《ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&長チート&ハーレムで世界最強の聖剣使いにり上がる語~》4章8話 ハーレムデートで、間接キスを――(2)
さらに數分後、5人は移を開始して、またまた廊下を歩いていた。
シーリーンはどこか優しい表をしていて、イヴもロイの腕にくっ付いてご満悅そうである。
シーリーンは久々に、誰でもいない休日とはいえ、講義室にこられて嬉しかったし、イヴも兄の隣に座れて満足なのだろう。
アリスの方も、シーリーンがいいじで安心しているじだし、マリアの方も、自分の弟と妹が仲良しで笑顔だった。
そんな中、ふと、ロイは慨深くの子たち4人と、廊下を見やった。
みんなタイプが違うで、今、自分が歩いているのは、西洋風の建築様式で建てられた異世界の剣と魔の學び舎。
この事実をけ止めると、本當に、今の自分は幸せだと思った。
で――、
次に5人が足を運んだのは學生食堂だった。
「どうして、食堂に?」
アリスとイヴとマリアを代表して、ロイがシーリーンに訊いた。
すると、シーリーンはけなさそうに笑いながら、人差し指で頬を掻いて答える。
「食堂のランチってもう1度食べてみたかったんだけど、講義がある日のお晝休みはたくさん他の人がいるから……」
「そっか」
「なら今日、なにか食べましょう? 休日でも作ってもらえるメニューはあるわ」
アリスが提案すると、各々頷いて、もう11時なので、々早いがここでランチを取ることになった。
ロイはピザ、シーリーンとアリスはパスタで、イヴはハンバーグ、マリアはピラフを注文する。
どれもロイが前世から知る料理と比べると、見た目も味も簡素だったが、今ではもうこういう料理に慣れているし、他のみんなが味しそうに食べているのを見ると、むしろこういう料理の方がいいとさえ思えた。
「ロイくん、ピザ味しい?」 と、シーリーン。
「うん、シィも一口食べるかい?」
「えっ、いいの?」
シーリーンは嬉しそうに応えるも、 「「「!?」」」 2人のやり取りに、アリスもイヴもマリアは、三者三様の驚きを見せる。
アリスは男間の間接キスを気にして、イヴはシーリーンが羨ましくて、マリアは弟の軽いじの発案にビックリして、各々、テーブルからを乗り出して、2人を制止しようとした。
「「「ちょっと待っ――」」」
「ん?」「むぅ?」
しかし、時は遅く、ロイはシーリーンにピザを食べさせてしまっていた。ピザは綺麗に丸い1枚を8等分にされていたのだから、その1つをわければいいものの、なぜか、食べかけのヤツを。
しかもシーリーンもシーリーンで、ロイが口を付けた部分から一口貰っている。
「な、なななな、なんてことを! かかっか、間接キスなんて……ハレンチよ!」
顔を真っ赤にするアリス。
直接的なに関することはおろか、こういう子供でもしそうな間接的で刺激が弱いモノでも、アリスは許せないらしい。恐らく、自覚はないだろうが、自が初心で、実のところを男にまったく慣れていないことの裏返しだろう。
「ご、ゴメン、シィ! ボク、そういうつもりじゃ……」
「う、ううん? シィの方こそ、シィが口付けちゃったら汚いよね?」
ふいに、シーリーンが泣きそうになる。
のスキルを持ち、の魔に長けている自分が口を付けたら汚いと、本気で思っているのである。思春期、多な年頃のの子なのだから、當たり前だろう。
「大丈夫、シィは汚くなんてないよ」
ロイはいったん慌ててしまったが、気にした様子もないように、シーリーンが口を付けたピザを食べ始める。そしてシーリーンが口を付けた、8等分したピザの1つを食べきった。
「そもそも、アリスが初心すぎるんだよ、間接キスぐらいで。だからシィは悪くない」
「ちょっと! 私のせいにする気? そ、そんな……、間接キスなんて……、は、はしたない……」
たぶん、この調子だと、男と付き合ったことはないのは確定だとしても、結婚するまで行為は止! 初めては大切に初夜まで取っておく! ということまで考えているのだろう、と、ロイは困ったように笑った。
數分後。
全員がし早いランチを食べ終えると、アリスの提案でデザートも注文しよう、ということになった。
しかし――、
「パフェは売り切れなんですか?」
「申し訳ございません、の子限定メニューのパフェですよね? そのデザートは人気ですので、昨日の時點で売り切れてしまっておりまして、休日にまで殘っているということが滅多にございません」
「あぁ、基本的に、週の初めに材料を仕れて、金曜日の時點で全部使っちゃうんだろうね……」
ロイの補足説明に、シーリーンはしょんぼり肩を落とした。
「……、の子限定メニュー……」
ロイは悩む。やはり、シーリーンにパフェを食べさせてあげたい、と。
シーリーンは自分がの子であることに不安、悩みを覚えている。自分がの子ということに自信や誇りを持てない、懐疑的と言うべきか。
當然、それもイジメが原因で、シーリーンはイジメの中で、特に、自の『の子という別』と『に関する質』を弄られてきたからだ。
當たり前のように行われてきた、絶対に許されない行い。
普通、他人の食事をからかうのは許されないことだが、間違いなく、シーリーンは(シィが平日に、みんなの前でパフェを食べたらからかわれる……)と、考えている。
だから、ロイは、そして同じことを考えたアリスも、シーリーンに休日である今日、の子限定メニューであるパフェを食べさせてあげたいと悩んだ。
「シーリーンさん、また次の機會がありますから、ねっ?」
「そうだよ! 他にも味しいデザート、いっぱいあるよ?」
マリアが優しく聲をかけて、次にイヴが明るく言う。
が、その時だった。
「シーリーンがの子限定メニュー? ハッ、キミぃ、いつからそんな、普通のの子らしいを食べるようになったんだよ? 笑えるぐらい似あわないぜ」
背後から聲をかけられる。
やりすぎなぐらい清潔で、シワ1つない小奇麗な服を著ている金髪の男子。開口一番の言葉に、あのロイですら(気に食わない)(いけ好かない)とじた。
確かに、顔だけ見れば整っている。まさに西洋の貴族そのそもだ。
だが、気のせいかもしれないが、格の悪さが雰囲気として滲み出ている。
恐らく――自分は男子だから、醜い顔面の他人は見下してもかまわない。自分は貴族だから、低い分の他人は見下してもかまわない。自分と付き合えるのは自分が認めたヤツだけで、他人の評価は自分が決める。――なんて驕おごっているのだろう。
「ジェレミア・トワイラ・イ・トゴート……っっ」
と、聲を出せなくなったシーリーンの代わりに、アリスが彼の名前を呼ぶ。
そう、彼がシーリーンをイジメてる主犯格だった。
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