《勇者になれなかった俺は異世界で》大魔王と悪戯
大魔王デーグ、大魔王オヌブ、大魔王イガリ、大魔王クロン、大魔王フモア、大魔王ポワ、
大魔王カタリナ、大魔王ケイル、大魔王コンウ――そして大魔王エリルス。
計10名、大魔王全員が集まり向かうのはリーン王國。
雲の上をまるで地上の様に平然と歩きながら進む大魔王達。
「まさかエリルスも來るなんてな」
不機嫌顔の大魔王イガリが一人楽しそうにルンルンと
スキップをしているエリルスに向かってそう言った。
「ん~確かめたい事があるからね~」
エリルスは大魔王會議でリーン王國に行くと言う事が決まったと言う事を
部下から聞きある事を思いついたのだ。
それは、ソラに対して嫌がらせをすると言う事だ。
何故、そんな行に出るのか、答えは簡単だ。
(真っ先に我に會いに來ないなんて悲しいな~考えがあるんだろうけど~)
てっきり直ぐにでも會いに來てくれるとばかり思っていたのだが、
実際は未だにリーン王國に滯在していると言う。
ソラの事を分かっているつもりのエリルスは何か考えがあっての行なのだろうと
分かってはいるのだが、リーン王國に行く機會が出來てしまったのならば、
非常に仕方がなくが痛むのだが……ソラにこの不満をぶつけてやりたい。
と言う事だ。
「確かめたい事とは?」
お喋りさんのデーグは何か気になったら直ぐに口を出してしまう為、
今回も直ぐに首を突っ込んできた。
「ん~ちょっとね~」
「え、教えてくれないのですか」
「だよ~」
エリルス以外の大魔王達の目的はあくまで偵察だが、
彼だけはソラに嫌がらせをしに行くと言う別の目的の為、
そう簡単に口に出すわけにはいかないのだ。
「そうですか……」
お喋りのデーグでも彼がだと言ったらそれ以上口を出すことは出來ない。
他の大魔王達もそれは例外ではない。
遙か昔、大魔王は11名いたのだが、そのうちの一人がエリルスがと言ったことに
しつこく聞いた事があるのだが、あまりにもしつこい為エリルスが怒り、
その大魔王を殺してしまったと言う事件があるため皆気を付けているのだ。
そして、リーン王國の上空に辿り著いた大魔王達はゆっくりと高度を下げ始める。
雲よりも低い位置に行くとリーン王國を上から見下ろすことが出來る。
沢山の人がいる商店街もこの高度からではミジンコレベルだ。
大魔王達はこの距離からでも人の顔を確認する事も可能なので、これ以上高度は下げない。
あまり下げ過ぎると面倒事になるからだ。
これぐらいの高さならばある程度の実力があるものでしか気付かない。
結界も張っているが、流石の大魔王達でも無暗に近付いたりはしない。
「さてさて」
これから大魔王達が探すのは魔王リリをボコボコにした犯人だ。
何の手掛かりも無い為、取り敢えず力がある者を選定していく。
普通なら頭が痛くなる作業だが、大魔王達――それも10名も居ればそんな事は直ぐに終わる。
あっと言う間に數百人程度に絞る事が出來た。
「この中にいるのですね」
「一どんな奴なんだろうな」
犯人を絞り込んだと思っている大魔王達だが、その中にソラの姿は無かった。
それに気が付いているのはエリルスとオヌブのみ。
二人以外は一生懸命に數百人の中から選定して行っている中、
大魔王エリルスは一人の年に目を付けていた。
「み~つけた~」
その目線の先には昔とは姿形が変わった小さなソラの姿があった。
姿が変わっているが、ソラの魂が宿っているため直ぐに彼だと分かった。
笑みを浮かべるが、その表はのモノではなく、大魔王そのものの表だった。
あらゆるを乗せた笑みだが、他の大魔王達は気付いてはいない。
そして、エリルスは徐に腕を振り上げた。
