《音楽初心者の僕がゲームの世界で歌姫とバンドを組んだら》Track.48 カナリア四重奏〜決斷と分裂〜
「カオル、リアラは?」
「とりあえず今は寢ているけど、多分本番までには治らないと思う……」
本番前夜。リアラさんが高熱で倒れてしまうという大事件が発生してしまった。ボーカルの一人が倒れてしまった以上、殘された僕達は重大な決斷をしなければならない。
「出場を辭退、やな。こればかりはどうにもできへん」
その言葉を初めに発したのはナナミだった。それは誰もがんでないゆえ、皆が口にするのを怖がった。本番前日の夜に起きてしまったどうしようもないトラブル。これを一夜だけで解決するなど、僕達にはないのだから、道は自然とそれしか無くなる。
「そう、だよね。デュエット曲以外全部歌っているのはリアラさんだし、仮に他の人が歌っても本來の味を出さないと思う」
「俺は嫌ですよ、ここまで來たのに諦めるなんて」
「アタル君、そうは言うけど僕達でどうにか解決できない問題だし、諦めるしかないよ」
「悔しくないんですか? ここまで準備してきたのに、辭退するなんて」
「悔しくないわけないよ」
「だったら……!」
「やめんか二人共!」
言い爭いを始める僕とアタル君をナナミが止める。
「こんな所で言い爭ってどうするんや。こんな事リアラの為にも何にもならんやろ!」
「だったらナナミさんはそれでいいんですか? このまま俺達が諦める事になっても」
「ええわけないやろ! ええかアタル、悔しいのはあんただけやない。ウチだって辛いし、何より一番辛いのは……」
「皆さん、私の調は気にしないでください。明日には治りますから」
言い爭いに割ってるように、部屋で寢ていたはずのリアラさんの聲がする。しかしその聲はどこか弱々しかった。
「リアラさん駄目ですよ寢てないと」
「寢てたら……練習ができないじゃないですか。明日が本番ですよ?」
「練習も何も、そのじゃ無理ですって。それに明日のイベントへの出場は辭退して、リアラさんにはしっかりと休んでもらわないと」
「何を言っているんですかカオル君。出ないわけにはいきません。カナリアはちゃんと出場しますから明日」
「リアラ、あんた自分で何を言っているのか理解しとんのか? ウチらはあんたには無理をしてしくないから」
「私は元から無理なんてしていませんよ、ナナミさん」
キッパリと言い切ってしまうリアラさん。勿論そんなの見えいた強がりだと皆が理解している。リアラさんの聲にはいつものような元気が見えていない上に、今浮かべている笑顔さえも無理をしているのが見てとれる。
(こんな狀態でライブになんか出たら……)
それこそ僕が人として失格だ。
「リアラさん、これは僕のわがままでもあり皆のわがままです。今回だけは辭退をしましょう、お願いです!」
僕はリアラさんの前で頭を下げる。こうなったのもメンバーの調管理ができていなかった僕の不手際であるのは間違いない。責任なら僕が全て取るつもりでいる。だからリアラさん、お願いだから……。
「分かりました。カオル君がそこまで言うなら」
「リアラさん、よかった理解してくれて……」
「私一人ででも出ます。カナリアとして」
「え? リアラさ……」
僕の言葉を聞く前にリアラさんは部屋から出て行ってしまう。一何が起きてしまったのか、すぐには理解できない。ただ分かるのは、ここでリアラさんがカナリアから孤立してしまった事。そして彼の暴挙を僕は止められなかった事。
「カオルさん、どうするんですか? 俺はリアラさんには賛なので、二人になったとしても出ますよ」
「アタル君、どうしてそこまでして」
「俺には俺で貫き通したいものがあるので」
それについて行くかのようにアタル君も部屋を出て行く。この場に殘されたのは僕とナナミの二人。
「僕は……間違っているのかな、ナナミ」
「間違ってるかいないかは問題やない。今ウチらがするべき行は、この狀況を回復させることや」
「それは分かっているよ。でもきっと二人の意思は変わらないよ」
「それで諦めてお終いか? ちょっとアンタ、リアラと付き合い始めてから浮かれすぎてたんちゃうん」
「どうしてそれをナナミが……」
「アンタら分かりすぎやねん。ウチもアタルもとっくに気づいてるで」
浮き足立っていたと言われれば確かにそうなのかもしれない。僕にとって初めての人。それがあんなにも綺麗で可くて、そんな子が僕の隣にいるだけで嬉しかった。だからリアラさんには無理だけはしないでほしくて、あんな事を言って、リアラさん本人はどう思っているのだろうか。
「好きな人に無理だけはさせたくないと言う気持ちは理解できる。せやからウチはカオルに賛したんや。でもリアラは意思を曲げたりせえへんきっと。そしたら次にウチらがするべき行は分かるか?」
「するべき行?」
「どういう方法で本人の願いを葉えるかや。恐らくリアラは自分がどうなっても今回のライブに出ようとしとる。ならウチらはどんな方法でそれを実現させるか、それを考えるんや。早くせえへんと夜が明けるで」
リアラさんは言っていた。約束があるからデュエットをしたいと。その容は僕には分からないけど、きっとあそこまで彼をい立たせるのはその約束があるからだと僕は思う。それに僕だって、祈の為にしなければならない事がある。それも約束を葉える為。
この絶的な狀況で二つの願いを葉える方法、もしそれがあるなら……。
「ナナミ、僕達だけでも考えよう。ちゃんと四人であの場所に立つ方法を」
「せやな、カオル」
それを見つけなければならない。殘された時間の中で。
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