《転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~》第十三話 裏切り
二日間で城の前には住民に演説するためのステージが組まれた。
この國では皇帝が自ら住民の前に立ち説明すると教えられ、カインも納得した。
しかし、魔皇帝は現在療養中で誰とも會うことしないので、代わりに皇太子であるログシアが説明することになる。
また、同時にリザベートの帰還と人族との戦爭を行わないことの告知も行うことになっている。
「あとは皇太子殿下が住民に説明すれば、きっと納得してくれるはずです」
「何もなければいいんだけど……。それだけが心配だな。他の魔王たちはあれだけ反対していたはずなのに靜かだし……」
あれだけ開戦派であった魔王たちがこの二日間靜かだったことにカインは心配していた。
ダルメシアを呼び、城の報を集めるように指示し、自らは客人として振る舞うことに徹していた。
さすがのダルメシアでも同じ魔族の、ましてや魔王クラスには気配を隠すことは不可能だと告げられ、魔王たちの談については報がってこなかった。
不安を殘しながらも式典への出席となった。
「そろそろ時間です。移をお願いいたします」
部屋に呼びにきた従者の後をついて城を出ると、ステージの前には多くの民衆が駆けつけていた。
やはり皇族、魔王が集まる演説は人気であり、一目見ようと皇都に住んでいる住民が集まっている。
そんな中、カインはステージに用意された椅子に座る。
中央の演臺を挾んで反対側に魔王四人が並んで座り、カインの橫にはリザベートが座ることになった。
「そんなに張しなくても問題ない。平和な式典じゃからの」
眼下にひしめいている民衆を眺めながらリザベートが呟く。
聲援が上がる中、ログシアが席を立ち演臺へと上った。
ログシアの姿を見て、さらに大きな聲援があがるが、ログシアが片手を上げるとピタッと鳴り止んだ。
「皇太子のログシアだ。急な布告であったが多くの住民に集まってもらって謝する。まずは無事にリザベートが戻ってきたことを報告させてもらう」
ログシアの言葉に合わせ、リザベートが立ち上がり一度前に出て手を振る。
それに合わせて今までで一番大きい聲援があがった。
リザベートは笑みを振りまいた後、席に戻りカインを見てにっこりと笑う。
「妾の人気も大したもんじゃろう」
「あぁ、住民が喜んでいるのがよくわかるよ」
魔族を取りまとめている國だけあって、皇族は人気であった。
そして、またログシアの演説が再開される。
「たしかに、リザベートは人族國家で々と苦難もあった。しかし無事に帰ってきた。一時期は人族國家に対して宣戦布告を考えた。しかしーー」
「殿下を痛めつけた國家など潰してしまえっ!」
「「「そうだ、そうだっ!!」」」
人族に対しての反はやはり高い。それだけリザベートが捕らえられたことが大きかった。
「だが、人族によってリザベートは助けられ、こうして無事に人族によって戻ってこれたのもたしかなのだ。そして人族國家の代表と話を重ね、わたしは和平を結ぼうと思っている。これからはーー」
「待ってくれっ!」
魔王の一人であるデニスが聲を上げた。
ログシアはデニスを睨め付けるが、それを気にせずログシアの橫に立った。
「皇太子殿下はこう言っているが、本當にお前たちは人族を許せるのかっ!? リザベート殿下は、人族國家で――奴隷扱いをされ、殺されそうになっていたんだぞっ! そんな人族を許せるのかっ!? わしは許せぬ! 誰がなんと言おうが、許してはいけない!」
「そうだっ! 人族など蹴散らしてしまえっ!」
民衆から賛の聲が多數あがる。
ログシアはその住民の聲援に苦笑し、そしてデニスを睨みつけた。
「……デニス、どういうことだ……?」
睨みつけるログシアの言葉を聞き流しながら、デニスの言葉は続けた。
「魔王である俺たち三人が開戦に向けて賛なのに、殿下はこうして人族相手に込みしているっ! 俺たち魔族は人族なぞに負けるはずがないっ! そうだろっ!?」
デニスの投げかけに民衆は聲援を持って応える。
セトは怒りで立ち上がろうとするが、両側からイグニスとアグスに押さえつけられた。
「ぐっ……。お前らっ!」
「ふんっ、自業自得だな、セト殿。お主も賛に回っていればよかったものを……」
押さえつけられたセトは、カインに視線を送る。
しかし、ここでカインが魔王たちを押さえつけたら、民衆の反応は一気に開戦に向けて進んでしまう。
座ったまま力強く拳を握りしめた。そんな拳の上に優しくリザベートの手が乗せられた。
リザベートはカインと視線を差させると、ゆっくりと頷き立ち上がる。
ログシアの橫に立ち、右手を高々とあげた。
「皆のもの、妾の言葉を聞くのじゃ。たしかに人族の國ではひどい目にもあった。だが、いい出會いもあったのじゃ。それを含めて妾たち皇族は戦爭を行わないと決定したのじゃ。魔王であるデニス殿がなんと言おうが戦爭を始めるつもりもない。そのために人族から代表が參っているのじゃがからな。紹介しよう。人族國家から訪れたカイン殿じゃ」
リザベートはカインに視線を送る。
カインもこの狀況を打破しなければいけないと理解をしている。
立ち上がり、リザベートの橫に立ち並んだ。
「人族國家、エスフォート王國からきたカイン・フォン・シルフォードです。人族國家の代表として――」
カインは開戦させないための演説が始まったのだった。
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