《星の降る街》-010‐ 2996年6月23日 PM 19:12
作者、會社の人がどんどんやめて行き參っています。
作者も既にやめるつもりなのですが別けあって來年までは確実にやめられない狀況でして・・・。
それでは、第10話 お楽しみ下さい。
-キリエリア領-
ムーンライト管轄域
企業都市區畫
スカイレールビル地下?
????????
「人実験…かしら。」
「隊長……これかなりヤバくないですか?正直私達の手には余る気が…。」
シズキ達は手前の檻の部屋から更に奧の部屋へとやって來た、部屋の中央には強化ガラス裝甲で全面を覆われた部屋の中に手臺の様なものがポツンと置いてあり、壁際にはデスクや様々なコンピュータが並んでいた。
流石に実験の容がわかる様な報は殘されておらず、現場に殘された狀況から読み取るしか出來ないが、それでもかなり危険な類の実験をしていたのは理解出來た。
連れて來た無人機は既にエネルギー殘量が底をつく様で腕を突き出し指をさした狀態のまま停止狀態になっている様だ。
「一応もうしだけ手がかかりが無いか探しましょう、その子もそこに置いていていいわ。」
「…了解です。」
チヨはかなくなった無人機を靜かに床へ降ろし、2人は部屋を見て回り他に報がないかを探して回る。
しばらく探索を続けているとチヨが何かを見つけた様で、
「隊長!……これ…。」
シズキはチヨの元へ向かい、チヨの見つけたものに言葉を失った。
ロボットである、それもあの無人機と同じ形狀の。
それがジャンクパーツなのか完品なのかは分からないが、見た限り無事そうな機が1機にパーツが所々足りない機が3機、その他はほぼパーツで床や機の上などに散らかっていた。
「チヨ、あんたはこの部屋をもうし調べて。私の予想が當たればもう1つ重要な部屋があるはず。」
「りょ…了解です。」
シズキはチヨへこの部屋の探索を任せると自分ももう1つある筈の部屋のり口を探し始めた。
壁を手當たり次第にり、叩き、違和のある場所を探ると縦に切れ目のある壁を見つけた。
「この近くに扉を開けるスイッチとかが……あった!」
ほんのしの出っ張りがあるのを見つけてその出っ張りを押し込む。
すると裂け目から扉が開いて行き、照明が自的に付いて部屋の全貌をあらわにする。
「………やっぱり…。」
部屋の中は特殊な防腐加工を施す培養をかけられ、頭蓋骨を綺麗に切られた子供のが捨てられた様に転がっっていた。
保存狀態は良かった様で腐食している所はないが、髪や頭の中にの跡の様なものがこびりついており、死してなおみ者として使われた非道な者達の所業に怒りを覚える。
せめて汚れを落としてやりたいと思ったのだが、下手に死へれる事も出來ないし、報が危う過ぎる為、現狀は放置するしかない。
他にも培養に浸された年や、児や赤子なども確認できた、シズキはつい拳に力がってしまうが、今はを発させる時ではない。
チヨと合流して直ぐにこの場から離する、
「チヨ、そっちは何か見つかった?」
「はい、搬口の様な扉を見つけましたが、勝手に開けるのも怖くてってはいません。」
「了解、それは報告書に記載しておくたして。そろそろここを出るわよ、外に負傷者を置き去りにしてるからその人も連れて出ないと。」
「了解です。隊長の方は探してたはあったんですか?」
「………ええ、沢山ね。」
シズキは先ほどの景をチヨへ説明する、脳を抜き取られた子供達のとその扱いに付いて。
思い出しただけでも憤怒のに飲み込まれそうになるがしっかりと抑え込む。
「えっ…それってどういう。」
「恐らくだけど無人機へ人間の脳を移植するのよ、私達みたいに人間を作りのにするのでは無く、作られたを人間にしようとしてたのよ。」
「そんな……じゃああの子も…。」
「おそらくね…でもあの子をここに放置する訳にはいかない、やってしまった事の責任は取らないといけないし、悪い事をしたら叱られる、當然の事よ。」
「………了解です…。」
これ以上の探索は藪蛇になると判斷し、停止した無人機とともにその場を後にした。
先程の広場まで戻ると負傷していた青年は今だ壁にもたれかかって痛みにいでいた。
