《勇者になれなかった俺は異世界で》會議とソラ
俺はこの前エリルスと魔王達が集まっていた
魔王城の円卓がある部屋に転移した。
その部屋に転移し、まず目にったのは驚いた様な顔をして此方を見ている
ヴェラの姿とスキンヘッドで顔の彼方此方に傷があり、
隻眼の男悪魔――確か名前はウィルライアと言って、
主に作戦を考えている魔王の一人だった気がする。
ヴェラとウィルライアそれと俺とローズで四人か、
隨分とないな。
會議があるって言ってたから此処かなって思ったんだけど違ったか?
それともまだ來てないだけか?
そして、次に目にがってきたのは円卓だ。
一見、前に來た時と余り変ってない様に見えるが、
よく見ると円卓の周りにある椅子の數が一席増えている。
魔王五人の席と大魔王のエリルスの席、あと一席は……俺の席か。
確か昨日エリルスが一人分の席なら用意出來るって言っていたな。
やっぱりここで會議するのは間違いない様だな。
「本當に転移が使えたんですね凄いです。
実は私も使えましたが……手間が省けました!」
ローズが目をキラキラと輝かせてそう言ってきた。
こいつ魔王のくせに凄く可いな。
まぁ、そんな事よりこいつは俺が転移使う前に
『転移使えるんだ、流石だね』と言ってきたのに今は
『本當に転移が使えたんですね』
って俺のこと信じていなかったって事か?
それに、ローズも転移が使えたのかよ……まぁ、よく考えたら當たり前か。
魔王城からナナリア村まで1日で來るなんていくら何でも早すぎだからな。
「おいソラ、何故此処にいる!」
今まで驚いた様な顔をして固まっていたヴェラが我に帰り、
何故か怒鳴ってきた。
「何故ってそりゃ、會議に出る為だ。」
「會議?……ああ、神共がき出した事のか。
でも何故ソラが會議に……?」
この反応は俺が來るってこと全く知らなかった様だな
……普通こういう事って伝えとかないか?
あのエリルスの事だからどうせ『伝え忘れてた~』とか言うんだろうな。
「俺は――」
「ああ、そうか!確かソラは『神に復讐』するんだったな。それなら納得だ。」
おお、ちゃんと覚えてるのか。
「その通りだ。」
ヴェラとの會話を終え、俺は空いている席に座った。
ヴェラはローズと何やら武の在庫などの面倒くさそうな話をしていたので
俺は出來るだけ聞かないようにし、
部屋の裝を眺め気を逸らしていると、
ヴェラの隣に座っているウィルライアが俺の事を興味深そうに見てきた。
初めは、チラチラと見てきてたが、
徐々に凝視され、流石にムズムズして來たので此方から
ウィルライアに話し掛けることにした。
「何か用か?」
「おっと、気が付いていたか。」
ウィルライアの聲を聞くのは初めてだが見た目通りの聲でし安心した。
それにしても、こいつはあんなに見て來ていたのに
気が付かないとでも思っていたのか?
こいつは作戦を考えている魔王なんだろ?
こんなんで大丈夫なのか……。
「あんなに見られたら普通気が付くぞ。
で、何か用なのか?」
「用という程の事では無いが
……しお前さんに興味があってな。」
き、興味だと!?こいつは危険だ!
俺の本能がそう言っている気がする!
「おいおい、何をそんなに警戒してるんだ。
興味と言ってもアッチの方じゃないからな。」
「何だ、安心した。」
俺はふぅーと息を吐いて警戒を解き力を抜いた。
アッチの方の興味じゃないとしたら
一こいつは何に興味があるんだ?
そう考えているとウィルライアが説明しだした。
「興味と言うのは、大魔王様とヴェラがお前さんの事を
かなり気にっている様だからお前さんの何処に
そんな魅力が有るのかって事だ。」
「俺ってそんなに気にられてるのか。」
「ああ、それはもう日常生活に支障をきたす程にな。」
日常生活に支障って流石に噓臭いな。
それにしてもヴェラの日常生活ってどんなじなんだろうな。
ちなみにエリルスの日常生活は記憶によれば
……食べる、寢る、遊ぶの三連コンボだ。
あっ、でもたまに魔王城の周りを見回るらしい。
……こんなんでいいのかよ大魔王。
「そんなになのか、流石に言い過ぎじゃないのか?」
「いやそうでもないぞ。
この前だってし用事があって大魔王様に話し掛けたら
ずっとお前さんの話を聞かされて全然本題にれなかったぞ。
ヴェラだって何時もなら稽古ばかりだったが
最近では大魔王様と一緒にお前さんの話ばかりしているぞ。」
そんなに気にられてるのか……
嬉しいけどそんなに気にられる様な事なんてしてないんだけどな。
「そんなに気にられる様な事なんてしてないぞ。
それに俺には何の魅力も無い。」
「なるほど、無意識系か。
そうだな……無意識ならやはり観察するのが一番いいな。」
うわぁーまじかよ。
こんな厳つい顔の魔王にずっと凝視されるのかよ。
嫌だなー。
――ゴゴゴ
俺がそんな事を思っていると、
突然扉が床とれ大きな音を立てて開き、
部屋の中に二人の魔王がってきた。
右から――黒髪でが青白い男悪魔。
名前はグウィンと言って、
悪魔達の指揮を取っている魔王の一人だ。
こいつは俺の事を下等種族と言ってエリルスに頭を鷲摑みにされると言う
なかなかインパクトがあったのではっきりと覚えている。
次に、青の髪をしショートでおっとりとしている目をし、
瞳のも青の悪魔――名前は確かメリキアと言って、
エリルスの護衛をしている魔王の一人だった気がする。
「ソラ様っ、この前はごめんなさい!!」
グウィンは俺と目が合うと同時に頭を下げ謝ってきた。
俺は突然の事で何の事を謝っているのか理解出來なかったので
聞いてみることにした。
「何のことだ?」
「この前はソラ様の事を下等種族呼ばわりしてしまった事です。」
「別に気にしてないから良いよ。」
「おお、ありがとうございます。」
……何だこいつは!!この前とは全然雰囲気が違うし、
第一魔王が人間に謝って良いのかよ。
こいつにプライドは無いのか?
