《勇者になれなかった俺は異世界で》魔王城とソラ
突然ドアが勝手に開き普通なら罠じゃないか?と疑うだろう。
だが、今の俺はケルベロスとの激戦で力も限界に近かったので、
大して疑わずに魔王城の中にり込んだ。
ヤミはスラを抱かかえながら後に続いて魔王城にった。
俺達が魔王城にると、
それを待っていたかのように天井に吊るされたシャンデリアがりだした。
そして、まず目にってきたのは部屋の中央にある大きなエリルスの像だ。
次に目にってきたのは、エリルスの像の奧にある黒くて大きい扉だ。
よく見るとその扉は左右にもあった。
そして、最後に目にったのは床全に敷いてある赤い絨毯だ。
俺は驚いた。
魔王城と言ったらもっと汚くてや骸骨がたくさんある所だと思っていたが、
実際の魔王城はその逆でや骸骨などは無い。
それどころかホコリすら無く、あまりにも綺麗すぎたからだ。
俺が驚いていると、突然俺の前に悪魔が現れた。
その悪魔はし鋭い目をしていて、瞳のは綺麗な青だ。
髪型はベージュのショートヘア、
そしてその頭には二つの角が生えていて全騎士の様な裝備をしている。
ヤミは急いで俺の前に出て何時でも攻撃が出來る態勢をとったが、
次の瞬間、それは無意味だと知ることになる。
「お前達には手を出さないようにと大魔王様からの命令がある。
我々はお前達に危害を伝えるつもりはない。」
ヤミはその言葉の意味を理解できていない様で首を傾げていた。
それもそのはずだ。
ヤミには魔王城に行くとは伝えたが、
大魔王エリルスの事は一切話していなかったのだ。
俺はそんなヤミの肩に右手をポンと置きヤミの前に出て悪魔に話しかけた。
「わかった。
じゃあ、お前は何の為に現れたんだ?」
「大魔王様に連れて來るようにと命令されたからだ。
大人しくついて來て貰う。」
「わかった。」
悪魔は俺の返事を聞くと後ろを向き像の奧にある扉に向かった。
俺はヤミに「行こう」と言って悪魔の後をついて行った。
悪魔は扉の前で立ち止まり扉をノックした。
すると扉が自で開いた。
よく見るとローブでを包んだ悪魔いて、
その悪魔が扉を側から開けたようだ。
扉の中にると目の前には大きな階段があり、
その階段にも赤い絨毯が敷かれていた。
その階段を登りながら橫の壁を見ると、
そこには々な絵畫が飾ってあった。
神的なから殘酷なまで々な種類の絵畫だ。
階段を登り終わると目の前に巨大な絵畫があった。
左と右に道が分かれていたが悪魔は右に曲がった。
右の通路には沢山の扉があり俺はどこの扉にるんだろう。
と思っていたが悪魔は一番奧まで行き壁に手をついた。
すると壁がクルリと回り悪魔が消えた。
隠し部屋があるのか!
凄いな……
俺はそんな事を心の中で呟きながら、
悪魔がやっていた様に壁に手をついた。
すると壁がクルリと回り、俺は隠し部屋にった。
ヤミはスラを抱いていたので、俺と一緒に隠し部屋にった。
すると、そこはとても長い通路があった。
奧には霧が掛かっていて、正確な距離はわからない。
悪魔はどうやら先に行ったようで姿が見えなかった。
俺達は長い通路を進み続けた。
暫く歩くと目の前に大きな扉が現れ、
その前でさっきの悪魔が立っていた。
「ここまでだ。ここからはお前達だけでれ。」
「わかった。」
俺は扉に右手をつけたがビクともしなかったので、
仕方なく悪魔に手伝ってもらった。
――ゴゴゴ
扉は床にれ大きな音を立てながら開いた。
まず、目にってきたのはとてもしいステンドグラスだ。
そして、円卓。円卓には6人の悪魔が座っていた。
その悪魔の中には俺達の事を睨む者も居れば、
溫かい目で見ているもいる。
俺はそのの一人の事を知っている。
銀髪で紫目――大魔王エリルスだ。
本當ならエリルスの記憶を辿れば他の悪魔の事もわかるが、
今の俺にはそんな力が無かった。
「やっぱりソラだったんだ~!」
と、エリルスが場違いなテンションで喋った。
すると、黒髪でが青白い男悪魔がエリルスに問いかけた。
「大魔王様、この人間下等種族と知り合いなのですか?」
その言葉を聞いたエリルスは一瞬で円卓の上に立ち、
黒髪でが青白い男悪魔の頭を鷲摑みにして持ち上げた。
予想外のエリルスの行に他の悪魔達も驚き、
俺から目を逸らしエリルスの事を見ていた。
「貴様、口を慎め。
次、出過ぎた事を言ったら殺すから。」
先ほどまで場違いのテンションだったエリルスが真面目にそんな事を言ってて、俺は驚いた。
本當のエリルスってあんなに怖いのか、
流石大魔王……
エリルスは黒髪でが青白い男悪魔の悪魔の頭を離し俺の近いまで來た。
そして、俺の無くなった左肩を見て場違いのテンションで言った。
「その肩誰にやられたの~?