おそらく戦闘も終わりアドレナリンが切れて全を痛みに襲われているのだろう。
「ごめんなさい、遅くなったわ。」
「あっ…いえ…大丈夫…です。」
明らかに大丈夫では無さそうにヤルミは返事を返した。
「直ぐに上に連れて行こうと思ったけど…救護班が來るまで待ってた方が良さそう?」
「いえっ…大丈夫…ですっ!…すみません…上までお願い…します。」
「了解、私の首に手を回して。」
「あっ…はい。」
ヤルミは場違いながら正直ドキドキしてしまった。
姉以外のとは殆ど流もないのに、急な的な接。
ほぼ抱きつく様な形で抱え上げられて、ほのかな甘い香りや何処とは言わないがらかい。
「うぐぁっ!」
「我慢して、男でしょ?」
一階層から二階層に飛び上がる為の猛烈な勢いと著地の衝撃。
ヤルミは激痛に耐える事に必死になり余計な考え事など出來なくなった。
その後も壊れたエレベーターを三角飛びの要領で登り、飛ぶたびにヤルミの悲鳴が響く。
「もう、だらしないわね。鍛え方が甘いんじゃない?」
シズキはそう言いながら救護班のいる場所までヤルミを運んだ。
「1人重癥がいるの、直ぐには死なないけど。けれに余裕は?」
「問題ありません!ってヤルミ様ですか!?どうしてこんな…。」
シズキに抱きかかえられた重癥患者の様子を見ようと顔を見た途端醫師は驚きの聲を上げていた。
「ん?もしかして偉い人だったかしら?」
「あ…いえ、そういう訳ではありませんか。我々の間でもヒーローの様な方ですので。余程壯絶な戦いだったのでしょう。」
「………ええ、そうね。」
実際にはシズキがボコボコにしてしまったのだが一応空気を読んで話を合わせた。
「とにかくヤルミ様は直ぐに大きい病院へ搬送致します。あなた方は何処か怪我などは?」
醫師は仲間の救護班に擔架を用意させる様にび、シズキ達の容態を気にしている様だった。
「私達は問題無いわ。それよりその人の方を…」
「あら、中々可らしい彼さんね。」
「「!!??」」
なんの前れもなく唐突に金髪の若いが瓦礫の上へ腰掛ける様に現れ、
長いプラチナブロンドの髪を揺らしながら笑顔で話しかけてきたの脇には、片腕を失った上半だけのロボットがいた。
「……あれっ!?いつの間に!?」
チヨが驚いた様に聲を上げた為チヨの方を見ると特に何もなかった、持っていたはずのロボットも無かった。
《全員へ急命令、私達の目の前のへ攻撃準備。》
《《《了解。》》》
シズキはこのの異常をじ、隊員達へ意識通信により命令を下す。
警戒レベルを最大まで上げてへ問答を始める。
「あら、いつからそこにいたのかしら?気付かなかったわ。」
「ほんのさっきよ、醫療班の方とお話が終わりそうだった頃ね。」
彼はシズキの質問へ気さくに答えた、意思疎通の出來ない程の輩ではないようでしだけ安心した。
「ところで、あなた方は脇に抱えてるそれの事なんだけど。」
「あら、それなんて酷いわねぇ~怖いおねぇさんねぇ~こんな子供を扱いよ?」
からかうようにはそう言った。
まるで子供をあやすかの様に、こんな子供をしっかり言った。
彼がこの地下の件に関わっている事はその段階で明白となる、だがわざと分かるように言葉を選んだようにもじられ、それがまたシズキに不気味だとじさせた。
「あなた…その子の事について何か知ってるのかしら?」
シズキがそう問うと、彼は薄い赤の瞳を持つ左眼と濃い金の瞳を持つ右眼でシズキを見つめた。
そして何かに気付いたかの様にニヤリと笑い先程の問いに答える。
「ええ、おそらくここの地下の子でしょう?あなた達も見てきたのね。あそこを。」
それだけ聞けば十分だとシズキは判斷し、
「大人しく投降しなさい、念の為に控えている狙撃隊にあなたを狙わせているわ。余計な事をしなければ攻撃はしな…」
「やだ~こわ~い!中々の気が多い子ね。私は嫌いじゃないわよ?」
目の前のはこの現狀が分かっているのか否か、とても楽しそうにそんな言葉を並べた。
シズキとしてもどうしても逃したくない重要參考人となる相手だ。
多は過激な事でもやるつもりであったが流石に無抵抗の相手をいきなり撃つ程冷徹にはなれていない。
