《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第三十話 王都での生活

陛下や父上にステータスがバレてしまってから一ヶ月が経過したが、変わらない生活を送っていた。

相変わらず、陛下には王城へ呼ばれリバーシの相手をしていた。

リバーシについては、未だにエリック公爵には勝てないそうだ。

そして近衛騎士団長のティファーナについては、家からもなぜかお許しが出たそうだ。今度王都へ來るときに紹介してくれと手紙できたそうで、ますます勢いがついてしまった。

陛下もその手紙を見て、仕方なく婚約者になることを認めた。

父親のガルムについては「もう何も言わん。好きにしろ」とだけ言われただけで諦められているみたいだ。

肝心のカインは認めていなかったが、陛下と父上が認めたことにとり正式に決まってしまった。

発表はカインが學園にった10歳を過ぎてからとなった。

そして今カインは王城の一室で紅茶を飲んでいる。

目の前には、テレスティアとシルクがいる。

シルクはいつも通りだったが、テレスティアは真剣な眼差しでカインを見ている。

「カイン様、なぜ、ティファーナ騎士団長と婚約になっているのですか」

冷たい視線でテレスティアが責めてくる。

「騎士団長と模擬戦をしたらそうなってしまいました……」

カインは力なく答える。

「カインくんだから仕方ないよね~。人する間に何人になってることやら。私はテレスと一緒だし、楽しいからいいけどね。うちの父も三人いるし」

シルク嬢はそこらへんは寛容みたいだ。

「お父様からは十歳で學園に學したら、正式に婚約を発表すると言っておりましたから、あまり婚約者を増やすようなことをしないでくださいね」

「……わかりました」

カインは頷く。

お茶會も終わり、王城からの帰り道、出口に向かって歩いているとティファーナと會った。

「カイン! いいところにいた。一緒に模擬戦しようしあおう!」

カインは會うたびに戦いを求められていた。ティファーナは結構な脳筋だったらしく、ダイムが副として騎士団をまとめているそうだ。その理由がティファーナといることが多くなって良くわかった。

まだ五歳ということもあり、そのままティファーナに擔がれて連れて行かれる。訓練している騎士はいつもの通り、かわいそうな目をカインに向けている。

知らない人からみたら、騎士が子供を攫っているようにしか見えないからだ。

そしていつも通り訓練場で五歳の子供と騎士団長が剣を構え向き合っているのだ。

「またカイン男爵が攫われてきたぞ」

休憩中の騎士たちが話している。日課となってしまい、誰も驚かなくなってしまっていた。

カインはステータス的には十分優位にあるため負けるようなことはないが、カインも剣技の練習になった。稱號にもティファーナと同じ剣聖がいつの間にかついていた。

ティファーナの剣技も剣聖の稱號をもっているので次第に上達していった。二人の模擬戦は他の騎士たちには目で追うことも出來ないスピードで行われていた。

一時間ほど模擬戦デートを行い、ティファーナがバテたところで終了をする。他の騎士たちに挨拶したあと王城を出た。

「ふぅ。ティファーナも強くなってきたなぁ」

心しながらカインは王城を出たあとにし、貴族街を抜け商業街に向かった。

カインがアイデアを出し、製造、販売を委託しているサラカーン商會へ向かうためだ。

定期的にアイデアを出して、商品化している。今までにリバーシ、シャワー付洗浄トイレなどを売り出してもらった。ヴェネチアンガラスについては、作れるのはカインのみなので委託販売としている。販売した商品はかなりの売れ行きとなり製造場所も商會も潤ったようだ。

「もう、カイン男爵には足を向けて寢れませんよ。このままパルマを店で修行させようかと思ってましたが、資金にもかなりの余裕ができ従業員を雇うことができました。十歳になったら學園に通わせようと思ってます。カイン男爵のと同じ年になりますので々とよろしくお願いします」

タマニスさんだ。パルマも店番をし帳簿をつける練習をしながら學園にるために勉強もしているとのことだ。

「カイン様、これからもよろしくお願いします」

そうパルマに上目遣いで言われると、つい承諾してしまう。ちなみにまだ貓耳はらせてもらってはいない。

タマニスさんとパルマに挨拶をし、馬車に乗り自宅のある屋敷に戻った。

カインは書斎にり、陛下から預かっている魔法書を開いていく。もちろん帝級魔法書だ。

「日本語で書いてあるから読めるのは僕だけだけど、この本のせいでバレちゃったからな」

ため息をつきながらページを捲っていく。

魔法書には日記をえながら魔法の説明が書いてあった。日記部分を見ながらわかったことがいくつかあった。

この日記を書いたユウヤ・テラ・ヒラサワ・エスフォート初代國王は日本で事故に合い、死んだと思ったらこの世界にいたそうだ。冒険者となり名を上げていき、勇者と言われるようになり國を興したということだった。

「転生者ではなくて、転移者だったんだ。もしかしたら他にもいるかもしれないな」

そう心に止めた、カインであった。

◇◇◇

神界では七神がそろってスクリーンを見ていた。

「ほら。やっぱり加護Lv.10なんてあげたから大変なことになったじゃない」

魔法神レノが創造神ゼノムに食って掛かる。

スクリーンには、國王たちにステータスがばれたとこが映し出されていた。

「いいのじゃ。まだまだこれくらいでは足りんくらいじゃわ。もっと強くなってもらわないとな」

「そこまで強くして何か意図があるのか?」

ゼノムの答えに武神サーノスが問いかける。

「そうじゃ、まだ十數年は平気だとは思うが、アーロンの封印が解けそうなのじゃ」

「「「「「「アーロン!!!!」」」」」」

ゼノム以外の神々が驚く。

「下界に落ちておるからのぉ。わしらではなんともできん。だからカインに相手してもらおうかと思ってのぉ」

「ア、ア、アーロンが出てきたら、また世界が大変なことに・・・・・・」

ライムが震えている。

「そうじゃ、三百年前はあやつが早い段階で封印してくれたから、被害がなくて良かったが今度はどうなるやら」

「それならもっと強くなるように、今度教會に來たときにいいましょう。アーロンが復活したらせっかくの実りある土地がまためちゃくちゃになってしまうわ」

大地神ベラがそう言う。

「うむ。今はまだいから十歳になったら本格的に鍛えようかとおもっとるわ。ちょうど師匠になりそうなやつがあそこに篭ってるじゃろ」

「たしかにあの子ならこれ以上ないくらい適任ですね。冒険者にもなるつもりだし、そこで修行をつけさせましょう」

知らない間に神達に方針を決められていたカインであった。

そして數年の月日が経ち、カインは十歳となった。

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