まさか、あの王だったり~」
「いや、これは……激戦の代償だよ。」
「激戦?何と戦ったの~?」
「デッゴス火山でケルベロスと戦った。」
「ケルベロス!?それは、大変だったね~。
それで、今日は遊びに來てくれたの~?」
「いや、今日は――」
俺は魔王城に來た目的を話した。
大魔王の加護の事、魔眼の事、記憶の事。
「そっか~。
加護と記憶の事は後にして早速戦おうか!~」
エリルスがそういった瞬間他の悪魔達が慌て出した。
恐らく、エリルスが戦うと言って焦っているのだろう。
「いや、それはちょっと無理だ。」
「なんで~?」
「今の俺は見ての通りボロボロだ。それにもう力が限界に近い……」
「う~ん~、そうだ!
ローズ、ソラの力を回復させて~。
ヴェラは創造クリエイトでソラの左肩から下を全部作ってあげて~
絶位級のやつね~。」
「わかりました。」「はっ!」
金髪でグラデーションカットで目がし垂れ、
瞳のも黃金の悪魔が俺の目の前に來て、『元気になぁれ!』と言った。
すると俺の力はあっという間に完全回復した。
恐らく、この悪魔がローズだろう。
俺は力が戻ったのをじて、
関心しつつもローズにお禮を言った。
「ありがとうございます!」
「ふ~ん、悪魔に対してお禮か……なかなかいい子だね。
大魔王様が気にるのもわかるかも。」
ローズはそう言いながら戻っていった。
すると次は赤のグラデーションのボブカットで瞳のも赤の悪魔が俺の前に來た。
恐らく、この悪魔はヴェラだろう。
「貴様の名前は?」
「……ソラ=バーゼルド。」
俺は高理ソラと言いそうになったが、名前が変わった事を思い出し、
しっかりとソラ=バーゼルドと名乗った。
ソラ=バーゼルドと言った瞬間他の悪魔達がザワザワとしだした。
すると、目の前のヴェラがエリルスの方を見て質問した。
「大魔王様、名を授けたのですか?」
「うん、そうだよ~。」
「なっ!……そうでしたか。」
ヴェラはそう言って、
再び俺の方を向いた。そして――
「ソラ=バーゼルド。
これから貴様の左肩から下を創りだす。」
創り出すって……
どういう事だ?
ヴェラはそう言って真っ黒な塊を出した。
そして、それを俺の無くなった左肩の傷口に付けようとしたが、
それは漆黒の炎によって消滅した。
それはヤミが一時的な処置として宿してくれた漆黒の炎だ。
「っ!今のは……」
ヴェラはヤミの事を見た。
「そうか、貴様の仕業か……なかなか良い腕をしているな。
その炎を解除してくれないか?
ローズが回復してくれたからもう大丈夫なはずだ。」
「……わかった。」
悪魔って凄いな、
今のだけでヤミだと分かったのかよ。
そして、ヴェラは再び真っ黒な塊を取り出し、
俺の無くなった左肩の傷口に付けた。
するとその真っ黒な塊は形を変え、肩、腕、手になった。
は真っ黒で、のように赤い線が何本か刻まれていた。
俺は驚きつつもかしてみることにした。
まずは左肩をあげ次に腕を振り、
最後に手を開いたり閉じたりした。
「すごい……ありがとうございます!」
俺はしっかりと脳で命令した通りにく事関心しながらしっかりと禮をした。
「ちなみにそれはソラ=バーゼルド専用の絶位級のアイテムだ。
お前の気持ちが強ければ強いほどそのアイテムはお前に力を與える。」
ヴェラはそう言って戻っていった。
そして、ヴェラが席に著くとエリルスが喋りだした。
「よし、じゃあ戦おう~
一応場所をかえるね~」
エリルスがそう言うと一瞬で周りの風景が変わった。
そこは建造が一切無く枯れた木しか無い――ディ・ノデルだ。
そして、そこにはあの部屋にいた全員がいた。
俺はヤミとスラをで行って來る。
と言ってエリルスの方を向き、武を抜いた。
エリルスは他の悪魔達に手を出すなと言って此方を見た。
「じゃあ、戦おうか~
もし~ソラが死んじゃっても復活させてあげるから安心してね~」
「ふっ、死んでもしらないぞ!