「ただの脅しじゃないのよ…お願いだから投降して、あなたを逃がすつもりはないけど大人しくしてくれれば危害は加えないわ。」
「うふふ!それに他者を思いやる心も持ち合わせている…と、あの子には勿無いくらいの良い子ね。」
「さっきから何の話をしてるのよ…。」
會話は出來てもやはり意思疎通は出來ない狂人の類だと判斷する。
こちらが質問して、相手がそれに対し答えようとするタイミングでの攻撃を指示する。
「そして敵には容赦しない、思い切りも良い、お姉さんもあなた羨ましくなっちゃうわ~。」
だが彼は何事もなかったかの様に話し続ける。
それを確認したシズキは焦り隊員達へ叱りの通信をれる。
《ちょっと!何やってるの!撃てって言ったでしょ!?》
《うっ…撃ちましたよ!しっかりと足に向けて…でも外しても無いんですよ!》
《どういう事…?》
《こういう事かしらね?》
部隊専用の意思通信へ割り込んで聲をかけて來たその聲は目の前の彼のそれだった。
そしては指でつまんだ鉛の弾を見せ付けてくる。
「………もしかして返した方が良かったかしら?」
反応のないシズキに対し彼は何故かそう解釈して指で弾を弾き
《うわぁッ!?》
通信越しに隊員の悲鳴が聞こえる。
《當てて無い筈だけど、何処か怪我しちゃった?》
《………い、いえ。…大丈夫です。》
《そう、良かったわ。》
既に當然の様に通信へ割り込み、こちらの隊員と會話までしている。
あまりの異常にシズキは混し、とにかくこいつを仕留めなければまずい事になる。そう判斷して、
ダァンッ!ダァンッ!ダァンッ!ダァンッ!ダァンッ!
ハンドガンによる5連の早撃ち、両手足に眉間、五ヶ所への攻撃だがやはり彼は當然の様にそこに座している。
「いきなりだなんて、結構強引なのね。」
「………本當に、どういう事なのよ…。」
またしても彼の手の中に5発の弾が握られている、今の銃聲を聞き注目を集めてしまったシズキ達。
そして銃聲で朧げだった意識を無理やり覚醒させられたヤルミが擔架の上で起き上がる。
「うっ…くっ!…。」
「ヤルミ様!まだ起き上がってはいけません!全を骨折しているのですよ!」
「だけど…今の銃聲は…!?」
そしてヤルミは金髪の若いを見た。
魔だ。
何故分かったのか?
それはテレポートミラーを目の前で作り上げ手渡してくれたのが彼だからだ。
最初の1個目以降はムーンライト達を通しての購という形になったのでそれ以來顔は合わせてはいないが、それでもあの不思議なを忘れる事などあり得ない。
「まっ…魔様!」
「魔…?」
シズキはヤルミの呼んだその名にどういう意味かと疑問に思ったのだが。
「あら、確か~…ペリドットの弟君よね?」
「はっ…はい!」
「いつもお姉さんに引っ付いてる筈の君が1人なのは珍しいわね。お姉さんの方はどうしたのかしら?」
まるで何事もなかったかの様に世間話を始める。
今回の事件の首謀者であると思われる魔と呼ばれたはこの事件の被害者と當然の様に笑顔で接している事に狂気的なものをじた。
「姉は…殺されました…。」
「あらそう、殘念だったわね。」
何でも無いことの様に返事した。
「えっ…姉さんは魔様のお仕事を々手伝ったり…仲良くしてたんですよね?」
「…?そうね、あんな死に方をするとは思ってなかったから、また助手を探さないといけないわ。」
魔は心底何が言いたいのか分からない、と言いたげな顔でヤルミへ己の考えを口にした。
そんな態度を見たヤルミ當然の様に怒りにを飲み込まれて行く。
「魔様は…見て居たんですか…?」
「彼がこの子に殺される所の事?」
そう言って無人機をでる。
ヤルミは今気づいたのか無人機の殘骸に驚く、だがそれよりも聞かなければならない事がある。
「見て居て…姉を見殺しにしたんですか…。」
「遠目で見てただけだけど、彼も敵を目の前に油斷するなんて。まだまだだったわね。」
その瞬間ヤルミが鏡を投げて一瞬で魔の目の前に転移する、そして連結させたハンドガンを超至近距離で引き金に指をかけようとして。
「それ!」