「ん?エリルス、お前何を――」
「ど~ん!」
他の大魔王がエリルスの頭上に溜まる魔力に気が付き聲を掛けたのだが、
時既に遅く――彼は腕を振り下ろし巨大な魔力の塊をソラに向かって放った。
「お前!?何をしているんだ!!」
當然だが、抗議の聲が上がる。
それもそのはずだ、エリルスが放ったのは國が一つ滅ぶ規模の魔力なのだから。
決してソラに危害を加えようとしている訳ではない。
彼は彼に憑いているモノ達の実力を信じこの攻撃を加える。
これは彼なりの悪戯のつもりだ。
「大丈夫だよ~気にしないで無意味な事を続けると良いさ~」
巨大な魔力が迫っているとも知らずに冒険者ギルドの中にっていってしまったソラ。
エリルスが放った魔力の塊はそんな事お構いなしに落ちて行く。
このままでは冒険者ギルドに當たり魔力が拡散し國全が滅んでしまう――
だが、冒険者ギルドにぶつかる寸前で見えない何かにそれは弾かれた。
「!?」
てっきり國が無くなるとばかり思っていた大魔王達はその景を見て口をポカーンと開けていた。
弾かれた魔力はしっかりとエリルスの下へと帰っていき、彼のに吸収される。
予想通りの結果に彼は普通の笑みを浮かべて満足そうに頷く。
「何が起こったんだ?」
大魔王の誰もがそう思い、何者かの仕業なのは間違いない為、
魔眼を使い周囲を見渡し始めた――
只、一人だけ、エリルスの視線は冒険者ギルドに向いており
その先には何故か骨が一本だけ転がっていた――
「おい、エリルスお前何か知っているだろ?」
「……」
「こればかりは答えてもらわないと」「エリルス」「何を隠している?」
大魔王達からエリルスに向けて様々な聲が発せられる。
深く追求するとまた誰かが犠牲になる危険はあるのだが、今回のはそれでも知りたいのだ。
先ほどの件と魔王リリの件、もし同じ人が犯人ならば、それは早急に手を打たなければいけなくなる。
大魔王の技を弾く相手だ、放置していたら危険だ。
「は~もう~うるさいな~」
「おい、待て――」
何を思ったのかエリルスは凄い速さで地上へと落下して行った。
【書籍化】斷頭臺に消えた伝説の悪女、二度目の人生ではガリ勉地味眼鏡になって平穏を望む【コミカライズ】
☆8/2書籍が発売されました。8/4コミカライズ連載開始。詳細は活動報告にて☆ 王妃レティシアは斷頭臺にて処刑された。 戀人に夢中の夫を振り向かせるために様々な悪事を働いて、結果として國民に最低の悪女だと謗られる存在になったから。 夫には疎まれて、國民には恨まれて、みんな私のことなんて大嫌いなのね。 ああ、なんて愚かなことをしたのかしら。お父様お母様、ごめんなさい。 しかし死んだと思ったはずが何故か時を遡り、二度目の人生が始まった。 「今度の人生では戀なんてしない。ガリ勉地味眼鏡になって平穏に生きていく!」 一度目の時は遊び呆けていた學園生活も今生では勉強に費やすことに。一學年上に元夫のアグスティン王太子がいるけどもう全く気にしない。 そんなある日のこと、レティシアはとある男子生徒との出會いを果たす。 彼の名はカミロ・セルバンテス。のちに竜騎士となる予定の學園のスーパースターだ。 前世では仲が良かったけれど、今度の人生では底辺女と人気者。當然関わりなんてあるはずがない。 それなのに色々あって彼に魔法を教わることになったのだが、練習の最中に眼鏡がずれて素顔を見られてしまう。 そして何故か始まる怒濤の溺愛!囲い込み! え?私の素顔を見て一度目の人生の記憶を取り戻した? 「ずっと好きだった」って……本気なの⁉︎
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