行くぞ――強化リインフォースメント・ボディ」
俺は強化リインフォースメント・ボディで全を強化し、
エリルスに向かって走りその勢いのまま右手の短剣で斬りかかった。
だが、エリルスはそれを摑み、止めた。
「なっ!?」
流石大魔王だ……
だが――っ!
「速いね~でも~
まだまだかな~きゃっ!」
エリルスが喋っていたが、俺はそんなのお構いなしに左手の短剣でエリルスの頬を斬った。
そして、摑まれている短剣を抜き、距離を取った。
「ひどいなあ~意外と痛いんだよ?」
「じゃあもっと痛がれよ。」
エリルスはそう言っているが、先ほど俺が斬った頬の傷は既に治っている。
俺はそんな事を気にせずに再びエリルスに突っ込み、斬りかかった。
それをエリルスは先ほど同じように止めた。
だが、俺はこうなる事を予想していた。
そして、功するかどうかはわからなかったがスキルを発させた。
「――我が剣に宿え!闇魔法ダークネス・ソーサリー」
すると、俺の短剣に漆黒の炎が宿った。
短剣を摑んでいたエリルスの手は燃え、消滅した。
さらに俺は斬りつけようとしたが――エリルスが消えた。
「何処だ?」
「なんなの~その炎、ちょっと強すぎない?」
俺は後ろから聲が聞こえたので振り返った。
すると、そこには手が治ったエリルスが立っていた。
俺はそんなエリルスを見ながら、どうやったら倒せるか考えていた。
すると、エリルスが――
「そろそろ~攻撃開始するね~」
「え、ちょ!」
と言って、周りの枯れた木を浮かせ、俺に向かって飛ばし始めた。
枯れた木は凄い速さで此方に迫ってきた。
俺はそれを必死に避けた。
「ほらほら~しっかり逃げないと死んじゃうよ~」
「くそっ!」
エリルスは楽しそうにそう言いながら枯れた木を飛ばしている。
俺は避け続けた。
「やるね~それじゃあ、これはどうかな~?」
エリルスはそう言って、大量の枯れた木を一斉に飛ばして來た。
俺は流石に避けきれないと判斷し、咄嗟にスキルを発させた。
「重力作グラビティ・コントロールっ!」
俺がスキルを発すると、大量の枯れた木は一斉に地面に落ちた。
その景を見て俺は思い出した。
確か俺が怒り狂っている時――
「やるね~!じゃあこれはどうかな~?」
エリルスは頭上に氷、炎、水、闇、。の弾を出現させた。
氷、炎、水、闇、の順番で俺に飛ばしてきた。
俺は氷の弾を避けたが炎の弾が直撃し、
衝撃でその場に倒れてしまい、水、闇、の弾が俺を襲った。
幸い、俺は強化リインフォースメント・ボディを発していたため、
弾は通らなかったが、所々からが出ていた。
「おお~耐えたね~じゃあ――」
「させねえよ!――重力作グラビティ・コントロール!」
俺はケルベロスに留めを刺した時のことを思い出し、
エリルスのの臓等に重力を掛け、潰した。
――ブシャー
エリルスは口からを噴出し、地面に倒れた――が、
がエリルスのに戻っていきエリルスは何事も無かった様に起き上がった。
「いや~まさかそんな技があるなんてね~驚いたよ。」
くそ!これでも倒せないのか……だったら――
俺は漆黒の炎を消し。
エリルスに突っ込み斬りかかったが、
またエリルスによってそれは止められてしまった。
そして、俺は左手の短剣で斬りかかったが、
エリルスはそれをもう片方の手で摑み、止めた。
だが、これは計畫通りだった。
「またこれ~?好きだね~」
「それはどうかなっ!」
俺はエリルスに摑まれている短剣をはなし、
エリルスに近づき――
「――強化リインフォースメント・ボディ」
強化リインフォースメント・ボディを左手だけに集中してかけ、
その左手でエリルスのお腹を突き刺した。
「っ!何をするき――」
「――終わりだっ!」
俺はニヤリと不気味な笑みを浮かべ、そうんだ。
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