《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》42 初デートでおごりはやめとおこう

プリクラを撮り終えたアンナは、満足そうにしていた。

スマホの時計を見れば、『12:34』

腹が減った……。

よし店を探そう!

と、いつもなら『一人のグルメ』を楽しむところだが、本日はアンナちゃんもいるからな。

ソロプレイはできない。

「アンナ、腹すかないか?」

「え? タクトくんにまかせる……」

なぜ顔を赤らめる?

普通に「腹が減った……」とつぶやき、ポカーンとすればいいのに。

は嫌いか?」

「ううん、アンナは好き嫌いないよ☆」

へぇ、いい子でしゅねぇ~

ボクはチーズがきらいでしゅけど……。

「ならば、ハンバーガーにしよう」

「アンナ、大好き☆」

そら、ようござんしたね。

カナルシティの一階に向かう。

中央部には噴水があり、一時間に一度ぐらいで噴水ショーがおこるらしい。

正確なことは知らんけど!

噴水広場の目の前にその店はある。

らしいの子(JSぐらい?)が看板のハンバーガーショップ。

『キャンディーズバーガー』

お財布にも優しく、味も日頃通っている大手チェーン店などに比べれば、うまい。

「ここでいいか?」

アンナに訊ねると「うん」とニコッと笑顔で頷く。

まったく、ミハイルのときも、これくらい素直であれ!

「いらっしゃいませ~」

これまた取り繕ったような笑顔の若い店員が、お出迎えである。

「店でお召し上がりですか?」

「ああ、俺はBBQバーガーセットで、飲みはアイスコーヒー」

「え、タクトくん、もう決めていたの?」

そげん、驚かんでもよか。

なぜかと問われれば、俺がいつも映畫帰りに寄る店の一つだからだ。

俺はここでは、これしか頼まん。

選択肢が広がれば、広がるほど人は時間を無駄にしてしまうものだからな。

「え、え……アンナはどうしよっかな」

あたふたするアンナ。

困った姿も見ていて、可らしいな。

「お決まりになっていないのでしたら、ほかの方にお譲りくださいますか?」

笑顔だが、ことを円に進めたいと、睨みをきかせる店員。

背後を見れば、確かに他にも若者の長蛇の列が……。

ここは紳士の俺が、どうにかせねば!

「アンナ、俺と同じのにしたらどうだ? BBQならば失敗はありえない」

「そ、そうだね☆ タクトくんの同じのください!」

若干、笑顔がひきつる店員。

確かにその頼み方はひどいぞ。

「すまんが、BBQセットを二つ。飲みはどうする?」

「アンナはカフェオレで☆」

「だそうだ」

「かしこまりました」

笑顔だが、なんか威圧的だぞ?

まさかと思うが、俺とアンナがイチャこいているカップルにみえるんか?

~數分後~

一つのトレーに、二人分のハンバーガーとポテト、そして飲みがのっていた。

廚房の奧からむさい男店員が「ういっす」と育會系な挨拶で、雑に差し出す。

なぜ男はいつも廚房なのだろうか?

差別じゃないですか!?

ま、そんなことはさておき、トレーは俺が持ち、対面式のテーブルに運ぶ。

二人分しかなく、いわゆるお見合いするような形でアンナと見つめあう。

アンナは時折、はにかんで、俺の顔をうかがっている。

「さて、食うか」

「うん☆ いただきまーす☆」

俺はハンバーガーの包裝紙をとると、てっぺんのバンズを持ち上げた。

パティのうえにフライドポテトをならべて、蓋をするようにバンズをのせる。

、『俺流なんちゃってニューヨークバーガー!』

これは某ハリウッドスターが映畫の劇中で、ホットドッグとフライドポテトを、ケチャップとマスタードだらけにしていたシーンがあり、それからインスパイアされた俺流メニューである。

「タクトくんってそんな食べ方するの?」

首をかしげるアンナ。

「ああ、うまいぞ」

俺はバーガーを、手で軽くつぶしてから、ほおばる。

これも食べやすくたべるコツのひとつであり、どっかの某日本俳優が映畫の劇中で語っていたものだ。

うろ覚えだがな。

「アンナにもしてみて」

目を輝かせるアンナ。

まるで、餌をほしがる犬のようだな。

ちょっと可いからほっぺをらせなさい。

仕方ないからアンナにも『俺流なんちゃってニューヨークバーガー!』を作ってやる。

というか、はさむだけだから俺がやる必要があるか?

「ほれ、食べるときにしバーガーをつぶすのがおすすめだ」

「なんで?」

「食べやすいし、そのなんだ……アンナのような、小さな口でもりやすくだな」

なんか言い方がエロいと、じたのは俺だけか?

「そっか☆ じゃあやってみる」

俺の言われるがままに、食べるアンナ。

瞼をとじて小さなで、ハンバーガーをかじる。

男の俺とは違い、かじった部分が狹い。

それぐらいアンナの顎が細いということなのだろう。

「んぐっ……んぐっ……」とミハイルのときみたいな、エロい音をたてる。

「おいしーーー!」

「だろ?」

ドヤ顔で決める俺氏。

「タクトくんってなんでも知っているんだね☆ アンナの知らないことばっかり」

「そ、そうか?」

いわゆる、男子をすぐに「すごぉい」とほめちぎる清楚系ビッチにみられる言である。

だが、いわれて嫌な気分ではない。

むしろ、他のメンズからの視線が突き刺さる。

「見ろよ? イチャつきやがって」

「ムカつくぜ!」

「金、暴力、せっかちなお母さん!」

なんか最後のやつは「イキスギィ~」だったな。

思えば、このハンバーガーショップにも、一人でしか食べに來た事ないな。

俺はアンナを見つめながら、不思議な錯覚に陥っていた。

目の前のこいつが、本當に彼ではなく、彼に見える。

ミハイルの遊びに付き合っているとはいえ、俺はなぜ別人として、アンナとして接しているのだろうか?

どうかこの時が、永遠であってほしい。

そして、このままミハイルがアンナに、男がに生まれ変わってほしいと願っていた。

    人が読んでいる<気になるあの子はヤンキー(♂)だが、女裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください