《ノアの弱小PMC—アナログ元年兵がハイテク都市の最兇生兵と働いたら》66話ー作戦終了ー
いや、この時気づくべきだった。
そして追うべきだった。
6年後の自分たちを。
しかしそこまで考えが回らなかった。
ドミネーター因子に対する研究を行い、その力を兵力に変えようとしている彼らにとってそれがどれだけ重要なものであったかなど……。
そう、たとえそれが朽ちた兵だったとしても……。
……--。
「夜刀神PMC所屬機、ベリオノイズが北側海岸から浮上したと報告がありました」
「了解。いますぐ伝えてやれ、夜刀神嬢は気が気ではないはずだ」
採掘シャフトが破壊されたと聞いて後方待機していた二腳機甲部隊はシャフト施設を囲むように展開していた。
その北側で展開していた二腳機甲部隊がレーダーにグレアノイド反応を海岸に発見し、ドミネーターかと見てみればシャフトに投された黒い機だったため報告を上げたのだ。
「グレアノイド反応を示す機とはどういうことだろうな」
「初期段階で試作された機はグレアノイドの原核を積んだ機があったそうだが……それだろうか。今は製造が止されているようだが」
「それにしてもとんでもなく安上がりな機構だったな。弱小の民間PMCが持っている機と聞いて興味はあったが……まあ大方予想通りだ。あまり汚染粒子を撒き散らさないでもらいたいものだ」
北側に展開し、ベリオノイズのグレアノイド反応に驚いていたセンチュリオンテクノロジーの二腳機甲パイロットが撤退しつつそんな話をしていた。
現在の二腳機甲に乗るパイロットから見ればベリオノイズの機構などどこのスクラップ場から拾い集めてきたパーツを組み合わせているんだとしか言えないものなのだろう。
二腳機甲搬送用トランスポーターに乗せられた黒い機はオートバランサーが無いため立って乗ることができず、片膝をついてしゃがまされている。
「流石に疲れたな……」
「あたしもぉ」
「お前はしばらく寢てたろ」
「しどぉも寢てたぁ」
「酸欠で失神したのを寢たとは言わんだろ」
「じゃああたしも寢たとは言えなぁい」
「無駄に心配かけてくれちゃってこいつは……」
「もうごめんなさいしたぁ」
「……。著いてもお前はここにいろよ。出て行ったら々ややこしいからな」
「はぁい」
「……はぁぁぁ」
「……はぁぁぁ」
ベリオノイズのコクピットでひとしきり會話した後同じタイミングで二人してため息をついた。
張の糸が切れ、お互いに溜まった疲労を吐き出すように。
そのあと葉月と通信がつながり、ある程度の任務報告をした後機から降り……。
「……よォ、お互いボロボロになっちまったもんだぜ。まあ俺ァヘマ踏んだだけだが」
「その負傷でよくあれだけ立ち回れたな。その怪我で」
「慣れてるからな……。しかし逃しちまったか……」
「今のコンディションで叩ける相手じゃなかった。シャフトから出できただけでも運が良かったと考えないとな」
センチュリオンテクノロジーの醫療車で治療をけ、包帯まみれになったRB軍曹はまだ掠れた聲で話していた。
高校生男子による怪異探訪
學校內でも生粋のモテ男である三人と行動を共にする『俺』。接點など同じクラスに所屬しているくらいしかない四人が連む訳は、地元に流れる不可思議な『噂』、その共同探訪であった--。 微ホラーです。ホラーを目指しましたがあんまり怖くないです。戀愛要素の方が強いかもしれません。章毎に獨立した形式で話を投稿していこうと思っていますので、どうかよろしくお願いします。 〇各章のざっとしたあらすじ 《序章.桜》高校生四人組は咲かない桜の噂を耳にしてその検証に乗り出した 《一章.縁切り》美少女から告白を受けた主人公。そんな彼に剃刀レターが屆く 《二章.凍雨》過去話。異常に長い雨が街に降り続く 《三章.河童》美樹本からの頼みで彼の手伝いをすることに。市內で目撃された河童の調査を行う 《四章.七不思議》オカ研からの要請により自校の七不思議を調査することになる。大所帯で夜の校舎を彷徨く 《五章.夏祭り》夏休みの合間の登校日。久しぶりにクラスメートとも顔を合わせる中、檜山がどうにも元気がない。折しも、地元では毎年恒例の夏祭りが開催されようとしていた 《六章.鬼》長い夏休みも終わり新學期が始まった。殘暑も厳しい最中にまた不可思議な噂が流れる 《七章.黃昏時》季節も秋を迎え、月末には文化祭が開催される。例年にない活気に満ちる文化祭で主人公も忙しくクラスの出し物を手伝うが…… 《八章.コックリさん》怒濤の忙しさに見舞われた文化祭も無事に終わりを迎えた。校內には祭りの終わりの寂しさを紛らわせるように新たな流れが生まれていた 《九章.流言飛語》気まずさを抱えながらも楽しく終わった修學旅行。數日振りに戻ってきた校內ではまた新たな騒ぎが起きており、永野は自分の意思に関係なくその騒動に巻き込まれていく 《最終章.古戸萩》校內を席巻した騒動も鎮まり、またいつものような平和な日常が帰ってきたのだと思われたが……。一人沈黙を貫く友人のために奔走する ※一話4000~6000字くらいで投稿していますが、話を切りよくさせたいので短かったり長かったりすることがあります。 ※章の進みによりキーワードが追加されることがあります。R15と殘酷な描寫は保険で入れています。
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