《BioGraphyOnline》終章 一つの結末
久しぶりの現実世界からこんばんは!アズです
現在俺はスカイツリー目指して走っているのですが
今日の東京の天気は!
あいにくの目玉模様です!
「はぁ・・・はぁ・・・あとちょっとでつくぞ・・・」
俺は自販機でジュースを買いながら道のりを確認する
そこには空から落ちてきたにもかかわらず潰れる事なく周囲を見渡す目玉達
周囲を見渡すだけで特に危害を加えてくる事もないが・・・
「天変地異ってレベルじゃないな」
目玉達を見ていると流石に胃に不快をじる
俺は空き缶をゴミ箱に投げれて走り出す
「兎に角急がないと!」
スカイツリーに著く頃には上空でまた新たな異変が起こり始める
今度は骨だけの鳥が空を飛び始めているのだ
「くそう!グラ・・・馬場のやつとんでも無いことしてくれたなぁ!」
エレベーターの中で俺は空の異変を確認しながら目的の人を見つける
「賢者さん!」
「おお!お主・・・見事ハーデウスをこちら側につけたようじゃな!!」
俺の言葉に嬉しそうに顔を輝かせる賢者
あ・・・あれ?
「でも空に骨鳥が!!」
俺が指差した方向には上空の目を追いやる骨鳥の姿
・・・
「もしかしてあれがハーデウス?」
「正確にはその眷屬達じゃな」
一人勇んで乗り込んできた俺は無言で口をムニムニさせる
「ば・・・馬鹿な!?これでは私の計畫がぁぁぁ!!!」
驚愕の表を浮かべながら幽霊のように立ち上がる馬場
「馬鹿弟子よ、勝負ありじゃな」
・・・つまりどういう事だってばよ!?
「流石アズやね・・・信じとったで・・・」
混する俺の隣では何故かふるやんが笑みを浮かべている
そんなふるやんの肩を馬鹿兄がトントンと叩く
「っく!どうすればいいん!?これで終わりなん!?」
「やめて!やめて下さい!!!」
珍しく慌てるふるやんに馬鹿兄が悪戯めいた顔を浮かべている
そんな景をジト目で見ながら・・・
「というかふるやんと馬鹿兄はいつからそっちサイドの人間なわけ?」
「割と最初からやで?なくとも霊使い異変の時はすでに太郎兄さんと一緒やったし」
かなり前からだな・・・確かにあの頃から馬鹿兄の事気にしてたっけ
お次に馬鹿兄を見る
「我は統制機構に隊してしばらくしてからだ」
「つまり小學校にってしばらくたってからだな・・・」
俺の翻訳に馬鹿兄がウンウン頷く
クソ真面目だった馬鹿兄が急に廚二病に目覚めたのはそのせいだったのかよ
俺は溜息を吐きながら馬場と賢者の様子を確認する
「そんな!私が!!この私がぁぁぁ!!!」
いまだ絶にも近いびをあげる馬場
「大人しくこやつらの姉を返して大人しく余生を過ごすのじゃな」
「そんな!そんなそんな!そんな!!!!」
尚も天を仰ぎながらぶ馬場に賢者が近づく
続いて近づく俺は馬場の足元が不自然に黒い事に気づく
「賢者さん!下がって!!!」
鬼気迫る俺の聲に反応した賢者が後ろに飛び退く
しかし俺達は黒い何かに吹き飛ばされる
「今度はなんだ!?」
震える足に喝をれて立つ俺達の足元が黒く変する
地面の黒い影のようなは意思を持つかのようにゆらゆらくと、手のような形狀になりながら地面から生えてくる
「ああ!我らが偉大なるアトラハルト様!貴方様は私にまた試練を與えてくださるのですね!」
聞いた覚えのある聲に後ずさる
「まさか・・・オクトリアのシスター!?」
「ええ!ええ!その通りです!」
そこには以前の面影など全くない・・・そもそも人間の面影すらない化けが揺らめいていた
「なんでこっちの世界に!?」
「神を超える力などありはしない!!!」
その言葉に賢者が顔をしかめる
「一度神が顕現すればその世界に不可能という言葉はなくなる・・・そして・・・」
地面が揺れて大地から黒い水が溢れ出す
「反対派が2・・・來るぞ小!!」
「我らがアトラハルト様!人類に救済を!!!」
賢者と化けの聲が重なり再び空に目玉が浮かび上がる
「無駄だったのか・・・?」
放心狀態で世界が黒い水に飲み込まれていくのを見る俺達を化けが嗤う
「偉大なるアトラハルト様の前では全てが無意味なのです!!さぁ!!貴方も私と一つに!!!」
化けの言葉に絶を隠せない俺達・・・いや
賢者は不敵な笑みを絶やしていない
「無駄などではなかったぞい?」
そう言いながら賢者が輝きを放つ
「おで呪文が間に合ったぞい」
「まさかここに來てまだ何か切り札が!?」
賢者はウンウン頷く
「私が馬場と會わなければ馬場が魔法を覚える事も奇行に走る事も無かったからのう」
なるほどなるほど!
