《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第一話 冒険者登録

カインは十歳になった。長は百五十センチ程度までび、銀髪を綺麗に揃え母親のサラに似てなかなかの年になっていた。

「やっと冒険者登録ができる」

カインは一番の笑顔で呟いた。

「さっそく冒険者登録するんですね?」

カインに聲を掛けてきたのはシルビアだ。シルビアはかなり大人びてきた。

産まれたときからついててくれて、十二歳からメイドとして働いてもう十年になる。

「うん。そうだねっ! 楽しみにしてたんだ」

革鎧を著て、剣を腰から下げる。

「気を付けてくださいね。誰にも負けるとは思いませんけど」

シルビアは家の庭につくった訓練場で練習しているところを良くみていたので、カインの強さをよくわかっていた。最初のときは腰を抜かして驚いていたが。

「頑張ってくるよ!」

カインはシルビアに手を振り敷地の門を潛って街中へ向かう。

冒険者ギルドがあるのは外壁近くとなっている。

倒した魔の素材を王都の奧まで運ばれても困るので、どこの街でも外壁付近に設置されているのだ。

街中を歩いていると、店や屋臺が並んでおり賑やかな通りを抜けていく。

途中で串焼きを一本買って食べながら歩いていった。

冒険者ギルドは盾に剣をクロスさせた看板が目印となっており、どこの街でも共通になっている。

メイン通りにギルドはあるので早々に見つけ、扉を開き中にる。さすが王都のギルドなだけあり、グラシア領よりも大きな建になっていた。

付が正面に十ほど並んでおりグラシア領より多く、左側の飲み処も賑やかになっていた。

空いている付の前に立ち順番を待つ。やはり並んでいる冒険者達は大人が多く、もしっかりとしている。

「お、坊主は冒険者登録に來たのかい? 頑張れよ」

前に並んでいる赤髪の剣士らしき人が聲を掛けてきた。

「はい! 十歳になったのでやっと冒険者登録できるようになったのできました」

じの良い人なので正直に答えた。

「そうかそうか、だからって無理はしないようにな、命は一つしかないんだからな」

カインの頭をでて笑顔をむけたあとに、すぐに名前を呼ばれたみたいでカウンターへ向かっていってしまった。

「どこかで見たことあるようなじだなぁ」

記憶のどこかで似た人を見た気がしたけど、順番が來たことでそのまま忘れ去った。

付の前に行くと、二十歳位の綺麗な人族が座っていた。冒険者ギルドの付嬢は綺麗処が多いので有名だ。但し、デートにってもほとんど乗ってこないと聞いていた。

「初めましてですね、冒険者ギルド王都本部です。今日はどのようなご要件で?」

付嬢は丁寧に対応してくれる。

「はい! 十歳になったので冒険者登録しにきました」

「では、この用紙に必要事項を記してください。代筆はいりますか」

「文字は書けるので大丈夫です。ありがとう」

そう言って、記用紙をけ取った。

子供に対しても、きちんとした対応をしてくれる付嬢だ。

名前を記する際、冒険者で貴族の名前を名乗っても仕方ない。

名前のところにカインと書き、特技は剣技と魔法と書く。年齢はもちろん十歳だ。最低限しか記する必要がないみたいだ。

「出來ました。お願いします」

「はい、大丈夫です。それではを一滴この水晶につけてもらえますか。そうすることによって魔力がカードに登録されますので」

カインは言われた通りに渡された針で指先を刺しを水晶につける。水晶は一瞬ったあとその下の裝置からカードが一枚でてきた。鉄っぽいをしたカードだ。

「これがギルドカードになります。魔力を込めると名前とランクが浮き上がります。ランクが上がることによって素材も変わってきますから頑張ってくださいね。最初はGからのスタートとなります。それでは冒険者についての説明は必要ですか」

「はい! お願いします」

グラシア領にいた時にミリィとニーナにし聞いたけど、細かくは聞いてないし。そういえば二人は元気にしているかな、今度『転移』で行ってみよう。

「冒険者にはランクがあり、Gからスタートになります。そこから最後はSSSまでがランクになります。SSSに関しては、今までで一人しかおりません。三百年前にこの國の初代國王であるユウヤ國王がなっただけになります。カードはGからFランクは鉄アイアンカード、EからDランクは銅ブロンズカード、CからBランクは銀シルバーカード、Aランクは金ゴールドカード、Sからは白金ミスリルカードになります。初代國王のSSSランクは黒ブラックカードと言われています。昇格についてはギルド獨自で判斷しておりますので公表はしておりません」

やっぱり勇者だと言われるだけ強いってことなんだなとカインは納得する。

「依頼については、通常依頼、指名依頼、急依頼の三種類があり一般的には通常依頼となります。但し、依頼者の指名がある場合ギルドで審査したあとに指名依頼としてだすこともあります。急依頼については、過去にあるのは魔の氾濫などがあります。他國との戦爭についてはギルドは中立になりますので各自の判斷でお願いしています」

付嬢は丁寧に教えてくれる。

「通常依頼については口右手の掲示板にランク毎に張り出されておりますので、剝がして付までお持ちください。但し、常時依頼と書かれているものについては、依頼を注せずとも納品してもらえれば達とみなします。ゴブリンの討伐とかが主になってますね。あとはソロでけられる場合とパーティでけられる方がおります。パーティを組む場合はギルドにて登録してください。そうすることにより、ギルドポイントの査定が両者に加算されることになります。なお、冒険者同士の爭いに関しては、基本的にギルドは知いたしません。重大な犯罪等が関わる場合は関與いたしますが。説明は以上ですね、わからないことがありましたらいつでもお聞きください」

