんぞ」
イチゴミルクを投げると、彼は見事にキャッチした。
「あ、ありがとうございま……って、私のお金で買ったんだから、お禮なんていらないでしょ!」
「ガキだから騙される」
「フン! あっかんべー!」
あっかんべーか……ビッグボス飲んで早く帰ろっと。
編集部では忙しそうに、大人の社員たちがお仕事をしていらっしゃる。
白金が「こっちですよ」と通されたのは薄い仕切りで覆われた小さな區畫で、機が1つ、対面式にイスが4つ。
ここで數年間もの間、俺は擔當編集のロリババアこと白金しろがね 日葵ひまりにダメ出しばかりを食らっていたトラウマの場所だ。
「さあセンセイ、さっそく新作のプロットを♪」
ため息まじりでイスに腰を下ろすと、リュックサックからノートPCを取り出す。
起させると、五分で書いたテキストを表示させる。
一息ついた俺は、ビッグボスでを潤わせた。
白金もイチゴミルク飲みながら、俺のテキストに視線をやる。
「えっと、タイトルは……シャ、『シャブ中が転校したら5秒で合』」
「フッ、タイトルからして書籍化決定だろ」
「センセイ……私をクビにする気ですか?」
あれ? まだ春だというのに冷房がきき過ぎてません?
さ、さむぅ~
初めての戀
美男美女。リア充達のハーレム物。 とは程遠い。年齢=彼女いない歴。要するに童貞が主人公の物語。 僕が初めて人を好きになったのは高校二年の春。まさかまさかの一目ぼれだった。 しかし、それは一目ぼれではなくて必然だったんだ。 運命的な出會いのはずなのに、運命はとうの昔から動いており、僕だけがそれを忘卻の彼方に置き去りにしていた。そう、忘れてしまっていたのだ彼女のことも、あの子との約束をも。 そしてあの人のことも---。 ある日を境に見るようになった夢、性別を超えて仲のいい幼馴染、心の闇を隠しムードメーカを演じる親友、初対面なのに目の敵にしてくる男子生徒、そして僕が戀に奧手だったのも、全部意味があった。 それらに気が付いたのはもちろん偶然じゃない、必然的に一目ぼれした彼女と出會ったからである――。 それでも君が好きだから。 必ず君を迎えにいくよ。 戀に不器用な男子高校生と一途に彼を想い続ける女子高生の、青春をかけたドタバタラブコメディー。 【更新頻度】 H31.2月より週一を目処に更新致します。
8 160ルーズリアの王太子と、傾いた家を何とかしたいあたし
貧乏子爵家の長女として生まれたマリアはギャンブル好きの父、見栄をはる母、放蕩をする雙子の弟を抱え、二月後のデビュタントに頭を抱える14才。 祖父から堅実なお前にと譲られた遺品と鍵つきの祖父の部屋を與えられたものの、少しずつ減らさざるを得ない寶物に嘆きつつ何とかしたいと努力していたが、弟に部屋に侵入され、祖父の遺品を盜まれた時にブチキレた! 一応、途中の內容の為に、R15を入れさせていただきます。
8 181義妹は引きこもり美女
俺は、岡宮 大和。17歳、妹も17歳。最近妹がよく俺をみているが、なんでだろう? 私の名前は、岡宮 凜空。17歳 お兄様が大好きなヤンデレ引きこもりです♪
8 121公爵令嬢!政略結婚なんてお斷り!!
公爵令嬢のルーナはほぼ毎日のよう婚約の話が入ってくる。そんな日々にうんざりしていた所お父様の頼みより王城が開く立食パーティヘ。 そこで出會った男性に一目惚れされてしまい……? ***** しばらく更新停止とさせていただきます、 申し訳ありません
8 180草食系男子が肉食系女子に食べられるまで
女性が苦手で、俗に言う草食系男子の雄介は、ある日クラスのアイドル的存在の加山優子に告白される。 しかし、その告白を雄介は斷ってしまう。 それでも諦めきれずに、熱烈なアプローチを繰り返してくる優子。 しかし、主人公は女性が苦手な女性恐怖癥で? しかも觸られると気絶する?! そんな二人の戀愛模様を描いた作品です。 毎日更新実施中!! 良かったら読んで感想をください! 2017年10月22日現在 PV 30萬件突破! ブックマーク700件突破!! 本當にありがとうございます!! バレンタイン特別編公開中!! http://ncode.syosetu.com/n7433du/ ブックマークや評価をしてくださった方、ありがとうございます。更新は遅いですが、必ず完結させますので、お付き合いいただければ嬉しいです。 コメントもお待ちしています!! 11月12日完結
8 161獻身遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな戀人ごっこ~
女性なら誰もが惹かれるイケメン銀行マンの穂高清澄(ほだかきよすみ)は、『ミスターパーフェクト』と呼ばれている。 取引先の社員である日野愛莉(ひのあいり)は、ひょんなことから彼とエッチをする関係になってしまった! トラウマから戀愛ご無沙汰だった二人は、胸をきゅんきゅんさせながら手探りの戀人ごっこにハマっていき──?
8 56