《音楽初心者の僕がゲームの世界で歌姫とバンドを組んだら》Track.01 その旋律は
その旋律は
 
まるで川のせせらぎのように、
穏やかの風のように、
僕の心を揺さぶった。
彼の奏でた旋律は、沢山の音が聞こえる中で、僕の耳にだけはっきりと屆いた。
「あの……」
どうしても気になってしまった僕は、こっそりと彼に聲をかける。まだ作が慣れていないせいか、ぎこちないきで彼に寄っていく。けど、彼は僕の聲をちゃんと聞き取ってくれたのか、
「はい」
しっかりと反応してくれた。ドキドキ張しながら僕は、次の言葉を必死に考えて、そして彼に伝えた。
「あの、よかったら僕と……バンドを組んでくれませんか?」
「私と……ですか?」
これがこの世界『マセレナードオンライン』での、この僕、立花薫と、謎のリアラとの出會いだった。
■□■□■□
そもそも僕は音楽にあんまり興味がなかった。その代わりゲームが大好きで、最近出たゲームはほとんど遊びつくしている。その中でも最近特にハマっているのが、VRMMOという近頃開発された新覚のオンラインゲームだ。今までのオンラインゲームだとあくまで畫面越しで遊ぶものだったが、この手のオンラインゲームは実際に自分がバーチャルの世界に行くことができ、見知らぬ人達とれ合うことができるという、何とも畫期的なオンラインゲームだ。ただ、その機械を購するにあたって、かなりのお金が必要になり、僕も半年以上お金を貯めてようやく購することができた。で、肝心のソフトなんだけど……。
「うーん、どれも面白みがないんだよな……」
折角新型のゲーム機を買ったのだから、今まで自分がやった事のないようなジャンルをプレイしてみようと思っていたのだけど、どれもイマイチなものばかりで、どれにしようか悩んでしまっていた。そんな時僕の目に止まったのが、
「マセレナードオンライン?」
このゲームだった。どうやら普通のオンラインゲームとは違って、ゲームで仲良くなった仲間とバンドを組むことができ、その仲間とライブをやったり、ちょっとした大會に出たりして、このゲームでいう頂點を目指すという、ちょっと変わった容になっているらしい。最初にも言ったけど、そもそもバンドといった軽音楽に興味すらなかった僕にとっては全くの無縁のゲームだ。けれど、何故か分からないけど気がついたら僕はそのゲームを購していた。その店の店員が言うには、どうやら最近発売されたものらしく、かなりの人気をほこっているらしい。だから荷數もなく、僕が購できたのも奇跡らしい。
(こんなゲームが売れたりするんだ最近は)
言われてみると最近はこういったバンドをモチーフとした漫畫やアニメの人気がやたらと高い気がする。そのブームにのっとってこのゲームも作られているのかもしれない。
「バンドか……」
音楽初心者の僕が果たしてできるのだろうか? いろいろ不安はあるけど、それはこの後考えればいっか。
「よし、早速始めようかな」
まだ購して一時間くらいしか経っていないけど、機械にソフトをれ全ての準備をは済ませる。どういうものなのか分からないけど、
(楽しければなんでもいいや)
ゲームを起させると同時に目を閉じる。次開いた時には既にあっちの世界だろう。さあ、いざマセレナードオンラインへ。
「ゲームスタート」
■□■□■□
ゲームを開始したと同時にまず行われたのはキャラメイキング。目や鼻などの細かいところまで設定できたので、より自分自に近いキャラを作ることができた(ちなみにキャラクターの名前はカオルという、とてもシンプルな名前になった)。次に選ばされたのは、このゲームで自分が使用する楽。RPGでいうジョブだろう。初めから何種類か選ぶことができるのだけど、全くもってそれらの知識がない僕は、そこでかなり悩まされたが、結果的に僕はドラムを選ぶことにした。理由は分からないけど、何となくそれがいいかなって思ったからだ。そして全ての準備が整い、ちょっとしたチュートリアルを終え、いよいよゲームの世界へ。
「うわぁ、これがVRMMOの世界か……」
まさに自分がその世界にいると実するこの。多くの人が集まるこの広場みたいなところに、僕は一人ポツンと立っていた。
(ったはいいけど、何からすればいいのかな……)
チュートリアルでは、最初は仲間を探すことから始めるのがいいらしい。特に初心者はある程度の知識がある人を見つけ、々教えてもらうのがいいと言っていた。
(仲間を見つけると言ってもな……)
作もほとんど慣れていない僕には、果たしてそんな高度なことができるのだろうか。
「とりあえずまずは、話しかけて……ん?」
でも行しないとなにも始まらないと考えた僕は、とりあえず近くの人に話しかけてみようとしたその時、どこからかしい歌聲が聞こえた。
(なんだろうこの歌聲は……)
人ごみの中を慣れないきで進み、その歌聲がする方へと近づいていく。そしてし歩いた先に、エメラルドの髪ののロングヘアーをしたが歌っていた。その姿を見て、
(すごく綺麗……)
僕の心は一瞬で奪われてしまった。そして僕は、彼の歌が終わると同時に、勇気を振り絞って彼に話しかけたのだ。
「あの……」
「はい」
僕の聲に反応してくれる彼。やばいすごく張してきた。でも何故か次の言葉が自然的に決まっていた。斷られるだろうけど僕は、次の言葉を話した。
「あのよかったら僕と……バンド組んでくれませんか?」
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