「お姉さん、ご丁寧にありがとうございます!」

カインも丁寧に頭を下げてお禮を言った。

まだ付嬢の名前も知らなかったのでお姉さんになった。

「あ、失禮しました。王都本部で付嬢をしているレティアといいます。よろしくお願いしますねカイン様」

「様付けなんてそんな・・・・・・まだ十歳ですし「くん」でお願いします」

「そうですか、ではカインくんこれからがんばってくださいね。命は大事にしてください」

付嬢のレティアさんは微笑んでくれる。

「はい! がんばります」

カインは素直に笑顔で答えた。

お互い笑顔でいたら、急に後ろから聲がかかった。

「おいおいおい、いつから年下趣味になったんだ、レティア? こんなガキ相手にしてないで俺達の相手しろよ夜までたっぷり付き合ってやっから。それにしてもほんとガキだな。家の手伝いでもしてろよ。ここに來るのははえーよガキが」

レティアさんが急に嫌そうな顔に変わった。

後ろを振り向くと、三人組のガラの悪い冒険者がいた。そのうちの一人がいきなり蹴りをカインにれる。それを半歩ずれてそのままかわす。

まさかいきなりテンプレ的なことに出くわすとは思ってなかった。さっきの赤髪の冒険者もいい人だったし。

「おい、こいつ一丁前にかわしやがったぜ。生意気だな、ちょっと教育が必要だよな」

もう一人がいきなり毆りかかってくる。それも顔をずらしてかわす。ここまでやられたのだから

反撃を試みようと、拳を握り締める。

「おいっ! てめーら! 何やってるんだ?? こんな子供相手に! そんなに相手してしいなら俺がやってやるよ?」

振り向いた先には、さっき聲をかけてくれた赤髪のお兄さんだ。

「げっ。氷炎ひょうえんのクロードだ」

一人がそう呟いた。

「けっ、気分が削がれたぜ、もういいや、お前らいくぞ。クソガキも覚えておけ」

そう言って、三人組がギルドから出て行った。

カインは握り締めた拳を解いた。

「クロード様、ありがとうございます」

付嬢のレティアさんが赤髪のお兄さんにお禮を言った。

「クロードさん? ありがとうございます」

カインも続けてお禮を言う。

「止めたのは、あいつらのためだよ。坊主、相當強いだろ? さっきののこなしを見てればわかる。名前はなんていうんだ?」

さっき躱していたのを見られていたらしい。

「僕、カインっていいます。さっき言ってた『氷炎』って?」

「そうかそうか、俺はクロードだ、氷炎ってのはな、うちのパーティ名だ。嫁と二人で冒険者をしてるのよ。もうししたら嫁も來るから一杯付き合えや、あ、まだ子供だからジュースな!」

そのままクロードはカインの肩を抱き、奧の飲み処に連れて行った。飲みを頼んだあと、クロードが話しかけてくる。

「カイン、さっきも言ったけど、かなり鍛えてるだろ? きに無駄がなかった。あれは相當やらねーとできない蕓當だぞ」

クロードが突っ込んでくる。

「小さい頃から訓練してましたし、冒険者の方の家庭教師もついてもらったことあるので」

カインも素直に答える。

「そうかそうか、カインなら大きくなったら、かなりのランクまで上がれると思うから頑張れよ」

そう言いながら、先ほどきた飲みのジョッキをぶつけてくる。

「いい出會いに乾杯!」

そう言って、ジョッキをあおった。

もちろんカインに出てきたのはフルーツジュースだったが。

クロードに冒険者の話を聞いてみたが、とても參考になることが多かった。パーティは二人組でクロードは炎を使う剣士で、奧さんが氷の魔師ということらしい。それで氷炎と呼ばれるようになったこともあり、そのままパーティ名にしたとのことだ。しかも金ゴールドランクというのには驚いた。

二人で話していると、急に後ろから聲がかかった。

「いないと思ったらこんなところで、何してるの!!! しかもこんな子供捕まえて!!!」

クロードの後ろに立っていたのは、あたりまでびた水の髪を、後ろで結び白いローブを著ただった。

「おっ。リナ、やっときたな。カイン、嫁のリナだ! よろしくな」

アルコールがっているので、クロードは気だ。

「やっときたな!じゃないわよ。依頼見に來たのに何飲んでるのよっ!」

それに比べて、リナは怒っている。

カインは一度立ち、頭を下げる。

「カインです。さっき冒険者登録に來た時に、絡まれたところをクロードさんに助けてもらったんです。そして今まで冒険者話を聞かせてもらってました。すいません」

カインはもう一度頭を下げる。

「ふーん。そんなことがあったのね。カインくんだっけ、どっかで聞いたことあったような……」

リナは首を傾げて考えている。

「まぁいっか。ほれ、クロード! そろそろ行くわよ」

そう言って、持っていた杖でクロードの頭を叩く。

「いてててっ。リナ勘弁してくれよー。それじゃー行くみたいだからカインまたなっ!」

持っていたジョッキの中を飲み盡くして、立ち上がった。

「ありがとうございました!」

カインも元気よくクロードに聲を掛ける。

クロードは歩きながら後ろ姿のまま手を上げて依頼ボードのほうに歩いて行った。

「あ、僕も依頼見る予定だった」

カインも殘ったジュースを飲み盡くしてから依頼ボードに駆けていった。

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