そう言って魔がハンドガンの銃を摑みヤルミの肋骨へ押し付ける。
「うぐぅッ!?」
ヤルミは唐突な激痛に怯みそのまま地面へ落下する。
「迂闊過ぎるし、その程度の痛みで怯んでるからあなたはいつまで経っても強くなれないのよ?死んだあなたの姉も悲しがってるんじゃないかしら?」
「僕は…僕は!!」
ヤルミは立ち上がろうとするも魔から発せられる殺意に怖気付いて、きが取れなくなってしまった。
「はぁ…覚悟も足りなければ意地も無い。本當にダメな子ね。」
魔は興味を失った様にシズキ達へ向き直る。
「さて、お話の続きよ。東城 靜樹ちゃん?」
「ッ!?………自己紹介はまだの筈だけど…?」
シズキは心かなり揺した。
自分の名前をフルネームで、しかも正確な発音で呼んでくる相手など祖母を除いて居なかったからだ。
「あら、そうだったかしら?私は昔から前からあなたの事は知ってたわよ?あなたに會う前からね。」
正直不気味なんてものではなかった、すぐにでもこいつを始末しないと本當にまずい事になる。
そして全員へ攻撃命令を出そうとした瞬間。
「うふふ!からかうのはこの辺にしておきましょうか。」
真橫で魔の囁きが聞こえた。
シズキはまるで反応出來ずにすぐに距離を取ろうとするが、
「とりあえず、次に會うまでの宿題よ。中を確認して報を調べておく事、サボったらお仕置きしちゃうわよ?」
そう言って後ろから無人機の殘骸を背中に押し當てられる、とっさに飛びのいた筈なのに。
シズキは靜かに振り向いて無人機をけ取る。
「次に會うって?次はどんな登場をするつもりなのかしら?」
今までのやり取りで自分達ではどうにも出來ない相手なのは理解出來たので、とにかく報を得ようと虛勢を張り會話を続ける。
「あなたと私は遠く無いうちにお友達になれるわ、時が來れば友人として改めて自己紹介するでしょうね。その時を楽しみにしているわ、シズキちゃん。」
砂塵が渦巻き、魔の姿を隠すと次の瞬間には消えていた。
「………全員警戒を解除、一旦ここへ集合。」
たいした報をえられずに重要な人を取り逃がしてしまったが、下手をすればこちらが全滅させられてもおかしく無いほどの力量差だったとじた。
見つけた報やこの無人機についても自分達だけではどうにもならないため、シズキは本部の指示を仰だ。
作者:高野三四さんの魅力は大人になってから気付きましたね、若い頃はレナちゃん一択だったんですが・・・。
平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
時は2010年。 第二次世界大戦末期に現れた『ES能力者』により、“本來”の歴史から大きく道を外れた世界。“本來”の世界から、異なる世界に変わってしまった世界。 人でありながら、人ならざる者とも呼ばれる『ES能力者』は、徐々にその數を増やしつつあった。世界各國で『ES能力者』の発掘、育成、保有が行われ、軍事バランスを大きく変動させていく。 そんな中、『空を飛びたい』と願う以外は普通の、一人の少年がいた。 だが、中學校生活も終わりに差し掛かった頃、國民の義務である『ES適性検査』を受けたことで“普通”の道から外れることとなる。 夢を追いかけ、様々な人々と出會い、時には笑い、時には爭う。 これは、“本來”は普通の世界で普通の人生を歩むはずだった少年――河原崎博孝の、普通ではなくなってしまった世界での道を歩む物語。 ※現実の歴史を辿っていたら、途中で現実とは異なる世界観へと変貌した現代ファンタジーです。ギャグとシリアスを半々ぐらいで描いていければと思います。 ※2015/5/30 訓練校編終了 2015/5/31 正規部隊編開始 2016/11/21 本編完結 ※「創世のエブリオット・シード 平和の守護者」というタイトルで書籍化いたしました。2015年2月28日より1巻が発売中です。 本編完結いたしました。 ご感想やご指摘、レビューや評価をいただきましてありがとうございました。
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