「私が存在しなかった事にするんじゃよ」
うん?
「それって」
「私が全ての元兇じゃからのう・・・」
賢者が寂しそうに背中で語る
「ちょ!待てよ!」
それってどういう事なんだ!?
賢者が何かを呟くと同時に世界が歪む
「何勝手に決めてんだよ!!!」
俺のびも虛しく世界は暗転するのであった
◇
ガタン!!
俺は機に頭をぶつけて悶絶する
周りにはの姿等無く・・・頭上では切れかかった蛍燈がチカチカっている
ああ・・・
「懐かしい・・・夢を見たな・・・」
學生時代よく見ていた夢
剣と魔法のVR世界で霊師として遊ぶ・・・そんな夢
「おーい青葉さん?寢落ちしてませんかー?」
心配そうにこちらを覗き込む馬場所長に適當に手を振る
現在俺はゲーム會社に就職して世界初のVRMMOというジャンルの製作に攜わっている
學生の頃に見た夢のゲーム・・・
その名もBGOだ
これはネタだがゲームの名前は製作者の名前を組み込んでいる
BIOは三大企畫者の馬場、今村、小川
GRAPHYはそれぞれGMキャラクターのグレイ、ルピー、アズ、そして人工生命のフィー
當初は企畫者三人がGMをするという事でグラン、ラフィーネ、アリス、フィーという構だったとかなんとか
俺はそんな小ネタを思い出しながら手元の書類を上司に渡す
「馬場所長、頼まれてた場所の修正終わりました!」
「流石青葉さん!助かるよ!」
馬場所長は年齢の割に若く人も厚い人だ
昔奧さんが亡くなった時は自暴自棄になって大変だったらしいがとてもそうは思えない
「ところで・・・サトミさんは元気にしてるかい?」
そんな事さえ耳打ちしてくる所長に俺は苦笑いを一つ
「あんな姉で良いなら早く貰ってくださいよ」
「ふむ、家族公認という事かな?」
ニヤリと笑みを浮かべる所長に近くの同僚が詰め寄る
「ちょっと待ってください!その事に関しては私も譲れませんよ?」
GM擔當のグレイが所長と睨み合う
「貴方は前の職場のほうが合ってたと思うんですがね〜?」
お、これはたまに出てくるブラック所長だ
「フルダイブ式のゲームの製作なんて聞いたらつい・・・ですがそれとこれとは関係ありません!!」
「ええ~?ですがそのせいでサトミさんにも怒られたとお聞きしましたよ~?」
「ぐぬぬ!!」
二人が睨み合いながら牽制し合う
「では~?これからサトミさんをかけて一勝負しましょうか~?」
「やってやろうじゃないですか!!」
まぁ実は仲はとても良いんだけど
その仲の良さは、とある社員が隠し撮りした寫真のせいで
実はホモなのでは?という意見さえ出る程だ
二人共會社では形なのでそっち方面の話題も絶えないとかなんとか
そんな噂の元兇となった人がデスクに倒れながらぶ
「お腹が空きました!!!」
「紅川さん・・・仕事してくださ「古川さんからLINEが來てる!」
俺達を無視してLINEを始める紅川さん
フリーダムですがこれでも仕事はできるんですよ・・・
「紅川さん連れて三人で先に休憩行ってきてください・・・俺も後から合流します・・・」
三者三様の表をしながら休憩に向かう三人に手を振り、俺はプログラムを打ち込む作業に戻る
「し寢落ちしてたからな・・・取り戻さないと・・・あれ?」
再びPCに向き合った所で視界がブレる
疲れてるのかな?
俺は目をこすってPCの畫面を見る
「なんだこれ?」
目の前にはいつのまにか文字が浮かんでいる
<貴方にやり殘した事はありますか?>
< もしもあるならば >
しばらく空白が続き最後の文字を見て目を見開く
ゲームを始めますか?
はい/ いいえ
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