《音楽初心者の僕がゲームの世界で歌姫とバンドを組んだら》Track.46 すぐ近くにある溫もり
何が起きているのか一瞬理解できなかった。ただこの背中にじる暖かい溫もり、そしてこの匂いは間違いなくリアラさんのものだった。
(ど、どうしのう心臓がバクバクして止まらない)
まさかリアラさんをこんなにも近くにじる時が來る日がくるなんて思わなかった。二ヶ月前の僕に言ったら、多分しんじないとおもう。
「あの、リアラさん?」
「しの間だけでいいですから、こうさせてください。カオル君を、その、近くでじていたいので」
「リアラさん、それはどういう……」
「一週間前、最終的にはあんなじで別れてしまう事になりましたが、カオル君と一日二人で一緒に過ごせた事がすごく楽しかったんです。カオル君はどう思いましたか?」
「それは僕だって……」
楽しくなかったわけがない。あそこで改めて自分自の気持ちと向き合う事ができた。それが今日の決意にも繋がった。リアラさんと絶対に離れたくないという僕の正直な気持ち
「あの時間は僕にとってすごく幸せな時間でした。ただ、リアラさんが最後にあんな事を言っていたので、楽しめなかったんじゃないかと思っていましたけど、それは僕の勘違いだったんですね」
「あの時はすいませんでした。でも今日、沢山カオル君の言葉を聞いて、私もしだけ前を向ける事ができました。それもカオル君のおかげです。そしてあなたは」
リアラさんが一度離れると、僕のをこちらに向かせた。それによって僕とリアラさんはお互いに見つめ合う形になる。
「私に好きという気持ちを教えてくれました。一日カオル君と會わなかっただけでもすごく寂しくて。もう二度と戻ってこないんじゃないかって。そしてそれが私のカオル君に対しての気持ちだって気づいたんです」
「リアラさん……」
「カオル君、私あなたの事が好きになりました。なので私と、その、人になってくださいませんか?」
さっきの僕の告白に対してのリアラさんの答え。それはいつかでいいから葉えたかった願い。それがこんなにも早く葉うなんて思いもしなかった。
(でもこれは夢でもなんでもない)
全てはゲームの中だけど、現実なのは間違いなかった。
「こんな僕でよければ、よろしくお願いします」
「はい」
それからしばしの沈黙の後、僕とリアラさんはお互いを求めるかのようにを重ねた。
こうして僕とリアラさんは初めて人になったのだった。
■□■□■□
その後ちゃんと練習をして、朝まで頑張った後ナナミ達が來るまでの間、僕はしだけ休ませてもらう事にした。
「リアラさんもし休んだ方がいいですよ」
「私は気にしないでください。お二人がログインしたら迎えなければならないので」
「本當に無理だったら言ってくださいね」
部屋にる前にした會話を思い出す。リアラさんはああ言っていたけど、一晩寢てないのだから力的にも辛いと思うんだけど本當に大丈夫なのか心配になる。
そしてそれが心配で僕も眠れない狀態だった。
「やっぱり言った方がいいかな」
気になっていてもたってもいられなかった僕は、寢ていたベッドから起き上がり部屋を出てリアラさんを探す。彼は恐らく練習部屋にいると思って、そこに向かったけど姿はなく、その後家中を探したけどリアラさんの姿が見當たらなかった。
「二人がログインするのを待つって言っていたのに、どこへ行ったんだろう」
リアラさんの部屋にも姿は無く、いよいよ心配になった時、いきなり誰かに肩を叩かれた。
「だ、誰だ」
ビックリして慌てて振り返る。
「あ、えっと、驚かせちゃいましたか? すいません」
叩いた主は探していた張本人のリアラさんだった。
「り、り、リアラさん、驚かさないでくださいよ」
「カオル君こそ休んでくださいと言ったのに、なんで私の部屋の前にいるんですか?」
「それは、リアラさんに休んでもらいたかったから探していて。どこへ行っていたんですか?」
「私どこにも行っていませんよ。ずっと家の中にいましたけど」
「で、でも僕家中探し回っていたのに、見つからなかったですよ」
「それはたまたまではないですか?」
明らかにおかしかった。まだあれから時間は五分程しか経っていないのに、リアラさんの姿を見つける事ができないなんて、あり得る話なのだろうか。もしくは僕のただの捜索不足だけだったか。もしくは別の理由が……。
「私の事を心配してないでしっかり休んでください、そうでないと私の方が心配してしまいますので」
「駄目ですよ。リアラさんもし休みましょう」
「カオル君……」
いつもなら簡単に引き下がっていた僕だけど、本番も近いから無理したい気持ちは理解できる。だけどこれで本番の時に倒れてしまったら、それは僕達の責任だ。
「カオル君がそこまで言うなら、し休ませてもらいます。でもその前に一つお願いしたいのですが」
「お願い?」
何だろうと気になって聞いてみたところ、そのお願いは僕も予想できないものだった。
「り、リアラさん、流石にこれはアウトでは?」
「でもカオル君もしおやすみしないといけませんから、一緒に寢ましょう」
「それがアウトなんですってば」
今僕がいるのは自分の部屋のベッド。本來ならこのベッドは一人用なんだけど、何故か今隣にはリアラさんがいた。
(ど、どうしよう)
これだと一休みどころの話ではなくなってしまった。
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