《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》1章3話 適検査で、ゴスペルを――(1)
月日が流れて、ロイは3歳になった。
――天才の。
ロイが住んでいる村で流行っている、彼のあだ名だ。
足し算、引き算は無論のこと、掛け算や割り算までも就學前教育をする前に(ロイの前世で言うところの稚園にる前に)大人の前で解いてみせて、一時期、彼の家の近所ではその話題で持ちきりになった。
この時點で、近所のの子からは――、
「ロイくん、すご~い!」
「わたし將來ロイくんのお嫁さんになる~っ♡」
――と、言われることに。
しかしロイの神年齢は3歳を優に超えているので、いの子に褒められても、照れることはない。しかし悪い気はしなかったので、素直に「ありがと」とはにかむのが、彼のいつものことだった。が、その素直な好青年っぽいところが、ますますの子から惚れられる要因になるのだが……。
が、ロイは、前世ではあまりにも恵まれない可哀想な年だった。
ゆえに、彼は思う――(誰にも迷をかけていないなら、前世の知識を使って、子供のうちに天才と呼ばれるように頑張ろう! 誰にも迷をかけないし!) と。
となれば、3歳の時點で四則計算ができるぐらいで満足してはダメだ。
この世界ではパソコンはもちろん、印刷コピー機なんては存在しない。けれども活版《かっぱん》印刷の技は存在していたので、本は普通に流通していた。
ロイは適當に家にあった父親の本を5~10冊程度読み、この世界の知識を蓄えるついでに、「この本、読み終わったよ?」と母親のカミラに言ってみた。
結果、そのことが村中に広まり、ますますロイの天才っぷりが稱賛されるようになった。
「ロイくん~、お姉ちゃんがクッキーあげるよ~? ハイ、あ~ん♡」
「あっ、ずる~い! わたしもロイくんにあ~んしたかった!」
「チャーリーちゃんだって、ロイくんのことをお膝に乗せて、後ろから抱きしめて、いい子いい子しているもん! お相子だよ!」
しかし、これはロイにとっても誤算である。まさか自分よりもし年上、5~8歳程度のの子たちが、3歳なのにわたしたちの會話についてこられて、3歳だからこそ小さくて可い! といった合に、ロイのことを大層気にって、自分のことを『みんなの弟くん』として扱うとは……。
恐らく、本の姉のマリアもそうだったことから、このぐらいのの子は弟という存在に、過度な憧れを抱いているのだろう。ましてロイは天才のと呼ばれていて、さらに手のかからない子として有名である。弟役としては丁度いい。
だがやはり、この程度で満足してはダメだ。
次にロイは、ある程度をかせるようになったので、力をつけようと考える。
(家にあった本や、大人の會話をこっそり聞いてわかったけど、この世界には魔ってモノがあるし、魔を悪用する魔王っていう存在もいるらしい。その魔王の部下の、さらに下僕の、さらに支配下に置かれている魔ってヤツらもいるらしいけど、幸いにもこの村の奧の森にはいないらしい)
ならば――、
(見知らぬ森にるのは危険なことだけど、確か東西を橫切る形で道が整備されていたはずだよね? とりあえず、そこを走って力をつけよう)
そしてロイは力をつけるためにランニングを始めるのだったが、ある日、村の子供たちで徒競走をした際に、彼は當たり前のように1位になってしまった。
參加した子供たちの年齢の幅は、3~5歳。最初は歩幅が広い年上の子供たちにリードを広げられたが、その子たちは歩幅があってもスタミナがなかった。最終的にはギリギリで優勝という形になったが、ロイは子供にしては凄まじい力、つまり持久力で年上の子供たちを負かすことに。
「ロイくん! ちゅっ♡」
「あ~、ずる~い! わたしもロイくんにキスする~っ♡」
「は~い、ロイくん、ちゅ~♡」
勉學だけではなくて運もできるということで、ロイはますます村のの子たちから好かれるようになった。
しかしロイは、本當はこの子たちよりも大人だからという神的な理由と、は子供だからまだが湧かないという的な理由の、2つの理由によって、の子たちのアピールを「お姉さん、ありがと」と爽やかな微笑みでけ流した。
が、これもやはり前述の出來事と同じように、素直な好青年っぽいということで、ますますの子に惚れられるようになる原因になってしまうのだが……。
で、村のの子からの好度がマックスになると、々なイベントが発生する。
的には――、
ある日、ロイがランニングから帰る途中に、同い年の村のの子2人と偶然出會うと「お家に帰るまで、お手々つなご~?」「わたしもロイくんのお手々つなぐ~♪」という展開になり、まさしく両手に花の狀態で帰宅したこともあるし。
別のある日、年上のの子に茂みに連れ込まれて、軽い子供同士のスキンシップではない、強引にを割られての子に舌を這わされたキスをされたこともあるし。
また別のある日、2人のの子に同時に告白されたこともあるし。
さらに別のある日には、複數人のの子の親が、ロイの両親に「うちの娘を許嫁にしてください!」「いえいえ、よろしければぜひうちの娘を許嫁に!」「許嫁ならぜひうちの娘を!」とお願いしに來たことまであった。
けれども実のところ、ロイは毎日、森の道をランニングすることで、徐々にゴスペル、つまり〈零から始める無限の修練〉が覚醒しつつあって、努力することが楽しくて楽しくて仕方がなくなっていた。
(の子たちには申し訳ないけど、をするならボクが不登校で行けなかった中學校にってからかな? あの子たちはまだ本のを知らないと思うし、正直、今ボクはよりも自分を長させて強くなりたいんだ。まぁ、この世界には學校はあるらしいけど、『中學校』っていう言葉はないだろうけど……)
と、いうわけで、ロイはますます自分を、例の神様のの子に言われた『最強』に近付けるために、努力の日々に明け暮れた。
この世界のことをより多く、より正確に知るために本を読み――、
いつか最強に至るために、ランニングに勤しみ――、
いつしか勉學の面でいったらその辺の大人と同じぐらいになり――、
いつしかまだ3歳なのに、ほんの數回だが腕立て伏せと腹筋もできるようになり――、
間違いなく、天才のというあだ名に相応しい子供に長していった。
と、そのような日々を送っているうちに、月日はルビーの月、新しい年が始まって7番目の月であるため、前世で言うところの7月に相當する月がやって來た。
父が畑で農業をしている間に、ロイはカミラに呼び出されて、1つの話を聞かされる。
「ロイ、ナーサリー・スクールに行きたくはない?」
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