《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第八話 エスフォート王國初代國王

「俺は、ユウヤだ。ユウヤ・テラ・ヒラサワ・エスフォートか、もしくは平沢優也だね。君は転生者だけど、俺は召喚者、転移者と言ったほうがいいかな」

「えぇぇぇぇぇええええええええ!!!!」

目の前にいた青年はまさかの初代エスフォート國王だった。

「そんなに意外だったかい?」

二十代に見える黒髪の青年は、コーヒーを一口飲んだあと、カインの顔を見て笑った。

「初代國王様は――」

「ユウヤでいい」

「……はい、ユウヤさんは三百年前の人と歴史の本には書いてましたが」

カインはこの世界に転生して、最初に読んだのが歴史と魔法の本だった。

そこで初代國王の名前を見て吹き出してしまったのを思い出した。

「うん、その通りだね。時間の覚がわからないけど、こっちの世界では三百年経っているんだ?」

「こっちの世界では? ってなんですか」

カインはユウヤの返答で、疑問に思ったことをぶつけた。

「まぁ、それについては後ほどな、カイン、ここでゆっくりできるのか?」

「明日には帰らないといけないです。學園もありますし」

「ふむ、そうか、ならあっちに行くか」

カインはユウヤの話に対して疑問に思った。

「コーヒー飲んだら、移しようか。こっちの部屋だ」

ユウヤは飲み終わったコーヒーカップをテーブルに起き、カインを案する。

リビングから廊下に抜け、一つの扉の前にユウヤは立った。

し移するからな」

ユウヤはそれだけ言って扉を開けた。

「おぉ……」

カインはそれだけしか聲に出なかった。

扉を開けた先は、部屋ではなく外だった。但し、まったく違う場所だ。

ユウヤに促され扉をくぐる。

「ここっていったい……」

カインはユウヤに訪ねた。

「ここは、俺がつくった別次元の世界かな? ここはファビニールと呼ばれている世界だ」

「つくったっていったい……」

カインは想像以上のことにただ驚いた。

扉をくぐった先は砂浜だった。目の前には大森林があり、空を見上げるとドラゴンらしき群れが飛んでいる。後ろを振り返ったらすでに扉はなく、海が一面に広がっていた。

「さっきの扉って……どこでもド――」

「それは言うな」

「……はい」

「まぁ普通はそうなるわな。まぁいい、カイン、お前鑑定持っているだろ?俺の事見てみろ、ステータスまでは見えるようにした」

ユウヤはカインに向けて言葉を放った。

今まで育ってきて、鑑定を人に使うと、相手が違和じるということがわかっていたので多様しなかった。魔は別に問題はないが、人に鑑定をして、それがバレてしまうとマナー違反と言われるのだ。

カインはユウヤの許可があるので鑑定をしてみた。

『鑑定』

【名前】ユウヤ・テラ・ヒラサワ・エスフォート(平沢 優也)

【種族】神族 【別】男 【年齢】超越

【稱號】召喚者 勇者 國王 超越者 亜神 創造神

【レベル】測定不可

力】測定不可

【魔力】測定不可

【能力】測定不可

 

「えぇぇぇぇぇええええええええ!!!!」

カインは再度驚いた。

まさかカインも神になっているとは思わなかった。

「カイン、わかっただろ? ここは俺がつくった世界だ」

「はい……、まさか神になってるとは思わなかったです……」

「そんなもんだ、神族になったから年齢は重ねるが老化もしないし、そのまま國王でいたらおかしいだろ? だから適當なとこで子供に王位を譲ってこっちでのんびりさせてもらってる」

「そういえばこの世界に移したのはどうしてですか?」

カインはどうしてこちらの世界に移したかわからなかった。

「それは時間軸が違うからだよ。こっちの世界では一年いても、カインのいる世界じゃ一日しか経っていないんだ」

「それって……神と時の――」

「それは言うな!」

「――はい」

「だから俺はこっちの世界では、一萬年近く神をしてるんだよ。ここなら多のんびりしても大丈夫だろ? 一年いてもあっちでは一日だ」

「たしかにそうですね。それならのんびりさせてもらえそうです」

「とりあえず、俺のこっちの世界での家に移しよう。転移するから摑まれ」

ユウヤはそう言って、カインの肩に手を乗せる。

『転移』

一瞬で風景が変わり、そこには先ほどみた家よりも數倍大きい屋敷が建っていた。家の周りには畑があり、ここでも自給自足の生活を送っているみたいだった。

「普段はここで過ごしてる。まぁ中にれや」

そう言って扉を開けて、ユウヤは中にっていく。カインもそれを追って屋敷にっていった。

屋敷の中は一人でいるにしては綺麗だった。

そのまま応接室に通されてソファーに腰をかけた。

「そういえば、創造神ゼノム様よりユウヤさんに會いに行けって言われたのですが……」

「そのことだよな……。実はな、カイン、お前のことを鍛えてくれって頼まれてる」

「今でも人外の力があってセーブしているのですが、そこまで必要なんですか?」

ユウヤはソファーに寄りかかり、遠い目をした。

「うむ。実はお前の住んでいる世界は神は本當は八神だったんだよ。その神はアーロンといってな遊戯の神だったんだ。ただ、いたずらが過ぎてゼノムのじじいより、一度地上に落とされたんだ。そこで神が歪んでな、邪神となった」

「邪神ですか……」

「うむ、お前の世界には遊びがほとんどなかったろ? あれは遊戯の神がいないからだ」

カインは納得した。リバーシでさえ今や他の國まで輸出してるほど販売をばしている。今までは國民の生活に遊びという概念がなかったからだ。

「それにしても、地上に落とされるほどのイタズラって何したんですか……」

「……生き殘りを賭けた全世界を巻き込んだデスゲームだ。各國の上層部に伝わるように神託をして、この世界全を戦爭にもっていった。遊びが過ぎたんだよアーロンは……」

それはさすがに、創造神も怒るだろうなとカインは納得できた。

「そんな邪神の記録は見たことないですよ、そのアーロンっていう神は今は……」

「それは俺が三百年前にアーロンを封印した。その為に俺は召喚されたんだしな。そして神がこの世界の人々の記憶を封印したんだ。その時は人であった俺には神は殺せるほどの実力がなかったからな、じじいに封印する方法を聞いてやったんだが、その封印があと數年で解かれそうなんだ。そしたらまたデスゲームが始まるかもしれん……それだけは阻止したい」

「それなら、またユウヤさんが封印すれば?」

「今の俺はこの世界の創造神でもある、神が他の世界の地上のことに干渉はできないのだ。だから使徒という形で代理者を立てる」

「ということは……もしかして……」

「カイン、お前だよ。じじいから使徒に選ばれたお前がやる必要がある。ただ、今のお前じゃアーロンには手が出ない。だからじじいから俺に鍛えるように頼んできたんだ。こっちの世界で鍛えれば今までの何百倍も経験を得られる」

「神様たちに後で文句は言う必要はあるとして、やらないといけないんですね」

カインは覚悟を決めた。背筋をばし、ユウヤの顔を見つめる。

「師匠よろしくお願いします」

「あぁ、わかった」

カインがユウヤの弟子になった。

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