まぁ、悪くない気分だけど。
「所で貴殿は何故この様な所に?……あの、貴殿?」
メリキアがそう言っていたが俺の事をとは思わず、
無視していたらメリキアが困った表で俺の顔を覗き込んで來て
やっと俺の事だと理解した。
それにしても貴殿って……。
「エリルスに呼ばれて會議に參加する事になったからよろしく。」
「ほう、なるほど。宜しく願い申す。」
何か堅苦しい魔王だな。
グウィンとメリキアが空いてる席に座り、
殘りはエリルスの席のみとなった。
魔王達は世間話やらなんやらで々と盛り上がっていた。
俺はそんな會話を聞き流しながらボケーとする事數十分。
――ゴゴゴ
再び扉が床とれ大きな音を立てて開き、
部屋の中に大魔王エリルスがってきた。
エリルスがってくると同時に魔王達は一斉に椅子から立ち上がり頭を下げた。
俺はそんな景を見て、
し驚いたがエリルスはそんな事は一切気にしないで俺に笑顔で手を振ってきた。
「流石ソラだね~我よりも早く到著するなんて~。」
エリルスはそんな事を言いながら
空いている最後の席に向かった。
我よりも早くってエリルスは遅すぎだろ。
エリルスが席に座ると同時に悪魔達は頭を上げ、席に座った。
すると、魔王達が真剣になり先程とは全く違う空気になった。
「これから會議を始めるね~」
おいおい、こんな空気なのにどうしてそんな口調で話せるんだよ。
もうし空気読め。
「會議の容は~皆も知ってると思うけど神様達が~
リザリル王國に集まって來てるんだよね~
絶対に何か起こりそうだから今回はそれをどうするかを考える會議だよ~。
何か意見や質問はある~?」
「確かに何かは起こりそうですが、
どうしてリザリル王國に集まって來てるのですか?」
ヴェラが珍しく敬語らしく喋ってる!
流石のヴェラでもエリルスには言葉遣い気を付けてるんだな。
「ん~それだよね~。」
「確かリザリル王國は勇者召喚を行っていた様な気がするのですが、
しは関係が――」
勇者か……ん?待てよ、
俺が勇者をボコボコにした夜に神共はリザリル王國に集まって來てる
……いくら何でもタイミングが良すぎだ。
王に俺が生きていると言う報がれば間違い無く王の格から考えて、
何としても俺の事を殺そうとするはずだ。
そして、王と神は繋がっている
……つまり狙いは俺か。
「ん~狙いは何だろうね~。」
「狙いは間違い無く俺だ。」
「どういう事~?」
「簡単に言うと――」
俺はざっくりと理由を説明した。
「なるほど~確かにタイミングが良すぎるね~
これはソラ狙いで確定かな~」
「なるほどな、お前さんが狙いって訳か。
で、どうするんだ?
