《邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜》第十六話 報収集と呼び出し
2章 賢者と賢者
セフィロがどこかへいなくなるのを見送ったのち、シグレは転移結晶の合のために、{錬金室}と書かれたところに向かう。
錬金室の中には、大小様々なフラスコや錬金布アルケミカル・クロスがランクに合わせている。
そのどれもが綺麗に整理されて並んでおり、ある意味で蕓品の様である。
錬金布アルケミカル・クロスとは中位以上の錬金のために必要な道で、現在一般の錬金師はそれを持っていないため冒険者ギルドで借りているんだとか。
まずは初心者用の錬金布を広げ、その上に転移結晶を置いて魔力を送り込むと魔法陣が展開し、転移結晶が一つになった。
確認したところ、しっかりと両方に行ける様になっている。
二時間後、主に錬金や料理関連の本を読んでいたらセフィロが戻ってきた。
「深淵魔法のことがわかったかもしれん」
「何故わかったのですか?」
「わしの師匠にして前賢者であるクリフォ様が此処賢者の図書館を出る前に研究しとった魔法についてクリフォ様もお主と同じく
理から逸した魔法・・・・・・・・・だと言っておった」
『深淵魔法ってどうやったら取得できるんですか?』
『邪神ボクたちが直接力を上げるか何かしらの原因がないと取得はできないよ』
「本來深淵魔法は人が取得できるスキルではないはずなのですが、原因などに心當たりは?」
「ある、その魔法の研究をする前にどこかに出かけて、帰って來たらその魔法の研究を始めて二ヶ月くらい、まあ約三日前にわしに此処を譲って何処かに行ってしまわれたんじゃよ。」
『話してるとこすまんが連絡がある。聞いてくれ。』
ダゴンの聲がした。
クトゥルフにもらったもののおかげでシグレはクトゥルフとその支配下にあるものすべてと念話ができるのだが、基本的にクトゥルフ以外は滅多なことがないと話しかけないし話しかけられないので忘れていた。
『何ですか?』
『封印探索中に深淵魔の使われた形跡のある場所を発見した。ついでに言うと人がそれを行なっているようだ。深きものどもわれわれでは進できない結界だったがお前なら行けるだろう。調査を頼みたい、もちろん現地までは責任を持って君達を送りとどけよう』
(タイミングいいですね。これ師匠の師匠確定では?)
『し待っていただけますか?』
『何故だ?』
『その人の関係者であろう人がいるんです』
『何故そう思える』
『ちょっと話を聞いてたらその人の師匠も深淵魔法が使えるそうなのでまさかと思いまして』
『なるほど、ではまた連絡をくれ』
「師匠、クリフォ様の居場所がわかったかもしれません」
「何!?それは真か」
「ええ、そしてクリフォ様は深淵魔を使って何かしらの邪な儀式を遂行しようとしていると思います。」
「クリフォ様がそんなことを…いや、だがあの旅から帰って來たクリフォ様は目に狂気を孕み、貪に何かをお求めておった。あながち間違いではないかもしれぬ」
「私は今からそこに行きます。師匠も來ますか?」
「當然じゃ、師の愚行を諌めるのも弟子の役目、弟子が行くのにわし師匠が行かんというのもおかしいし、何より、新しくできた弟子を見せびらかしてやる!」
「それでは行きましょうか」
前置き回です。
イベントは十六話現在の三日後に行われます。
セフィロ正しき賢者とクリフォ墮ちた賢者編開幕です。
みなさんお気づきとは思いますが賢者の名前の元ネタは
生命の樹セフィロトと邪悪の樹クリフォトが元となっています。
誤字字や間違い等ございましたらコメントしていただければ幸いです。
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