《気になるあの子はヤンキー(♂)だが、裝するとめっちゃタイプでグイグイくる!!!》46 オワコン授業

鬼教師こと宗像 蘭から、どうにか難を逃れることができた勇者タクトと聖ミハイル一行。

果たして、癡魔王のセクハラから逃れ、一ツ橋高校に平和をもたらすことができるのか!?

「ふむ……ちがうな」

俺は機の上に置いていたノートPCに、くだらない文章を書き起こしていた。

隣りのミハイルは可らしい寢息とともに夢の中だ。

ちなみに現代社會の授業中である。

俺とミハイル以外も、各々が好きなことをしている。

當の教壇に立つ若い無ひげの教師は、コトを見なかったかのように授業を進める。

そう、無法地帯と化したのだ。

教師の話すことも、ほぼ毎日、ラジオやレポートで習ったことばかりで、『學ぶ』必要が皆無なのだ。

ので、俺は小説のプロット作に勤しむ。

ミハイルは徹夜でL●NEしていたので、安眠す。

だが、まじめに勉強しているものもいた。

俺の左側に、眼鏡子の北神 ほのかがいて、慌てて教師のいうことをノートに寫している。

それ、やる必要ある?

また北神の近くには真面目グループ、つまりは非リア充の一派が薄く存在していた。

頭を見ればわかる。

なぜならば、皆、髪のが地

つまり、黒なのだ。

おもしろいぐらいに真っ黒。

ま、俺もそのうちの一人なのだが。

「いやしかし……推しは『YUIKA』で決まりでしょう?」

「兄者。拙者は絶対に『AOI』でござる」

変な口調に話の容は、おかっぱ頭の日田の雙子だ。

奴らも二回目のスクーリングにして、飽きが來たようで、オタトークに華を咲かせている。

本當に酷いクラスだ。

俺も勉強なぞ、在宅で十分じゃ! と教師をバカにしている。

「で、では……みんなに聞きたいことがあるんだけど」

現代社會のモブ教師がわざとらしく、咳払いをする。

「きみたちは既に18歳になった人もいるだろう……あと數日で選挙だね」

なにが言いたいんだ。

俺もキーボードの手をとめる。

「このなかで選挙に行く人は?」

今日初めて見える笑顔だな、モブ教師。

そんなに選挙に行きたいのか、それとも自分の好きな『人すぎる政治家』にでも一票、投票させたいのか?

一人が手をあげる。

俺の隣りにいた北神だった。

「わ、私……今月で18歳なので」

顔を真っ赤にして手をあげている。

相変わらずの白ブラウスに、紺のプリーツスカート。

まんま現役JKだよ。

全日制の三ツ橋高校の制服組に間違えられそうだ。

というか、こいつ。俺とタメだったのか。

「そ、そう! えらいね~ センセイ、関心しちゃう」

鼻のしたをばして、うれしそうに教壇から北神をみつめる。

キ、キモッ!

「そっかぁ♪ ええと、名前は?」

わざわざ教壇から降りて、北神の席まで近づく。

「あ、あの……北神 ほのかですぅ」

「北神さんかぁ、キミ可いねぇ♪」

  今、容姿を褒める必要あるか?

  生徒として見てないだろ。

止めるべきシーンでは?

このままでは、北神の貞がヤバイってばよ!

「おい……」

俺がいいかけた瞬間だった。

「うぃーす」

見かけたランプ……じゃなかったハゲ。

千鳥 力だ。

て、おい。もう授業はじまって、30分は経ったぞ?

それでも出席のために、途中からログインする気か。

「おはにょ~」

このアホな挨拶は奴しかいない。

伝説のヤンキー『それいけ! ダイコン號』が一人。

『どビッチのここあ』

つまりは花鶴 ここあだ。

「あれ? ほのかちゃん、どうしたんだ?」

困っている北神にハゲが、睨みをきかせる。

いいぞ、千鳥。もっと凄んでやれ。

「あ、おはよ。千鳥くん……」

ホッとして、膨らんだブラウスの山が揺れる。

はいわゆる地味巨という奴で、俺からしたらどうでもいいスキルの保持者だ。

「え? 俺の名前を覚えてくれたの?」

ハゲが照れくさそうに後頭部をかく。

てか、後ろもツルッツル! そうめんでも流せそう。

千鳥が北神の席まで足を運ぶと、間に挾まれたモブ教師はうろたえだす。

公開セクハラを止められて、一安心。

「じゃ、じゃあ授業を再開しよ……」

言いかけた瞬間だった。

キンコーンカンコーン。

この教師はいつもこういうけない教師なのか?

「あっ、俺たち出席カードもらってないっす」

「あーしも♪」

図々しいやつらだ。

「は、はい。二人分ね」

渡すんかい!

こいつら、何も習ってねーぞ。

終わっているなこの高校。

右手に視線をやると、ミハイルはスゥスゥと可らしい寢顔を見せてくれる。

癒されるわ……。

といって、俺はまたプロット作に勵むのであった。

學級崩壊してて草。

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