俺は大魔王様の指示に従うが、
お前さんはどうするんだ?」
神共が俺を狙って攻めてくる……
本來なら王、神の順番だったがいいや。
正直、神を探すのは面倒だったし、
これは願っても無いチャンスだ。
やっとあのムカつくショタ神に復讐出來るんだ。
どうするかって?そんなの決まっている。
そして、それを邪魔する奴は全員――
「――皆殺しだ。」
俺はやっと復讐出來ると思ったら自然と口元が緩み、
不気味な笑みを浮かべてそう言った。
「「「「「――ッ!?」」」」」
俺が皆殺しと言った瞬間
先程まで真剣な表だった魔王達が何やら怯えたような表をして
此方を見て來ていた。
俺はそんな景を見て不思議に思っていると
エリルスがいつも通りの口調で説明してくれた。
「ソラ~無意識かもしれないけど殺気が凄く出てるよ~
そんな殺気だしたら皆らしちゃうよ~
は~い~深呼吸~」
「殺気?そういえばそんなスキルもあった気がするな、
無意識に使っていたのか。」
俺は大きく深呼吸して殺気を収めた。
「ソラが戦うなら我々も一緒に戦うよ~
勿論悪魔の全戦力を使って全力で戦うよ~」
「お、そうか!それは助かる!」
「皆~どうかな~」
「私達は大魔王様についていきます。」
「全員了承だね〜。
じゃあ迎え撃つ場所は此処にしようか〜。」
魔王城で戦闘か。何だか最終ラスボス戦みたいでワクワクするな。
「わかった。」
「よし~決まりだね~
皆戦闘の準備忘れずにね~解散~」
「じゃあ、俺は仲間を連れて明日にでも來るよ。」
「わかったよ~
早く來てね~。」
エリルスとの話し合いを終え、
俺はとある事を思い出したので、
ヴェラに話し掛けることににした。
「なぁ、ヴェラ」
「何だ?」
「前に言ったアイって悪魔の事なんだけど。」
アイ=ノールディ。
學園の混浴で出會ったが大きい悪魔の事だ。
「ああ、あいつの事か。頑張って特訓してるぞ。
初めてだがあいつにあった時はいきなり気絶されたから
々と大変だったが。」
そりゃ、いきなり魔王が會いに來たら誰でも驚くだろうな。
それより、ヴェラがちゃんと會いに行ってくれてて安心した。
「何だ、會いたいのか?」
アイだけに『アイ』たいってか――おっと。
「いや、今日はいい。
どうせ明日も來るからその時に會うよ。」
「そうか。」
「ああ、じゃあ俺は帰るよ。
また明日。」
「ああ。」
ヴェラとの話を終え俺は直ぐに転移を使って
ナナリア村の村長の家の中に帰った。
家の中にはヤミ、ライラ、スラ、ノイがぐーたら
してて俺の存在に気が付くと一斉に凄く興味深々そうに
何があったのかを聞いてきた。
「待て待て、話すから取り敢えず結達の事も集めてくれないか?
集合場所は――ここじゃ狹いから外の大きな巖の周りで。
あっ、あと一応ゴリラも呼んできてくれ。」
ゴリラは勇者達に顔を見られているから襲われるかもしれないし
最悪の場合この村が……萬が一の事を考えて……
そうだ、ゴリラには芝居をしてもらおうかな。
まだあいつは勇者達に手を出してないから
俺に脅されてた事にすれば何とかなるだろ。
「わかりました。私とノイで結さん達を呼んできます。」
「そうか、頼んだぞ。」
「しょうがないなぁー」
スラとノイが結達を呼びに外のに出て行き、
俺はヤミとライラと一緒にそれに続くように外に出た。
【書籍化&コミカライズ】私が大聖女ですが、本當に追い出しても後悔しませんか? 姉に全てを奪われたので第二の人生は隣國の王子と幸せになります(原題『追放された聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~』
☆2022/11/4 スターツ出版様 ベリーズファンタジーより発売予定です☆ 改題「私が大聖女ですが、本當に追い出しても後悔しませんか? 姉に全てを奪われたので第二の人生は隣國の王子と幸せになります」 ☆2022/6/12 白泉社マンガpark様にてコミカライズです☆ 原題「聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~今の生活が楽しいので、迎えに來られても帰りたくありません!~」でコミカライズ中です。 リアは九歳のとき、十二歳になる姉プリシラについて神殿に行く。そこで、姉妹ともども聖女と認定されてしまう。 この國ではひと家庭で二人以上聖女認定された場合、一人を差し出さなければならない。両親は聡明で美しく魔法を使えるプリシラを手放すのが嫌で、迷わず妹のリアを差し出した。 神殿に召し上げられたリアは聖女候補として厳しい修行を積み、六年後晴れて聖女となる。神殿の聖女の中でも、最も強い神聖力をもつリアは、神託により王太子の婚約者となった。 リアは金髪で美しく優しい王太子に淡い戀心を抱く。しかし、順風満帆に見えた將來に陰りが生じはじめた。 アリエデ王國の最北にある黒の森で魔物が大量発生したのだ。リアはこの國の聖女として討伐隊に參加しなければならない。王都と愛しい王太子に別れを告げ討伐隊とともに旅立った。 そして二年にわたる戦いののち、魔物の封印をなしとげ、王都に凱旋するはずだった。 だが王都に帰ったリアを待ち受けていたのは同僚聖女と戦友のうらぎり。 王太子との婚約もいつの間にか破棄されていて、新たに姉のプリシラが護國聖女の名を冠し、王太子の婚約者におさまっていた。 魔物討伐を長引かせた責をおわされ、役立たずの聖女として國を追放されたリアは、西側の隣國との緩衝地帯である惑い森へ捨てられる。そこにたくさんの魔物が巣食っていて……。 森をさまよううちに彼女は、魔獣に襲われた瀕死の金髪美青年を拾う。 ≪全51話予約投稿済み! 毎日18時ごろ更新予定≫ 流行りの追放聖女テンプレのつもり。聖女は無自覚でざまぁ(予定)します。題そのものがあらすじです。足の不自由な人が出てきます。タグ注意、地雷のある方はお逃げください。 誤字脫字報告ありがとうございます!!
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